たぱぞうの米国株投資

米国株/不動産投資ブログ。某投資顧問のアドバイザ。メディア実績多数。当サイトには広告が含まれます。

コロナショックで解雇された後の、老後の資金計画を考える

コロナショックで解雇された後はどのように資産形成していくべきか

 コロナショックによる解雇が業界によっては生じていますね。これは日本に限らず、諸外国でもですね。人件費というのは調整しにくい固定費ではありますが、背に腹は代えられないとばかりに人員削減に踏み切っているところがあります。

 

 また、テナントの撤退、立ち退きなども見られますね。こちらは賃料の軽減です。銀座ルノアールの7300万に及ぶ特別利益、立ち退き料が決算上話題になっていましたね。いずれにしても、厳しい時期であることは間違いのないところです。

 

 とにかく毎月の支出を絞り、今をしのいでいく。そのような企業が散見されます。よく言われるように、運輸、飲食店などのサービス業などは大きな影響を受けています。

ダウの戻りがハイテクに劣後するのはそういうこと

ダウの戻りがハイテクに劣後するのはそういうこと

 さて、今日はコロナショックによる解雇後の資産形成ということでご質問を紹介します。

コロナショックで解雇されたあとの投資は、どのように考えていくべきか

はじめまして。

 何が買いだ売りだと目先の利益ばかり考えてしまうとき、たぱぞうさんのブログを訪れると必ずハッとする気づきがあります。


 先日の「コロナショックで得たもの、失ったもの」は特に感じるものがあり、たぱぞうさんにご相談してみようと思い立った次第です。

 

 私は50才を少し過ぎた独身女性です。


 住宅ローン返済を終え、さて老後資金を貯めようという矢先、正社員のポジションを失いました。これ自体は外資あるあるで慣れっこです。


 詳細は省きますが、今後は日々の糊口を凌ぐ程度の収入となり投資に回すお金は最小限になります(つみたてNISAとイデコのみ)。

 

 ご相談は、退職にともない手に入る現金等の扱いです。具体的には、退職金1200万円、確定拠出年金500万円(現在は全額定期預金)となります。


 この他に金融資産は運用中の1000万のみなので、このお金を慎重に運用して老後に備える必要があります。


 一応自分なりに今後の方針を立ててはみたものの何かモヤモヤとする気持ちを「長期に関しては誰もが分かっていることなのに、短中期の先行きが不透明すぎて踏み込めない 」というたぱぞうさんのお言葉がまさに言い表しているように思います。

 

 最終的に自分で決めるということは重々承知しておりますが、ただ、解雇後の修正プランについて、たぱぞうさんより何かコメントいただけたら本当に心強いことと思い、この度思い切ってご相談させていただきました。

<現在の運用>
  • 約1000万円
<投資内訳>
  • 個別株15%(RDSB:単価24USD)
  • VOO 20%
  • SPDY 15%
  • VYM 15%
  • VGT 15%
  • VTI 15%
  • QQQ 5%

※積み立てNISA分は少額なので除外します。

<解雇前のプラン>
  • 年間300万円の投資を10年間継続し、配当金再投資+キャピタルゲインで元金4000万円+アルファを作る。
  • 60才時点での配分は米国短中期債券ETF6割、米国高配当株ETF4割。
  • 3%の利回りで120万円/年の収入を得る。
<解雇後の修正プラン>
  • 最終的な元金をいくらにできるか見えないがバランスは米国短中期債券ETF6割、米国高配当株ETF4割を目指す。
  • 個人型確定拠出年金の新規投資分は全額「emaxis slim米国株式(s&p500)」とする。
  • 移管分より300万で即時s&p500を買い入れ、暴落に備え200万を定期預金とする。(悩みポイント1)
  • 退職金1200万円から200万円を即時VOO等ETF買い増しにあて、300万円を1年半かけてさらに積み立て、700万円は当面は現金として良きタイミングでBNDを購入。(悩みポイント2)

 漠然としたご相談で申し訳ありません。よろしくお願いいたします。

コロナショックが収まるまでは、無理せず生活防衛資金を意識した運用になる

 外資あるあるとはいえ、大変なことでしたね。しかし、強みが2つあります。

  • 住宅ローンを払い終えている
  • 金融資産が2700万円ある

 住宅そのものも売りやすい実需で売却可能なことを考えると、相応の資産をすでにお持ちだと推察いたします。

 

 そう考えると、まず大事なのは以下になります。

  • 仕事が決まるまでは生活防衛資金を大事にする
  • 分散を意識した投資をする

 こういうことですね。簡単にまとめてみます。

仕事が決まるまでは生活防衛資金を大事にする

 収入が限られる中、リスク資産で収入以上の資産の増減があるのはストレスになります。投資慣れしてれば別ですが、そうでないならば当面は守りの資産運用が良いですね。

 

 S&P500系の投資は長期で問題ありませんが、資金投入はやはり時間分散をしたほうが安心できます。まとまった額の即時買い入れは時期としてはやや度胸を必要としますね。無理せず、分散が王道です。

金融資産が2700万円ある

 金融資産が2700万円あり、住宅ローンを払い終えているのは強いですね。糊口をしのぐとおっしゃっていますが、必要最低限の生活費を稼いで、2700万円をそのまま老後に充てることもできるわけです。

 

 このまま現状維持で、貯蓄に励むフェーズを終えることもできるわけです。それだけの資産を築かれたということです。

 

 配当金は確かに魅力ですが、私は一貫して配当金投資はETFをお勧めしています。個別株は減配リスクが直撃すると目算が狂うからです。株価よりは不確実要素は低いのですが、それでもRDSのようなこともありますね。

 

 解雇後の修正プランは、S&P500系の商品とBNDのみとシンプルになっています。その方向性で良いですね。ただ、BNDなどの債券系は利下げに伴い高くなっています。こちらも無理せず投資ということを念頭に置いておいてよいでしょう。

 

 とにかく、守りを意識するフェーズですから、無理なく乗り切っていきましょうね。再就職後、投資を加速させても決して遅くはないと思います。目先良く下げたのでチャンスと思いがちですが、やはり航路を守って対象と時間の分散投資が王道ですね。

 

 特に、環境が変化したときは判断力に影響を及ぼしますから、変わったことをせず、今まで通り淡々と日常を守るのが大事だと思います。共に頑張りましょう。

 

関連記事です。

  コロナショックで得るもの、失うものということですね。短期での不透明さが長期投資を躊躇わせるということで書きました。確実性の高いものはリターンが限られ、確実性の低いものは、リスクもそれなりということですね。

www.americakabu.com

  老後2000万円問題を投資で乗り切るのか、貯蓄で乗り切るのかということですね。年金開始までどのように生活費を稼いでいくのか、はたまた投資で殖やしていくのかということです。

www.americakabu.com

  定年退職後の資産運用は、現役時代と変わりますね。限られたインカムの中、金融資産を過度にリスクにさらすのはそれなりの覚悟と経験が必要になってきます。

www.americakabu.com