米国株投資のよくある質問集(FAQ)
米国株投資に関する質問を多く頂戴します。大体8割近くの質問は似ている質問です。残りの2割が少々尖ったり、定型にはまらなかったりする質問ですね。全体で言うと、5%ぐらいが記事になるのが現状です。
今まで作らなかったのが不思議なのですが、改めて基礎基本となる米国株投資のよくある質問集(FAQ)をまとめておきます。
米国ETFと投資信託とどちらが良いのでしょうか。
基本は投資信託です。理由は、外国税額控除の手間がないからです。もしくは、東証上場ETFでもよいでしょう。要は、ベンチマークが同じならば円建てで良いということです。信託報酬が安いものを選べばよいですね。
投資信託で買えない、セクターETFやリートETF、金ETFなどを買いたい場合はドル転してのETF買いが適となります。
S&P500を買う、VTIを買う、といったオーソドックスな米国株インデックス投資ならば、投資信託で十分な時代になりました。リターンの差を気にされる方が多いですが、同じベンチマークならばほとんど差がつきません。
高配当投資をしたいのですが、何を買っていけばよいでしょうか。
基本的に高配当投資は初心者さんにはおすすめしていません。
しかしあえて提案するならば、高配当投資は以下のアプローチがあります。
- 個別株投資
- ETF投資
個別株は減配リスクを個々に見極める必要があり、中級者以上の投資になります。ETFはVYM、HDV、SPYDがよく使われます。VYM→HDV→SPYDと→が進むにつれて高配当に振り切っています。つまり、分配金利回りが高いです。
半面、ややバランスを欠いたポートフォリオになるきらいがあります。そのため、弊ブログではVYMでの高配当投資をブログ開始当初からおすすめしています。
米国株インデックス投資と高配当投資はどちらが良いですか。
リターンは米国株インデックス投資のほうが優れています。理由は、米国株のリターンはこの30年近くキャピタルで多くを獲得されているからです。インカムのリターンよりも大きいです。また、米国の成長の源泉はハイテクとヘルスケア、一部金融、半導体などに偏っています。
高配当投資は、これらの成長産業を外したものになります。もちろん、株数を維持したまま比較的安定したインカムを得られるというメリットもあります。しかし、素直にここはバランスを求めたほうが良いでしょう。
ただし、VOOとVYMなどのリターンを見てもわかるように、数年で10%、20%といった極端なリターンの差が出るわけではありません。リタイア後に、比較的安定してインカムを得たい場合などは高配当投資が適となるケースもあります。
減配リスクはゼロではありませんが、ETFは比較的安定して分配金を出してきています。個別株のような配当ゼロといった極端なことは起きにくい仕組みになっています。
米国株投資と全世界投資はどちらが良いですか。
リターンは米国株投資のほうが優れています。これも非常にこだわる方がいらっしゃいますが、実はそんなに大きな問題ではありません。というのも、米国株の占める割合は全世界投資でも5割、先進国投資では7割を超えるものになっています。
ある意味では同じ船に乗る仲間なのです。
ちなみに、米国株投資と全世界投資のリターンは、運用元のバンガードの予想でも今後10年で数パーセントの差で全世界が優れるというものです。ただし、バンガードはかなり前からそのような見通しですが、これまでのところそのような結果にはなっていません。バンガード創立以来のリターンで見てです。
どこの機関の、誰の論説に依拠して投資をするというよりは、自分がどう考えて投資をするのが正しい姿です。様々な論説に接し、自分なりの考えを醸成するというのがすべての投資行動に共通することですね。
投資額に対する米国株の割合はどれぐらいにすればよいですか。
株対債券(現金)で言うと以下のような比率が目安になるかと思います。
- 7:3
- 5:5
- 3:7
若く、インカムがこれからも獲得されるようであれば株の比率を高めることに妥当性があります。逆に、退職を見据えた人が投資する場合には値動きよりも安定を求めるので株式の比率は落ちます。
ただし、これは目安です。経験豊富でリスク耐性が高ければリスク資産へのエクスポージャーは高くてもよいのですね。
米国個別株投資を始めたいのですが、どのようなことを意識すればよいですか。
言い始めるときりがないので、ズバリ端的に言います。
営業利益、営業利益率、営業CF、売り上げ、この4つを最初に見ます。営業利益率が高い会社は、何らかの経済的な堀を築き、参入障壁の高い仕事をしている可能性があります。営業CFは似ていますが、確かなCFの証左となります。CFはごにょごにょしにくい、確かな数字になりやすいからです。
あとはシンプルに売り上げです。売り上げが成長していれば、その会社は伸びているということが言えます。本業で伸ばすケースとM&Aで伸ばすケースがありますが、評価は微妙に異なります。高配当系の投資をするならば、少なくとも過去10年において売り上げが落ちていないものをチェックしたいものです。
新興小型株などは40%ルールなども押さえておくと、成熟企業とはまた違った目線で興味が深まるでしょう。定量的な部分に関してはPEレシオ、EBITDAやROEなどもろもろあります。この場合、最も大事なのが売り上げ成長率です。ひとまずはここで切ります。
これらに加えて、定性的な部分を見るとよいです。実はこれが一番難しいです。特に、新興小型株はほとんど定性的な堀が未成熟です。そのため、あまり定性面にこだわりすぎると何も買えないということになってしまいます。
米国株投資FAQの意図とまとめ
どこかよりどころのようなものを作っておけば、そこに立ち返ることができますね。これは、あくまで私の現時点での答えのベースになるところです。
大事なのは、あくまで「自分がどう考えるか」です。「誰かが言っていたから、何かに書いてあったから」というレベルを脱却することが、個人投資家としての自立の第一歩ですね。
ストーリーは何でもよいのです。とにかく、自分で考え、自分で道を歩むことですね。そうしないと、影響力の強い意見に振り回され続けることになります。みんながなにをしているか、というのは投資においてはどうでもよいことなのです。
関連記事です
高配当投資のメリットデメリットですね。
日本株、新興国株に関しての私見です。
銘柄分散のお話です。