たぱぞうの米国株投資

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3分で分かる、つみたてNISAのすべて

つみたてNISAとは?改めて基礎からおさらいしてみます。

 発足後年月を経て、評価の定まってきたつみたてNISAについて改めて簡単にまとめておきます。

年間投資上限 40万円
保有期間 20年
開始年 2018年1月
投資対象商品 投資信託・ETF
現行NISAと併用 年ごとの選択可能

  一般NISAで買っている商品を解約あるいは売却しなくても始められる制度です。開始年は2018年1月1日からです。

つみたてNISAの投資対象商品はどのようなものがあるのか

 投資対象商品は投資信託・ETFです。個別株は対象外です。

  • 指定インデックス投資信託
  • 指定アクティブ投資信託
  • 指定ETF

 です。指定インデックス投資信託はずいぶん増えました。およそ160本超あります。アクティブ投信で17本、指定ETFはわずかに7本です。200本近くの商品の中から何を選ぶのかということですね。後述でパチッと示したいです。

 

 元本を食いつぶすような毎月分配を行っていたり、債券中心の投信は投資適格になりません。株式市場での資産運用、資産増加を目指すものだからです。また、毎月分配の元本毀損は複利に大きな悪影響を及ぼすので妥当です。

 

 また、この20年絶好調のNasdaq100およびNasdaq総合指数連動の商品もありません。このあたりの解釈は今後の大きな課題かもしれませんね。海外投資のリスクがやや大きく見積もられているところはあります。

インデックス投資信託の場合

  • 金融庁指定のインデックスに連動している
  • 株式を含む投信
  • 販売手数料が無料(ノーロード)
  • 信託報酬・経費率が明らか。国内株投信0.5%、海外株0.75%以下。

 この基本から外れると、指定インデックスにはなりません。

アクティブ投資信託の場合

  • 純資産額が50億以上
  • 5年以上の運用歴がある
  • 株式を含む投信
  • 販売手数料が無料(ノーロード)
  • 信託報酬・経費率が明らか。国内株投信1%、海外株1.5%以下。

 現段階でこれに該当するアクティブ投資信託はやはり多くありません。

つみたてワニーサ

つみたてワニーサ

 インデックス投信、アクティブ投信、何千本もあるうちの約160本しか適合しないというところに投信の特徴が如実に表れています。つまり、トレンドに合わせて組成して、買わせ、すぐに売却させて、新しい商品を組成して、また買わせる。こういう商品が多すぎたということです。

 

 金融庁が明確にこういう投信を排除したところに「思い」を感じます。発足前は数十本しか適合する商品がありませんでした。また、米国株連動のインデックスもありませんでした。つみたてNISAで日本の投資環境は確実に改善されましたね。

たぱぞうおススメのつみたてNISA対応投資信託と、その比較

 つみたてNISAの合計162本の中からおすすめを選定しておきます。あくまで現状ですので、今後の展開は流動的です。

 

 選定の基準は、運用総額と信託報酬、トラッキングエラーの少なさ、海外投資です。この世界はeMaxis Slimシリーズの独壇場になりつつあります。基本はスケールビジネスですから、ブランド力と企業的な体力の大きさがものをいいます。

 

 また、海外投資比率が高くないアクティブは外してあります。国内投資をするならば、投資信託に拘る必要は無く、不動産などでもできます。レバレッジや税メリットを考えると、有効な面は多々あります。日本株は割安ですが、難易度の高い相場です。

 

 商品組成の観点でいくと、楽天の視点が非常に鋭く、面白いです。低信託報酬あっての商品群ですので、今後も注目です。

つみたてNISAで投資のコアになる投資信託2本

 投資のコアになるのは以下の3本です。個人的にはこの3本のうち1本を選び、それだけを淡々と投資し続けるというのがベストと感じます。

  • eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
  • 楽天・全米株式インデックス・ファンド
  • SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド

 つみたてNISAで新興国を選ぶならこの1本

 新興国を選ぶなら以下の1本です。ただし、あくまでサテライトです。

  • eMAXIS Slim 新興国株式インデックス

バランスファンドを選ぶならこの1本

 バランスファンドを選ぶならば、以下の1本です。

  • eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)

 ただし、バランスファンドは低成長化が著しい先進国、つまり日本株式やヨーロッパ株式などを含むので、あまり積極的に推奨はしていません。どうしても債券を入れたい場合の選択になります。つみたてNISAには債券単独の商品というのが無いからですね。

 

 個人的には、楽天バランスファンドのVT&BNDX版が参考になると思っています。国際分散投資を志向する人にはこれが完成形になるのでしょう。

 

 これのVTI&BND版が出ればそれを推奨したいですね。さらに低信託報酬ならば、これ一本で完結します。もし、為替ヘッジも無ければ最高ですが、為替ヘッジを入れたほうが日本円ベースでのリスク低減は優れるのでおそらくヘッジありになるのでしょう。

 

 私は個人的にはドルベースで振り切ったほうがよいと思っています。これは私がドルでの資産運用歴が長いのでそういう発想になるということです。

つみたてNISAと日本の資産運用の現状

 アメリカやイギリスに比べて家計金融資産の貯金に占める割合が圧倒的に多いのが日本です。実に50%以上が現預金です。約1700兆円といわれる家計金融資産のうち、約900兆円が現預金ということになります。

 

 この900兆円が投資に回り、経済の持続的成長につながるようにしないと日本の将来は無いと金融庁の方が言われていました。私もそう思います。もし、900兆円の現預金が投資に移行していけば、

  1. 中長期的に安定的なリターンが実現すれば、家計金融資産が増加する
  2. 株式市場への資金流入、外貨買い需要が生まれ、株式・為替市場が安定する。これは成長資金の安定供給を意味する。

 ということです。

 

 この20年で現預金や株式などの家計金融資産はアメリカが3倍超、イギリスが2倍超です。それに対し、運用リターンの乏しい日本は1.47倍でしかありません。勤労と預金以外の資産獲得手段を持たないと、このような現状になるのは必然です。

 

 ただし、日本の場合はアメリカやイギリスに対してあまりに金融商品が酷すぎました。また、個別株にしても株主利益が守られないケースが多々あったので、現預金以外に運用先が見つからなかったという側面もあるでしょう。

 

 今後はなるべく多くの人に投資に親しんでほしい、持続可能な資産運用をしてほしいという願いが確定拠出年金や積立NISA創設に繋がっていることはいうまでもありません。この数年の金融庁の消費者への働きかけは出色です。

日米の投資信託の残高上位5本を比べて分かること

  販売手数料 信託報酬/年率 収益率/年率
日本 3.20% 1.53% ▲0.11%
アメリカ 0.59% 0.28% 5.20%

※金融庁資料から作表

 アメリカが販売手数料も信託報酬も低いのに対し、日本はいずれも5倍以上もかかります。一方、収益はマイナスです。アメリカは年率5.20%です。これは日米株取引をしてきた私からすると実感通りの数字です。

 

 配売手数料と信託報酬で収益を上げ、運用で勝負ができない。それが、今までの日本の大多数の金融機関でした。初心者ほど米国株のほうが簡単だという根拠がここにあります。こうした実態も踏まえて、推奨投信を選定しています。

  

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