グローバルX 半導体 ETF【2243】は円でSOXに投資ができる
2023年4月13日にグローバルX半導体 ETF【2243】が東証に上場しました。
米国に上場する株式の中から、特に半導体関連の30社により構成されている「フィラデルフィア半導体株指数」に連動しています。
「フィラデルフィア半導体株指数」は【SOX】というティッカーでも知られる、米国では非常に認知度の高い指数です。
流動性の要件を満たす銘柄のうち半導体関連ビジネスにより収益を上げている企業30銘柄で構成されます。
「半導体関連ビジネス」の定義は、ICB(業種分類ベンチマーク)により、
- Semiconductors Subsector
- Production Technology Equipment Subsector
に分類される企業を指します。
指数はNasdaq OMX PHLX(旧フィラデルフィア証券取引所)が運営しています。原則として毎年9月の第三金曜日に指数構成銘柄の見直しを行ないます。
構成比率の見直しは毎年3の倍数月の第三金曜日に行ないます。時価総額加重平均ですが、構成比率上位5位までは比率見直し時にウエイトの上限を8%、残りの銘柄については4%を上限としています。
フィラデルフィア半導体株指数【SOX】とS&P500の比較チャート
1年のチャートをS&P500と比較してみました。赤が【SOX】、水色がS&P500です。
構成銘柄数の少なさと業種が特定されている影響がボラティリティの大きさの原因でしょう。
出典: US版 Yahoo Finance
米国株投資家のみならず、日本でも着目する投資家が多い指数です。世界各国で同指数への連動をめざすETF・投資信託が運用されています。しかし、日本では【SOX】そのものに投資できる商品がありませんでした。
【2243】は【SOX】に連動する日本国内で初めての商品です。
なお、似たような名前の米国ETFに【SOXL】と【SOXS】があります。これらはかつて【SOX】をベンチマークとしていましたが、2021年8月25日以降はICE半導体指数に変更されています。おそらく、指数の使用料などの関係でしょう。
グローバルX半導体 ETF【2243】【SOX】を構成する主な銘柄
グローバルX半導体 ETF【2243】【SOX】の代表的な構成銘柄をご紹介します。
エヌビディア【NVDA】
画像処理に使われるグラフィック・プロセッサ(GPU)を得意とする半導体メーカーです。ゲーム、プロ向け画像処理PC、データセンター、自動車の主力4分野とも売上が増加しています。
主力のゲーム用PC向けグラフィックカードが新製品の投入やPCゲームのeスポーツ化で需要が増加しています。また、同社のGPUが人工知能に欠かせないものとなったことで、データセンターなどでの需要が伸びています。
アドバンスト マイクロ デバイシズ【AMD】
PC、サーバー向けのインテル互換CPU、グラフィック・プロセッサ(GPU)、ゲームコンソール向けのシステムオンチップなどを手掛ける半導体メーカーです。
ブロードコム【AVGO】
ヒューレットパッカードの半導体部門が起源のアバゴテクノロジーズと通信用半導体大手のブロードコムが2016年2月に合併してできた企業です。通信用半導体に強みを持ちます。
テキサス インスツルメンツ【TXN】
米国の半導体大手です。アナログ半導体で世界シェア1位のほか、マイコン、コネクティビティ半導体も手がけます。自動車向けが好調です。
クアルコム【QCOM】
古くはCDMA方式の携帯電話技術を開発した企業です。移動体通信に強みを持ちます。なお、米国市場に上場していれば外国企業でも採用されます。
ですから、オランダの露光装置製造メーカーであるASMLや台湾のファウンドリー(実際に 半導体チップを生産する工場のこと)企業であるTSMCも【SOX】採用銘柄です。
グローバルX 半導体 ETF【2243】の信託報酬、分配金、売買単位
【SOX】を大まかに理解したところで、グローバルX 半導体 ETF【2243】をご紹介します。
信託報酬は税込で0.4125%以内です。S&P500連動商品のそれを見慣れるとやや高く感じるでしょうか。
年に2回分配金支払基準日があります。3/24と9/24です。
売買単位は1口です。1000円程度で取引可能です。
出典: www.nikkei.com
設定から間もないため、取引値や出来高の記録がまだ少ないです。おおむね1日2万口程度の取引があるようです。1口単位で取引できるETFとしては決して少なくない水準でしょう。
東証上場ETFですので、投資信託のような販売会社の縛りは少ないです。外国税の二重課税調整対象銘柄です。
円で手軽に世界の半導体企業への投資ができるという点で、それなりの魅力があるETFといえそうです。
このETFはSBI証券、 楽天証券、 マネックス証券、 松井証券、、 auカブコム証券、ネット証券トップ5社が取り扱っています。
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基本的には1000万円未満ならば、リバランスはあまり必要が無いですね。
右肩上がりの日本株指数が誕生するとよいですね。