たぱぞうの米国株投資

米国株投資ブログ。某投資顧問のアドバイザー。メディア実績/日経マネー・ヴェリタス・CNBC・ザイなど

老後2000万円問題を投資で乗り切るのか、貯蓄で乗り切るのか

老後2000万円問題を投資で乗り切るのか、貯蓄で乗り切るのか

 年金だけでは老後の生活は成り立たず、少なくとも2000万円は生活防衛資金として確保しておくことが望ましい。ここまではっきりとは明言せずとも、そのような趣旨のレポートが話題になりました。

 

 世界の目線で見ると、日本は年金制度が完備されていると言えます。遺族年金や障害年金を加味して考えると、かなり手厚いと評価されてよいでしょう。しかし、第二次世界大戦をきっかけとするベビーブームが、人口ピラミッドをいびつなものにしています。

老後2000万円不足問題と人口ピラミッド

老後2000万円不足問題と人口ピラミッド

 そのため、1人の現役世代が1.2人の老後を支えるという厳しい状況になります。コロナショックでも様々な金融緩和、財政出動がされています。これはそのまま将来への負担として跳ね返ってきます。場合によってはインフレであったり、あるいは国債であったりするわけですね。

 

 未来はわかりませんが、ほとんど確実に言えることは今後年金が増えることはないということです。同時に、通貨の価値は下落するということです。

 

 今の収入は今の暮らしと将来の暮らしを支える原資です。現役の時から確実性の高い投資をして、将来に備えていくというのは現役世代にとっては必須といってよいでしょう。もしインカムが大きければ、投資というリスクを取らず、貯蓄だけでも十分です。

 

 いずれにしても、現役時代から将来に備えておき、年金に100%おんぶにだっこという状況にしないということです。

 

 さて、今日は老後の資産運用ということでご質問をいただいています。

老後の2000万円を確保したうえで、3000万円を減らさず資産運用したい

 最近メールで質問させていただいたものです。色々読者からの質問の対応されていることを知り、ご縁ついでに投資の考え方の相談です。よろしくお願いいたします。

◎現状

現在、60代半ばで家内と2人暮らし。子供たちは独立。まだ会社員として働いています。話題の2000万円問題程度は無リスク資産として確保済みです。この他に3000万円程度あり、その扱いとして、下記の2つのケースを考えましたが、ケースAの長生きリスクによる資産ゼロの事態を回避するため、ケースBを選択しています。

 

  • ケースA・・・3000万円を銀行に預貯金(年100万円ずつ取り崩すと30年でゼロになる)。
  • ケースB・・・3000万円を株式運用。配当3%強あり税引き前で100万円前後(105円/ドルとして)を実現かつ、今後も期待しています。

 

 ケースBは、ざっくり、①20%が日本でほぼ個別株運用です。10社ほどに分散投資で、インフラファンドもあります。

 

 ②80%は米国に投資です。内訳は米国債10%(BND)と米株90%です。米株は、米国etf(VOO, VGT, HDV)に25%、後は個別株で、具体的にはSP500の中で、高配当銘柄や長期連続の増配銘柄について、生活必需品、ヘルスケア、情報技術のセクターを中心に、他のセクターも含め40社程度に分散させ、リスクヘッジしています。自作etfという考えです。投資先は多いですが、米国四季報を見ながら、楽しく、どきどきしながらやっています。

◎相談内容

 リタイア後は、年金と配当(増配で増える期待値あり)をベースに、不足時は上記の無リスク資産を取り崩します。さらに必要であれば上記リスク資産を取り崩しますが、多分そうはならないと踏んでいます。


 3000万円が、ケースAは30年後にゼロになりますが、ケースBは同じ30年の運用中、増配とともにキャピタルゲインも想定でき、株式資本社会ではこの3000万円は減らない、むしろ増えると考えケースBを採用しました。

 

 暴落もあるでしょうが、市場に居続け、長期で運用継続の予定です。理論的には、課税される配当再投資より無配当の投資信託がリターンに優れることは理解しますが、年金暮らしに向けて配当受け取りの道を選択しました。

 

 最後は子供たちに株式で相続し、超長期運用を前提とすれば、米国経済の超長期運用はそれなりのリターンがあると考えています。


 長々書きましたが、たぱぞう様のご意見をお聞かせ下さい(例えば、ケースBではなく、別のアセットアロケーションを構築すべきとか)。

老後2000万円問題を乗り越えるバッファがある

 60代半ばまで会社員を続け、なおかつ5000万円のご資産があるということですね。この時点でほとんど死角はありません。理想の老後の迎え方で、私たち現役世代のお手本、完成系ですね。

 

 2000万円を確保したうえで3000万円を投資される。しかも、ETFでのポジションを取りつつ、余裕をもって個別株に取り組まれる。

 

 高配当の弱点も踏まえてらっしゃいます。そういう意味では、全く問題なく趣味として投資に取り組まれたら良いと思います。

 

 ただ、1点だけ僭越ながらお伝えしておきたいと思います。それは、会社員という比較的恵まれたインカムがある状態で投資に取り組むのと、リタイア後に年金という限られたインカムで投資に取り組むのは精神状態が違うということです。

 

 特に、会社員時代の収入が潤沢であるほどそうです。

 

 もし、投資で負けた場合、微妙に心理に影響を与え、判断を誤らせることがあります。投資の負けを投資で取り戻そうとすると、冷静な判断を失いがちですね。これは、私自身が組織人にピリオドを打ち、セミリタイアで投資をしている、その実感からの言葉ですね。

 

 もうすでに十分な資産があり、無リスク資産も確保している。無理して投資をしなくてよい。

 

 こういう心の余裕を持ったうえで、人生に影響しない金額で投資をされるとよいですね。すでに、投資をする必要がないポジションを得ている余裕というのは、判断の角度を高めますね。ご質問ありがとうございました。

 

関連記事です。

  投資の目的がはっきりしていればぶれない、というお話です。

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  個人投資家として生きるということに関しての記事です。

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  老後まで負担過重なローンを残さないというのも大事ですね。身の丈に合った暮らし、身の丈に合ったローンということです。身の丈というのは、今だけでなく老後も含めたやりくりということですね。

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