たぱぞうの米国株投資

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雪だるまインデックスファンドとはどのような投資信託か

雪だるまインデックスファンドシリーズ

 昨日2018年9月5日より、SBIアセットマネジメントによるEXE-iつみたてシリーズは、雪だるまインデックスファンドに名称変更になりました。インデックスファンドという名称をはっきりさせ、ファンドの商品性をより明確にするためということですね。

 

 ファンドの基本方針は米国で人気のあるETFを投資信託化して販売するというものです。この雪だるまインデックスファンドシリーズの手法は楽天投信投資顧問による楽天バンガードシリーズに近いですね。

 

 バンガードETFではなく、チャールズシュワブのETFを採用しています。これは似たような値動きをしながらも、ほんの少し経費率が低いというメリットがあります。日本ではあまり知られていませんが、チャールズシュワブのETFは廉価ETFとして個人投資家に米国ではまずまず人気があります。

 

 さて、雪だるまインデックスファンドには投資信託が3本ありますので、それぞれざっくりと解説します。

SBI・全世界株式インデックス・ファンド【雪だるま(全世界株式)】

 米国株ETFの【VT】が近いです。

 ただし、ベンチマークはVTのFTSE グローバル・オールキャップ・インデックスを使っているわけではありません。近い、という表現なのはそういうことです。あくまで、連動を目指すということですね。

 

 経費率は0.15%です。楽天VTの0.2396%よりも安いです。

  • シュワブU.S. ブロードマーケットETF【VTI相当】
  • SPDR ポートフォリオ・ディベロップド・ワールド(除く米国) ETF【VEA相当】
  • SPDR ポートフォリオ・エマージングマーケッツ ETF【VWO相当】

 

 これらを組み合わせてVTのようにしています。おそらく、FTSE グローバル・オールキャップ・インデックスの使用料がそこそこするので、より安価に出すための策と思われます。

 

 楽天VTに比べて知名度が薄いのは否めないところです。しかし、今後運用成績で劣後しないことが証明されれば人気化する可能性もあります。現状はFTSE グローバル・オールキャップ・インデックスへの連動の正確さが問われているというところでしょうか。

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  米国株式以外のベンチマークは近年横ばいか下落ですので、このようなチャートになっています。

SBI・新興国株式インデックス・ファンド【雪だるま(新興国株式)】

 米国株ETFの【VWO】に相当します。

 FTSE エマージング・インデックスをベンチマークとしています。

 経費率は0.1948%です。これも【楽天VWO】の0.2696%よりも若干安いです。

 

 米国のチャールズシュワブのETFを投資信託として商品化しています。元にしているETFは、シュワブ・エマージングマーケッツ・エクイティETFです。このETFはバンガードのVWOと同じベンチマークを使いつつ、より経費率を安くして販売しています。

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 そのため、値動きも殆どVWOと同じになります。VWOを投資信託で買いたい人には有力な選択になるでしょう。こちらは、素直なベンチマークの使い方をしているので、トラッキングエラーも比較的起こりにくい「はず」です。

 

 今は米国1強になっており、新興国は苦しいフェーズです。しかし、大局的にはトレンドは循環しますので、新興国投資を考えている人はむしろ良い局面かもしれませんね。 

SBI・先進国株式インデックス・ファンド【雪だるま(先進国株式)】

 米国株ETFでいうところの【VTI】・【VEA】を組み合わせた商品です。FTSEディべロップド・オールキャップ・インデックスへの連動を目指すとしています。

 経費率は年0.1155%です。素晴らしいですね。

  • シュワブ U.S.ブロード マーケットETF
  • SPDR ポートフォリオ・ディベロップド・ワールド(除く米国)ETF

 この2つを組み合わせたものです。全世界の先進国に投資をするということですね。ここでもやはり2つETFの組み合わせで1つのベンチマークを目指すという手法です。飽くなき低コストへの挑戦です。 

 

 ただ、このFTSEディべロップド・オールキャップ・インデックスは日本においてはややマニアックな指数ですね。 

雪だるまインデックスファンドシリーズに思うこと

 雪だるまインデックスファンドシリーズは経費率が安く、使用料の高いベンチマークを極力避けているところに好感が持てます。では、なぜ似たような商品ラインナップの楽天バンガードなど他社商品と運用総額の差が出てしまったのかということです。

 

 ズバリ、「わかりにくい」というところだと思います。ETFを複数組み合わせるというのは、コスト面では良いのかもしれません。しかし、トラッキングへの信頼性がまだ確立していないということです。

 

 また、ベンチマークの変更や、名称の変更も無いほうが良いに決まっており、ここも難しいところです。まだまだ過渡期ですが、「カチッ」と決まった一貫性が生まれてくると良いと思います。「雪だるまインデックスファンド」というのは考え方がズバッと伝わってくるので、定着すると良いですね。

 

 もともとは経費率の安い、非常に良い商品群です。きちっとしたトラッキングというパフォーマンスで優秀性が証明できれば、今後支持が広がってもおかしくないと思います。

  • 雪だるま【全世界株式】
  • 雪だるま【新興国株式】

 の2つは特に人気化する要素はあります。 

 さて、長くなりましたが、ご質問を紹介します。

雪だるまインデックスファンドシリーズの購入を検討しています。

たぱぞう様

初めまして。

いつも楽しくブログを拝見させて頂き、勉強させて頂いています。

 

 現在、NISA口座で積立投資を行っていますがつみたてNISAへの乗り換えで考えています。対象商品を確認した所、気になった商品でSBIアセットマネジメントより「EXE-iつみたてグローバル(中小型含む)株式ファンド 」「EXE-iつみたて 新興国株式ファンド」の二点がありました。

 

 楽天バンガードと同じようにETFに投資を行う投資信託です。信託報酬も低額でチャールズ・シュワブETFとステートストリートETFを併用する等で興味が出てきます。

 

 たぱぞう様ならどのような見解をされるかお伺いしたいです。記事にしてもらえたら幸いです。

雪だるまシリーズは好感の持てる商品ですね

 ご質問の雪だるまシリーズは良い商品だと思います。ただ、先に述べたような課題がありますね。今後、きちっとトラッキングが複数ETFの組み合わせでもできるということが証明されてくれば安心感も生まれると思います。

 

 分かりやすさという意味では課題があるのですが、Slimシリーズ、楽天シリーズ、ifreeシリーズなどと並んでexeiシリーズは有力な選択肢になると思いますよ。

 

 ご質問ありがとうございました。

 

関連記事です。

  私も1つだけexeiシリーズを積み立てています。基本的にはつみたてNISAぐらいの投資額であればさほど分散はしなくて良いと思いますが、パフォーマンスをチェックしたいと思って5つ積み立てています。

www.americakabu.com

  つみたてNISAならこちらの商品が良いと思っています。

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  iDeCoならばこちらです。

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