たぱぞうの米国株投資

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コパート【CPRT】は高い利益率を誇る自動車オークション企業

コパート【CPRT】のシンプル銘柄分析

 コパート【CPRT】は1982年にウィリス・J・ジョンソン氏が創業しました。米国の中古自動車のオンライン・オークションを運営する企業です。


 1994年にNASDAQに上場し、2018年にS&P500に採用されています。

 

 コパート【CPRT】は保険会社やレンタカー会社などから事故車や修復された盗難車を買い入れ、主に解体業者、建て替え業者、中古車輸入業者・輸出業者、および一般顧客に販売しています。取引手数料が収益になります。

 

 早い段階でインターネット取引に参入し、1996年に”Copart.com“というサイトを運営開始しました。2003年には初の中古自動車オンライン・オークション運営を開始しています。

 

 2016年以降は、カナダ、イギリス、アイルランド、UAE、ブラジル等で同様のビジネスを始めました。現在は11か国、200以上の拠点で26万5000台以上が日々取引されています。

 

 ビジネスモデルがシンプルなので、研究開発費がほとんど必要ありません。一方投資は適切に実行しています。


 2020年には”C360”という、車のインテリアやエクステリアを360度から眺められるサービスをアメリカで運用開始しました。翌年度にはイギリスでも運用開始しています。


 オンラインで自動車を販売する際、顧客にとっての不安を取り除く技術投資と言えます。中古車販売業ではなく、運営手数料を利益とするトランザクション商売であるところが1つのポイントとなっています。端的に言うと、利益率の高い商売です。

コパート【CPRT】の株価チャートと配当

 5年チャートを見ると、赤のS&P500を大きくアウトパフォームし、約3倍に成長しています。近年はS&P500が軟調ですが、コパート【CPRT】は2022年秋以降の株価の回復が著しいです。

コパート【CPRT】の株価チャートと配当

コパート【CPRT】の株価チャートと配当

出典: US版 Yahoo Finance

現時点では無配企業です。

コパート【CPRT】の基礎データ

  • 本社: テキサス州ダラス
  • ティッカー: CPRT
  • NASDAQ上場
  • 決算期: 7月末

コパート【CPRT】の売上高と利益

コパート【CPRT】の売上高と利益

コパート【CPRT】の売上高と利益

 売上高、営業利益、純利益ともに堅調に推移しています。営業利益率が40%前後のビジネスです。ビジネスモデルは全く違いますが、参考までにトヨタ自動車など完成車製造販売企業の営業利益率は1桁です。

 

 コパート【CPRT】のビジネスの効率性を改めて認識できます。海外進出も途上で、9割が北米由来というのも魅力の一つかもしれませんね。

コパート【CPRT】のEPSとBPS

コパート【CPRT】のEPSとBPS

コパート【CPRT】のEPSとBPS

当期利益も順調に成長していますからEPSもBPSも上昇しています。
COVID-19もまったく無風だったように見えます。

コパート【CPRT】のキャッシュフロー

コパート【CPRT】のキャッシュフロー

コパート【CPRT】のキャッシュフロー

 フリーCFは潤沢です。2020年に設備投資がぐっと増えたのは、前述した”C360”のリリースに伴う投資でしょう。


 リリース後の売上高が成長していますから、業績へのプラス寄与が大きい設備投資だったと言えます。

コパート【CPRT】は今後も業績成長が期待できるか?

 コパート【CPRT】の業績が2020年以降大きく成長している理由を2つ想像できます。

 一つはCOVID-19によって、サプライチェーン網にひずみが出た結果、半導体不足で新車の生産に支障が出ました。


 その結果、自動車の購入を希望する人が新車を手に入れづらく、結果的に代替材としての中古車市場が活況になったことです。

 

 もう一つは、高い水準のインフレが世界中で起きた結果、価格が低い中古品需要が高まったことです。

 

 足下では新車製造状況が回復しつつあり、新車納入の待機期間が短くなり始めていると言われます。その点で、「中古車」というキーワードでの業績成長は鈍化するかもしれません。

 

 一方、コパート【CPRT】の業績成長の強みはM&Aによる販売拠点の増加です。近年、毎年数か所の拠点を世界各国で立ち上げており、拠点が増えれば増えるほど取扱高が増え、手数料収入が増えるという構図です。

 

ですから、Annual Reportにも


「事業の成長は、大部分が買収および新施設の開発によるものであるため、買収を成功裏に完了できず、新しい施設を開発できない場合、当社の事業および収益の成長率は低下する可能性があります。」


との記述があります。

 

 とはいえ、既に年に数回のM&Aを繰り返してきており、新拠点の立ち上げノウハウが蓄積されているでしょう。長期的には新興国でのビジネス展開による業績成長が期待できるかもしれません。

コパート【CPRT】はリセッション時に相対的に強い可能性も

 コパート【CPRT】について特筆すべきことがあります。自己資本比率が87.1%と非常に高いことです。2022年7月期のデータです。

 

 米国金利が上昇してきた足下では、借金が多い企業に資金が入りづらくなっています。借り換えなどの条件が今後不利になり、金利負担が増すと考えられるからです。

 

 コパート【CPRT】はその心配がほとんどありません。リセッション時には相対的に物色されやすい銘柄と言ってよいでしょう。

 

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