iシェアーズMSCIフィリピンETF【EPHE】はフィリピン企業がまとめて買える
iシェアーズMSCIフィリピンETF【EPHE】はフィリピン銘柄をまとめて買えるETFです。フィリピン株式市場との連動を目指しています。フィリピンは人口規模、国内市場もそこそこ大きく、何よりも若年人口が多いのが魅力です。
それに伴い、経済成長も期待されています。かつては農業国として有名でしたが、昨今の産業の発展はかつてのイメージを急激に変えつつあると言っていいでしょう。今回は、そのフィリピンのETFであるiシェアーズMSCIフィリピンETF【EPHE】をご紹介します。
フィリピンのドル建て名目GDP
フィリピンのドル建て名目GDPです。出典はこちらです。
1998年のアジア危機時には落ち込みを見せていますが、近隣の開発途上国に比べると影響は軽めです。その後リーマンショックを挟みつつも3倍になっています。一人当たりGDPもドル建てで3倍の3000ドルになっています。
フィリピン国内ではモータリゼーションが本格化しており、毎年のように豊かになる実感があります。若年人口も多く、活力に満ちていますね。
フィリピンの人口推移
フィリピンの人口は現在すでに1億人を超えており、将来的には1.6億人に達すると見込まれています。特に、若年人口層が多く、出生率も高いことから人口ピラミッドも美しいピラミッド型を描いています。
このことは将来にわたって豊かな労働力の供給、無理のない社会保障支出、拡大する消費を意味します。なお、出典はこちらです。
フィリピンETF【EPHE】の配当とチャート
分配金込みのチャートです。2010年9月の設定来でおよそ30%のパフォーマンスです。この2年に関してはマイナス成長をしています。配当利回りは高くなく、0.5%程度です。信託報酬は0.62%です。
これぞ開発途上国の難しさですね。国自体が伸びても株価指数と連動しないというジレンマを抱えています。
フィリピンETF【EPHE】の構成銘柄
ティッカー | 銘柄名 | (%) | 業種 |
SMPH | SM PRIME HOLDINGS INC. | 11.72 | 不動産 |
ALI | AYALA LAND INC. | 10.09 | 不動産 |
BDO | BDO UNIBANK INC | 7.87 | 金融 |
AC | AYALA CORP | 7.56 | 金融 |
SM | SM INVESTMENTS CORP | 6.96 | 資本財 |
JGS | JG SUMMIT HOLDINGS INC | 4.59 | 資本財 |
URC | UNIVERSAL ROBINA CORP. | 4.37 | 生活必需品 |
TEL | PLDT INC | 4.2 | 通信 |
JFC | JOLLIBEE FOODS CORP | 3.91 | 一般消費財 |
AEV | ABOITIZ EQUITY VENTURES PHP1 INC | 3.2 | 資本財 |
MER | MANILA ELECTRIC CO. | 2.66 | 公益事業 |
不動産と金融が時価総額の上位を占めるというところに国としての若さを感じますね。特に金融は経済の拡大する開発途上国においては成長産業で、融資と利益の伸びは出色です。銀行という業態自体は唯一無二というわけではなく、ワイドモートにはなりにくいです。つまり、業界全体が伸びる素地があるということですね。
不動産が伸びているのは、オフィス賃料の高騰に表れているように主に都市部における土地代の上昇が背景にあります。著名な企業に絞って解説を加えたいと思います。
1位SM PRIME HOLDINGS INC.【SMPH】
ショッピングセンターや住宅、オフィスまで、不動産ならば全て手掛ける不動産開発業者です。フィリピンだけでなく、中国にも進出しており、事業規模は東南アジアでも最大級になります。
2位AYALA LAND INC.【ALI】
フィリピン2位の不動産開発会社です。こちらも海外進出に熱心で、マレーシアに進出を果たしています。不動産開発業者が時価総額の1位、2位を占める珍しいパターンですね。
3位BDO UNIBANK INC【BDO】
フィリピンを代表する銀行の1つです。資産規模はおよそ6兆円ですので、日本の銀行の総資産と比べるとまだまだ規模は小さいですね。日本の上位地銀トップ10ぐらいの規模です。ただし、今後は加速度的に規模の拡大がみられるでしょう。
5位SM INVESTMENTS CORP【SM】
1位のSM PRIME HOLDINGS INCの親会社です。不動産が好調で時価総額が逆転しています。1位と5位を合わせて20%近くになります。フィリピン経済に大きな影響を与える存在になっています。新興国は時価総額の集中が起きている国が散見されますね。
フィリピンETF【EPHE】のまとめ
よほど政治的に失敗しない限り、フィリピンという国自体の発展は疑いのないところです。アジア通貨危機を経て、2005年以後はリーマンショックを挟みながらも順調に成長してきました。
一人当たりのGDPも非常に伸びており、国自体に勢いと活気があります。ただし、2018年に入っての株式のパフォーマンスは冴えません。いや、これは今に始まったことではなく、2012年から長らくそうです。
国の成長と株式指数の相関性が低いのが開発途上国にありがちな傾向ですが、まさにその典型と言えるでしょう。今後も引き続いて傾向を見守りたい、魅力的な国の1つですね。
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インドネシアはフィリピンの倍以上の人口を抱えます。東南アジアの大国と言ってよく、市場の大きさ、人口の増加、非常に魅力的な国です。しかし、インドネシアも株式指数がパッとせず、高インフレ傾向にあります。
マレーシアは国内市場はフィリピンの1/3ですが、やはり若年人口が多く、非常に有望な国です。経済成長率予想も高いですね。
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