- バンガード・米国情報技術セクターETF【VGT】とは?
- VGTの強み
- VGTはどのような株から構成されているのか
- 暴落時や高騰時にどのようにVGTを運用すべきか?
- VGTを購入する際のおすすめの証券会社
バンガード・米国情報技術セクターETF【VGT】とは?
VGTは正式名称を「バンガード・米国情報技術セクターETF」と言います。
VGTへの投資は、およそ320銘柄への分散投資になります。
- システム・ソフトウェア
- テクノロジー ハードウェア・コンピュータ記憶装置・周辺機器
- 情報処理・外注サービス
- 半導体
- アプリケーション・ソフトウェア
こういった、米国企業が最も得意とする産業をカバーしたETFということです。そのため、バンガードETFの中でも最も高いリターンを示すETFのうちの1つとなっています。
VGTの強み
VGTの強みは、米国を代表する銘柄群を包含するETFであるということです。米国企業は株価パフォーマンスに優れる企業が多いです。しかし、すべてのセクターにおいて強いわけではありません。
例えばエネルギーセクターなどはこの10年のリターンは大きくマイナス、銘柄によっては半値以下になっています。それに対して、情報技術セクターは2010年代を代表する企業群で占められており、当然リターンも優れます。
IT技術による社会変革はそのまま、現代の産業革命となっています。資産運用面でもこれらセクターを含むのと含まないのでは大きな差が生じています。
VGTのチャートと配当は?
リーマンショック時には60ドルから30ドルへ下げ、半値になることもありました。2016年前後まではまずまずというリターンでしたが、それ以後は米国市場をけん引する役割を果たしています。特にコロナショックからの切り替えしは見事です。
- 2015年 取引値111ドル 分配金0.403ドル
- 2020年 取引値224ドル 分配金0.651ドル
- 2021年 取引値411ドル 分配金0.586ドル
この10年絶好調のVGTのパフォーマンス
この10年のパフォーマンスはバンガードETFの中でもトップクラスです。
配当込みリターンはこの10年で7倍を超えており、まさに出色といってよいでしょう。セクターETFはもちろん、S&P500などと比べても大きくアウトパフォームしています。その理由は構成銘柄群にあります。
VGTはどのような株から構成されているのか
それでは、VGTはどのような株から構成されているETFなのでしょうか。銘柄を見ていきます。
2021年の保有銘柄
順位 | 企業名 | % |
---|---|---|
1 | Apple Inc. | 20.10% |
2 | Microsoft Corp. | 16.80% |
3 | NVIDIA Corp. | 4.00% |
4 | Visa Inc. | 3.20% |
5 | Mastercard Inc. | 2.80% |
6 | PayPal Holdings Inc. | 2.50% |
7 | Adobe Inc. | 2.40% |
8 | salesforce.com Inc. | 1.90% |
9 | Cisco Systems Inc. | 1.90% |
10 | Intel Corp. | 1.80% |
2020年の保有銘柄
保有銘柄 | シンボル | % | |
---|---|---|---|
1 | Apple | AAPL | 17.79% |
2 | Microsoft | MSFT | 17.18% |
3 | Visa | V | 4.23% |
4 | Mastercard | MA | 3.82% |
5 | Intel | INTC | 3.54% |
6 | Cisco | CSCO | 2.48% |
7 | Adobe | ADBE | 2.45% |
8 | NVIDIA | NVDA | 2.29% |
9 | salesforce | CRM | 2.08% |
10 | PayPal | PYPL | 1.76% |
11 | IBM | IBM | 1.69% |
12 | Accenture | ACN | 1.68% |
13 | Oracle | ORCL | 1.67% |
14 | Broadcom Inc. | AVGO | 1.58% |
15 | Texas Instruments | TXN | 1.56% |
16 | QUALCOMM | QCOM | 1.31% |
17 | FIS | FIS | 1.26% |
18 | Intuit | INTU | 1.01% |
19 | ADP | ADP | 0.98% |
20 | Fiserv | FISV | 0.93% |
Apple、Microsoftが圧倒的、3割超を占めます。時価総額順だとそのようになりますね。そのあとに、半導体のエヌビディア、クレジットカードのビザ、マスターが続きます。これらの株は個別株でも人気、なおかつ優れたリターンを示しています。
3大決済のペイパル、アドビなどがその後に続きます。圧倒的リターンも納得といったところでしょうか。
VGTと他のETFを比較してみる
VGTと他のETFのリターンを比較してみましょう。
青がVGT、赤がS&P500です。リーマンショック後の2011年からの比較になります。2015以後は加速度的にVGT優位であることがわかります。ズバリ当たりのセクターとなりましたね。S&P500がおおよそ4倍、VGTは7倍超となっています。
暴落時や高騰時にどのようにVGTを運用すべきか?
この20年の株式市場を俯瞰してみると、2000年代は新興国、特に中国株の時代であったと総括することができます。中国株を含んでいないと、リターンが大きく劣後する時代でした。2010年代の中国株の元気のなさは、2000年代からは想像もつかないことでした。
2010年代は米国株の時代、特にGAFAMを始めとしたネット関連企業全盛の時代であったといえます。米国の大型グロース株を含んでいないと、リターンが大きく劣後しました。米国株といえども、小型株や元気のないセクターは大したリターンを残せていないのです。
2020年代はどのような時代になるでしょうか。個人的には、大型グロース株の時代というのはまだまだ続くように思います。私たちの身の回りのサービスを見回しても、広く浸透しています。これは、日本だけでなく中国を除く世界の趨勢ですね。
VGTを購入する際のおすすめの証券会社
VGTを購入する際のおすすめの証券会社は4社あります。紹介しておきます。
楽天証券
楽天証券 は急速にシェアを伸ばしていますね。楽天カードとの連携が好評で、つみたてNISAなど投資信託の購入に強みを持ちます。ポイントが付くからです。指値の期間が90日あるのも魅力です。
SBI証券
SBI証券では米国ETFの定期積立サービスを行っています。米国ETFとして定期積立をしていくならば、SBI証券は外せない選択となるでしょう。また、取扱銘柄数が激増しており、マネックス証券に迫る勢いです。貸株が容易に行えるのも魅力です。
マネックス証券
業界最長の指値期間90日ができたり、逆指値・時間外取引・株価がリアルタイムである点は米国株取引の強みです。特に、短期売買をするには米国株取引のリアルタイム株価は必須ですね。
サクソバンク証券
サクソバンク証券の強みは、テクニカル分析のチャートが豊富なことです。売り時、買い時のアラート機能もあり、短期中期売買に強みを持ちます。FXやCFDにも強いサクソバンク証券なので、短期トレーダー向けの機能が充実しています。
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