たぱぞうの米国株投資

米国株投資ブログ。某投資顧問のアドバイザー。メディア実績/日経マネー・ヴェリタス・CNBC・ザイなど

1億円あったらどのような運用をするか

1億円あると見える景色がまるで変わってくる

 1億円で株式投資をしたとします。配当利回り3%で運用しても税引前で300万円入ります。これはキャピタルゲインを含まず、配当のみです。税引き後だとおよそ240万の手取りになります。収入が大きくなればなるほど源泉分離課税の税率20%というのが意味を持ってきます。

 

 はたまた、1億円で不動産を1棟買いしたとします。収益が利回り8%として単純に800万にもなります。さらには、この1億円を見せ金として使って、ローンで不動産を買ってしまうという手もあるでしょう。ローンだと、経費を引いても150~400万程度の手残りにはなりそうです。

 

 これは極端な例ですが、株式・不動産・太陽光という具合に分散投資をしてきた投資家は少なくない人がFIREをしましたね。株式を買って、不動産の屋根に太陽光をつける、という手も一時期大変流行りました。

 

 いずれにしても、資金があると投資の幅がグッとふえるのは間違いありません。さて、今日は1~2億円からの資産運用ということでご質問を紹介します。

1億円あったらどのように運用するか

たぱぞう様

いつも愛読させていただいております。

 

早期退職をして、現在無職(求職中)の55歳です。
子供2人は独立しており、妻と2人暮らしです。


 現在、今までの預金と遺産相続で約1億の現金があり、ローンや借金はありません。以前は、国内株式、投資信託で運用していましたが、全撤収しました。


 しかし、まとまった資金をこのまま置いておくのもどうかと思い、投資本、ブログなどを読んだ末に米国株での運用を検討しています。

目標

年間配当益 360万で生計を立てる。

検討案
1.つみたてNISAで楽天米国株(VTI)に各月投資していく。
2.低PER、高配当の米国個別株、及び VYMに投資していく。
 
 1は、あまり考える必要はないのですが、2の投資タイミングをどうするかを考えてしまいます。


 現在、米国株は高い水準なので、今買いに出るのはためらわれます。どこかで、大きく下げてくれればとも思いますが。
 
 たぱぞう様ならば、まとまった原資(1~2億)がある場合に、どういった投資、運用をされますでしょうか。ご回答の程、よろしくお願い致します。

1億円が近づいてくると、意識がかなり変わる

 まず、1億円が近づいてくると私の友人を見てもそうですが、かなり投資のしかたが変わってきます。つまり、出口・独立が見えてくるのでより分散投資に力をいれるようになるということです。 

1億円あると、運用の幅がぐっと広がるのは事実

1億円あると、運用の幅がぐっと広がるのは事実

 具体的には自分の信用を使って融資を引き出し、不動産や太陽光といったハードアセットを組み合わせ、収益力の向上を図るというのも一つの道になります。インカム、つまり利回りを上げていこうとすると、どうしてもペーパーアセットだけでは難しい側面があり、そうなります。

 

 ただ、質問者様のケースはすでにお仕事を退職なさっているということで、与信を生かしてハードアセットにしていくというスキームは成り立ちにくいですね。あくまで、1億~2億のキャッシュを現物でどうするかということになります。

夫婦での二人暮らしならば1億円を全てリスク資産にしなくても良い

 まず、すでにご夫婦での2人暮らしならば無理してリスク資産に全て突っ込まなくてもよいと考えます。また、求職中ということですから今後はなんらかの労働収入が発生することを考えると、高利回りを追求して投資をしなくても良いでしょう。

 

 子どもの教育費などがかからないぶん、支出のコントロールがしやすいからです。つまり、節約することで収入を無理して上げなくてすむということです。そういう意味では高すぎるリスクを負う必要が無く、大変に恵まれた環境です。

 

 配当が欲しい、ということならばやはりここは安定のVYMを積み立てで買い進めるというのが王道です。BND・AGGといった債券を組み合わせてもよいですが、あくまでリスク管理はキャッシュポジションとのバランスが大事です。

 

 つみたてNISAは使ってもよいですが、金額が少なすぎサブ的な使い方になります。また、分配金が出ないのでそこは注意が必要です。

年間配当360万円という目標はやや高い目標

 年間配当360万円という目標はやや高い目標です。株式だけで達成しようとすると、5%近い利回りを目指さなくてはいけません。これでやっと税引後4%ぐらいの利回りになります。

 

 半分をハードアセット、不動産・太陽光にしてしまえば十分達成可能になります。特に、今はお仕事をやめられて時間があります。不動産・太陽光の物件を買うのに必要な時間を生み出せるということで環境的には恵まれています。

 

 ただし、いきなりこれらの商品を単独で買い付けるのはややレベルが高いところです。安全なのは、当面数年に分けてVYMを買い進め、ストレスと時間拘束の少ないお仕事で足りない分を補うというのが簡単でしょう。

 

 投資だけで目標額を達成しようとするのではなく、軽い労働で補う、それぐらいの視点だと投資も余裕を持って取り組めますね。いずれにしても、極端にならず、バランスを意識したいところです。

 

関連記事です

  老後に備えた資産形成術ということですね。「無理なくシンプルに」がテーマになります。

www.americakabu.com

  ポートフォリオのお話です。ごちゃごちゃしないというのが大事です。

www.americakabu.com

  今は大変融資が付きにくくなりました。

www.americakabu.com