中国ニューエコノミーETF【CXSE】とは?
【CXSE】とは、世界的に有名な中国のIT企業を中心に構成されたETF です。米国Wisdom Tree社が運用しており、正式名称をWisdomTree China ex-State-Owned Enterprises Fund といいます。
2012年9月19日に設定されました。マーケットはNASDAQです。
“ex-State-Owned”とは「国有企業が除外されている」という意味です。よく知られている通り、中国は共産党の一党支配で、中央政府の力が非常に強い国です。
米国との貿易摩擦やウイグルの人権問題など、他の先進国にはないカントリーリスクがしばしば話題になります。
民間企業に対する中国政府の影響力は大きいです。
例えば先日には中国当局がこれまでの学習塾を非営利機関に登録し、新規許可は禁止しました。また、教育機関の企業公開を認めず、上場会社が教育機関に資金を投資することも禁止したと報じられています。BABAも解体のうわさが絶えませんね。
【CXSE】の構成銘柄
【CXSE】は中国政府が20%以上株式を保有している企業を除外した銘柄で構成されるWisdomTree China ex-State-Owned Enterprises IndexをベースとしたETFです。
ポジティブに解釈すれば、インデックス構成時に中国政府の株式保有に関して適度にスクリーニングをしてくれているということでしょう。
ベースとなるインデックスは2021年9月末現在で、173銘柄から構成されています。
上位10銘柄は図の通りです。
出所 WisdomTree website
テンセント、アリババ、メイトゥアンといった中国の代表的IT企業のウエイトがかなり高いですね。上位10銘柄で4割以上のウエイトを占めます。上位10銘柄はレバレッジ等がかかっているわけではないので、CXSEとベースのインデックスとほぼ同様です。
セクターウエイトは消費者関連、通信、情報技術等が大きな割合を占めています。非国営企業を投資対象にしているからでしょう。一方、政府系企業が多い金融やエネルギーのセクター比率は低いです。
【CXSE】の経費率と分配金
ベースとなるインデックスであるWisdomTree China ex-State-Owned Enterprises Indexをざっくり理解したところで【CXSE】を見ていきます。
まずは経費率を確認します。0.32%です。すごく低いとも言えませんが、特別高いわけでもない水準でしょう。
分配金は3か月ごとに出したり出さなかったりです。出した場合でも特別多いという水準ではありません。どちらかといえばキャピタルゲインを追求するETFです。
【CXSE】とVWO、S&P500の比較チャート
S&P500と新興国株式を対象としたETFのVanguard Emerging Markets Stock Index Fund ETF(ティッカー:【VWO】)と比較したチャートです。
- 赤:S&P500
- オレンジ:VWO
- 青:CXSE
チャートを見ると、【CXSE】はコロナショックのダメージが小さかったことがわかります。ただ、【CXSE】は2020年のコロナショックから2021年2月ぐらいまでの上昇に目を見張るものがありますが、その後の下げも激しく、5年で見るとS&P500とほとんど同じです。
2021年に入ってからの下落は、カントリーリスクの影響を受けています。それでも新興国の中では中国株は存在感があるのでしょう。【VWO】と比較すると好パフォーマンスです。
【CXSE】をどのように考えていくのか
中国株に投資してみたいけれど、自分で個別銘柄を調べるのは手間だなぁと感じる方に向いています。適度にスクリーニングされているのは都合がいいでしょう。
また、中国株口座を開設せずとも、米国株口座で中国株に投資できるのは、手間が少なくて済みます。
とはいえ、ここにきて恒大集団の巨大債務の顕在化をはじめとした、ややきな臭い話題が中国株には多いです。また、高い経済成長を後ろ盾に、株式市場も成長してきましたが、その成長にもやや陰りが見えはじめてきました。
コアの投資対象としては大変ボラタイルで、難しさを感じます。中国株の動向に気を払うために少しだけというのが無難でしょう。
CXSEはSBI証券、楽天証券、マネックス証券等が取り扱っています。
関連記事です。
上昇分を分配金として出す、変わり種ETF、QYLDです。
イノベーティブであることに焦点を当てた、ARKKです。
おやんちゃな、半導体3倍レバETFです。