iDeCoとつみたてNISAの投資信託の違い
つみたてNISAはネット証券だと殆ど同じ商品がどこでも買えます。これは、そもそも対象の指数が金融庁に決められており、それに沿った商品を購入するということになるからです。
それに対してiDeCoは厚労省所管の非課税つみたて制度です。特に対象の商品が行政によってきめられているということがありません。そのため、各社・各行で良くも悪くも個性的な商品が並びます。
投資歴が長く、知識も豊富な人にとっては造作の無い「商品選び」です。しかし、そうでない人にとっては、つみたてNISAよりもやや難しいのかなと思っています。今回は、そのiDeCoの商品選びということでご質問を頂いています。
iDeCoでどのように投資信託を選ぶか
いつもブログ拝見させて頂いてます。
今回、質問させて頂くのはイデコの事です。今年からSBIで初め、ひふみ年金で積立しているのですが、日本株に対しての将来性の魅力もそこまでですし、ひふみ自体もポートホリオの中にアメリカの企業もだいぶある中で、自分もアメリカ株や世界株を中心に積立していこうかなと考えているところです。
ですが、それらの投信は楽天証券やマネックス証券の方が面白いのが多くSBI証券のものにあまり魅力を感じません。そこでSBI証券から楽天証券へ移管しようか悩み中なのですが、SBIでイデコをされているたぱぞうさんは移管は考えていないのですか?それは近い将来SBIにももっと面白いアメリカや世界株の投信が入ってくるとお考えだからですか?
よろしくお願いいたします。ちなみに僕はイデコの他に積立ニーサで楽天VTIを満額やっております。他の投信は月2万ほど毎日積立でパラパラと買っている感じであります。
場合によってはiDeCo専用口座を作ったほうがよい
お考えの通りです。実は、先に述べたように、意外にネット証券ごとの商品の違いがあるのがこのiDeCoという制度です。そのため、私は「今までのメイン口座に縛られることなく、iDeCo専用でよいから買いたい商品のある証券会社に口座を作ったほうがよい」という考えです。
メイン口座に縛られると、自分の考えにあった商品が選べません。
参考までにSBI証券、 楽天証券、 マネックス証券、の3社の違いを見てみましょう。
なお、ここで取り上げる商品は「自分もアメリカ株や世界株を中心に積立していこうかなと考えている」というお考えを尊重して、海外投資の投資信託に絞ったものをご紹介したいと思います。赤字は一応のおすすめです。
マネックス証券のiDeCo対応投資信託
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
- eMAXIS Slim 先進国株式インデックス【0.11772%】
- eMAXIS Slim 新興国株式インデックス【0.20412%】
- たわらノーロード NYダウ【0.2430%】
- eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)【0.17172%】
王道はeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)です。
ただし先進国への分散投資をするならば、先進国株式インデックスは外せないでしょう。また、新興国もeMAXIS Slimがあるのが大きいですね。北米はNYダウ連動のたわらノーロード NYダウですが、やや信託報酬が高いです。
バランスファンドにこだわるならば、やはりeMAXIS Slim バランス(8資産均等型)が手堅いところです。
マネックス証券はeMAXIS Slimの商品が比較的揃っているのが強みですね。
楽天証券のiDeCo対応投資信託
- たわらノーロード先進国株式【0.2160%】
- 楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天・バンガード・ファンド(全米株式))【0.1696%】
- 楽天・インデックス・バランス(DC年金)【0.2078%】
たわらの先進国株式は、Slimとベンチマークが一緒です。つまり、先進国株式で積み立てるなら、Slimがある証券会社を選んだほうが良いです。楽天インデックスバランスは債券が85%もある、iDeCoに特化した商品です。楽天バンガードシリーズのバランスファンドとは違うので注意が必要です。そのためあえて出しました。
楽天証券の場合はいわゆる楽天VTI、全米株式インデックスファンド一択です。これを買うために口座を開く、それぐらいの価値があります。
SBI証券のiDeCo対応投資信託
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
- ニッセイ-DCニッセイ外国株式インデックス【0.20412%】
- 大和-iFree NYダウ・インデックス【0.243%】
- 大和-iFree 8資産バランス【0.2376%】
やはり王道はeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)です。
ニッセイ外国株式はかつては人気単独トップの投資信託でした。かつて、と言っても2017年までです。つい最近です。eMAXIS Slim 先進国株式インデックスと今は人気を分け合っています。信託報酬の引き下げのアナウンスがありましたが、iDeCo版はアナウンスが無いですね。
このあたり、ややこしくなります。普通に販売している投資信託と、DCつまりiDeCo用では若干違うということです。いずれにせよ、先進国分散投資ならば選択肢になりますが、米国投資と言う観点ならば外れます。
米国株投資をするならば、iFree NYダウ・インデックスになるでしょう。個人的にはより分散性にすぐれるifreeS&P500のほうが好みです。しかし、iDeCo対応していません。
SBI証券は60本を超える商品がありましたが、ズバッと29本切ってひとまず38本にするという発表がありました。数は要らないので、素晴らしいと思います。背景には法改正があったようです。
このたび、「確定拠出年金制度等の一部を改正する法律」の施行により、確定拠出年金の運用方法(運用商品)の選定・提示に関する基準が見直され、運用関連運営管理機関が選定・提示する運用商品の上限数を35以下とすることが規定されました。
iDeCoの投資の柱を決めておくと、投資信託選びもスムーズ
ずばり、投資の柱を決めないと投資信託も数が多いのでブレます。柱とはこのようなことです。
- 米国株投資にするのか
- 国際分散投資にするのか
- 国際分散投資に新興国を含むのか
- 日本株を入れるのか
- アクティブファンドを含むのか
- バランスファンドなど債券を含むのか
弊ブログでは、「米国株投資」という観点に基づいて推奨しています。ご自分の投資のストーリーを確認し、それに応じて商品選びをすると良いと思いますよ。
そうすると、見るべき商品がぐっと減ります。まとめます。
iDeCoおすすめの商品は楽天証券の楽天・全米株式インデックス・ファンド
ということです。もちろん、新しい商品が出たり、信託報酬が変われば変化しますので、現時点でということですね。引き続いて各社の競争に期待したいところです。
※厚労省のサイトから
関連記事です。
マネックス証券のメリットをまとめてあります。取り扱い株数がずば抜けて多く、なおかつ指値も90日できるということで人気があります。
こちらは楽天証券のメリットですね。委託会社である楽天投資顧問と販売会社である楽天証券が同一グループであるという強みが生かされつつあります。
業界最大手のSBI証券のメリットデメリットです。先進的なサービスを率先して導入していますね。