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世界の食品・飲料業界ランキング【2022年】

世界の食品・飲料業界ランキングトップ20【2022年】

 世界の食品・飲料業界ランキングです。過去2年度の順位も入れています。上位10位の順位に変動はありますが、顔ぶれは前年から変化がありません。ペプシコがスイスのネスレを抜いて首位になりました。


 ネスレは2020年にいくつかの食品ビジネスを売却したことで、食品部門の売上高が減少したことが順位の変化を招いています。

 

順位 社名 売上(US$B) 備考
2021 2020 2019     2021 2020 2019  
1 2 2 PepsiCo, Inc. アメリカ 70.3 67.2 64.7  
2 1 1 Nestle スイス 67.7 76.8 80.2  
3 4 4 JBS ブラジル 50.7 48.8 46.8 食肉
4 3 3 Anheuser-Busch InBev ベルギー 46.9 52.3 54.6  
5 5 5 Tyson Foods アメリカ 43.2 42.4 40.1 食肉
6 6 7 Mars アメリカ 37 37.6 35 チョコレート
7 8 6 Archer Daniels Midland Company アメリカ 35.4 33 38.9 穀物メジャー
8 7 9 The Coca-Cola Company アメリカ 34.3 37.3 31.9  
9 9 8 Cargill アメリカ 32.4 31.7 32.5 穀物、食肉
10 10 14 Danone フランス 26.9 28.3 20.8 ヨーグルト、シリアル
11 12 11 Mondelez International アメリカ 26.6 25.9 25.9 食品・飲料
12 3 10 Kraft Heinz Company アメリカ 26.2 25 26.3 酪農品など
13 14 12 Smithfield Foods/WH Group アメリカ 24.5 23.3 21.3 食肉
14 17 15 Olam International シンガポール 22.8 21.1 19.4 農産品
15 18 22 Lactalis フランス 22.8 20.7 15.6 乳製品
16 11 17 Heineken オランダ 22.5 26.8 19 ビール
17 15 19 Unilever イギリス 21.8 21.6 17.1 生活用品も強み
18 16 13 Suntory 日本 20.2 21.5 20.9 酒造
19 21 20 General Mills Inc. アメリカ 18.1 16.9 16.9 製粉など
20 19 18 Asahi Group 日本 18.1 19.1 18.8  
21 23 26 Dairy Farmers of America アメリカ 17.8 15.9 13.6 農産
22 20 16 CHS Inc. アメリカ 17.2 18.9 19.2 農産品
23 24 23 Grupo Bimbo (Mexico) メキシコ 15.4 15.1 15 ベーキング

出典:Food Engineering's annual report

 大きな順位変化が稀だった中でやや目立った変化は、米国企業は順位が上昇、ヨーロッパと日本企業は順位を下げている傾向があることです。

酒造メーカーはコロナ下では逆風を受け続けた

  決算期として2020年が用いられている企業が多く、新型コロナウィルス感染拡大による業績の変化が大きい企業があります。

 

 特に酒造メーカーは外出制限に伴う売上高の減少が著しいです。ベルギーのAnheuser-Busch InBevやオランダのHeinekenは非常にわかりやすい変化をしています。


 裏を返せば、このランキングにおける酒造メーカーの売上高は近年の「底」の数字とも考えられます。一方で、米国に多い食肉や穀物企業などは需要の変化を受けにくかったということでしょう。

 

 次年度以降のランキングを想定するうえではさらに2つの要素が結果を大きく左右しそうです。

世界の食品・飲料業界ランキングにおいて、無視できない為替の存在

 無視できないもう一つの要因は為替の変化です。

 

 このランキングは各企業の食品関連売上を過去12か月の平均で米ドル換算した値の降順です。


 仮に自国通貨建ての売上高に変化がなかったとしても、為替によって米ドル建ての売上高が変化するということです。過去2年のユーロ/米ドル(水色)、円/米ドル(赤)のチャートです。
明らかにユーロ、円が対米ドルで安くなっていることがわかります。

強いドルと弱い円、ユーロ

強いドルと弱い円、ユーロ

出典: US版 Yahoo Finance

 

 米ドルに対して自国通貨が安くなると、米ドル換算した売上が減りますから、対米ドルでの通貨安はこのランキングにおいてはネガティブに作用します。

 

 二つ目は、近年顕著な食糧価格の高騰が反映される可能性です。このランキングは売上だけで判定しますので、食糧価格の高騰を価格転嫁できているかできていないかが今後のランキングを左右するでしょう。

 

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