たぱぞうの米国株投資

米国株投資ブログ。某投資顧問のアドバイザー。メディア実績/日経マネー・ヴェリタス・CNBC・ザイなど

実家暮らしでお金を貯め、資産形成をしていく

実家暮らしでお金を貯める

 日本経済は実は戦後2番目ともいわれる長い好景気の中にありました。しかし、それが強く意識されることがないまま、コロナショックを迎えましたね。豊かさが実感できなかったのは、一人ひとりの給与の伸びが鈍いからです。

 

 かつてのような高度成長が再び来ることは考えにくく、堅実にお金を貯めて成長の期待できる国に投資をしていくというのが資産形成の最適解になります。米国株投資というのはその答えのうちの1つということです。

 

 豊かな頃は、成人というのは殆どイコールで親からの経済的な自立を意味しました。核家族というのはそういうことで、大人数で支え合わなくても生活ができたのです。核家族が主流になる前に、大家族で支え合って生活していたのは、支えあいが必要だったからです。

 

 家事や仕事を分担して支え合って生きていくことに合理性があったということです。

 

 例えば介護が必要な高齢者、経済的に支援が必要な若年者。こうした生活上なんらかの課題を持つ人たちも、家族や親族によって支えられていたわけです。今も開発途上国の田舎はその傾向が見られますね。

 

 豊かな時代は公的な福祉で支える側面もありましたが、だんだんと限度が見えてきています。時代は一部、過去の家族形態に戻りつつあるのかもしれません。

 

 そういう意味では、若い人が社会人になって実家暮らしをするというのは現実的な判断に思います。住居費や食費が節約、あるいは折半できるのは大変大きいからです。そこでお金をため、運用して増やせればよいですね。

 

 今回は、実家暮らしでお金を貯めつつ運用しているという方からご質問をいただいています。

実家暮らしで長生きリスクに備える

 こんばんは。初めてメールを差し上げます、Mと申します。いつもたぱぞう様の記事を拝読し、勉強させて頂いております。

 

 この度、不躾ながらたぱぞう様にメールを差し上げましたのは、資産配分についてです。

 

 現在、私は会社勤めの24歳で、月64,000円を楽天証券でNISAを開設し、積立投資しております(別にWealthNavi、THEO、確定拠出年金も利用しております。そちらは合計月45,000円です)。

 

 投資の目的は老後、長生きリスクに備え、不自由なく暮らすための資金作りです。リターンは年5〜6%を狙っております。投資自体は今年の2月から始めたまったくの初心者です。また、住まいは実家暮らしの分譲マンションです。

 

現在の積立投資の資産配分は以下の通りです。

  • 株式(55%)
  1. 先進国(45%)ifreeS&P500、楽天VTI、Exe-i先進国
  2. 新興国(10%)ifree新興国
  • 債券(15%)
  1. emaxis日本債券
  2. ifree新興国債券
  3. 三井住友・DC年金バランスゼロ(債券型)に各5%
  • REIT(30%)
  1. Smart-i Jリートインデックス
  2. たわらノーロード先進国リート

 

 この資産配分を試算してみると、リターン7%、リスク15%でした。前置きが長くなり申し訳ございません。たぱぞう様はこの資産配分を見てどう思われますでしょうか。何かアドバイス等頂けましたら幸甚に存じます。

 

 お手すきのお時間等、ございましたらご回答のほど宜しくお願い申し上げます。

資産の分散が利いていて良いですね。

 若手である24歳の社会人に「長生きリスク」と言わせてしまう。この現在の状況は悩ましいことですね。まあそこはいいですね。

 

 さて、全体としては分散が利いていて良いですね。

 

 株式部分に関しては米国と新興国がトッピングされており、個人的には好みです。先進国株は米国以外は積極的にならなくてよいと考えます。成熟国はどこも成長が鈍っており、高齢化の進展に頭を悩ませているからです。そういう意味では、S&P500とVTIというのは妥当性があります。

 

 新興国はどちらかというと、タイミング投資に向いています。長い目で見て、今は良い時期である可能性があります。短期中期では厳しいでしょう。

 

 債券部分に関しては、やや日本債券に比重を置きすぎているように見えます。おそらく、為替も含めた円建てでの値動きを見据えてのことだと思います。

 

 私はあまり円建てにこだわらなくてもよいと考える人です。これは、生活資金と投資資金をくっきりと分けているからですね。円での換金性、安定性にこだわるならば、日本債券に比重を置くやり方もあるのでしょう。ただし、リターンは著しく落ちるはずです。

 

 リート部分も日本国内のリートに比重が置かれていますね。リートは不動産ですので、賃料の上昇が見込める地域に投資するのが基本になります。米国リートを検討してもよいでしょう。ただし、現在の比重だと株式とリートで85%になります。これはそれなりにリスクを取っているポジションであると意識したほうが良いですね。

 

 特にリートは不況になると株式以上に下落する例もありますから、分散とはいえ注意が必要です。

実家暮らしで得た資金をそのまま運用に回す

 最後になりますが、24歳で毎月10万円を超える資金を投資に回しているのはすごいことです。これは、実家暮らしの良さを最大限に発揮しているとも言えますね。時代が違いますから、無理して独立することはないのです。

 

 そうやって、すでにある家族の資産を活用させてもらいながら、自分自身が将来を生き抜く資産形成をしていく。ある意味では、この姿は新しい経済的な自立の姿ではないでしょうか。ただし、居候に対しての謙虚さは必要です。

 

 30年、20年前は社会人になったら一人暮らしをするというのようなスタイルが多く見られました。無理して一人暮らしをして、財産形成に時間がかかり、40代50代で経済的に厳しくなるよりも、若いころから資産形成してお金を貯めていく。そういう時代になりつつあります。

実家暮らしで貯めたお金を、成長する資産に投資していく

実家暮らしで貯めたお金を、成長する資産に投資していく

 換言すると上の世代が作り上げた資産を正しく継承し、活用していくということです。これは資産運用と同じぐらいに大きなテーマだと思っています。今のペースを大切に、資産運用を重ねていけばよいですね。ご質問ありがとうございました。

 

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