投資信託の乗り換えをしたくなる時期ではある
コロナショックは実体経済に大きなダメージを与えています。しかし、株式市場はここまでよく上げてきました。明らかにリーマンショック以前と以後では相場が異なり、個人投資家もマインドセットを変えて相場に臨む必要がありそうです。
退場をしない、相場を信じて投資を続けていくということですね。さて、コロナショックを経て投資観が変わったため、投資対象を変えたいというインデックス投資家さんからのご質問をご紹介します。
全世界投資信託からシンプルに米国株投資信託に乗り換えたい
いつも楽しくブログを拝見させていただいております。私は、本年3月から本格的に資産運用を行っているものです。
本日はインデックス投資における、スイッチングの時期に関しましてご教授いただきたくメールさせていただきました。
ご相談させていただく前に、自分のプロフィールを紹介させていただきます。
【プロフィール】
- 29歳、男 士業
- 年収は昨年は1000万円
- 貯金額は650万円程度で投資を開始しました。
コロナで株が暴落しはじめた頃から30万円で投資を開始し、勉強しながら個別株等に手を出していましたが、様々な本を読むうちにインデックスファンドの良さに気づき、コロナショックの暴落に合わせて投資信託をメインにまとまった額を投資しました。現在は以下のように投資信託をメインで運用中です。
- eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本) 400万円(平均取得額 9,727円)評価損益 +11%
- NZAM・ベータ NASDAQ100 50万円(平均取得額 13,660円)評価損益 +3%
- iFreeNEXT FANG+インデックス 50万円(平均取得額 14,943円)評価損益 +4%
- 他個別株 100万円 評価損益 -10%程度
ご相談させていただきたい内容は、メインのeMAXIS Slim全世界株式(除く日本)を含めて、3つの投資信託をすべてeMAXIS Slim米国株式にすべてスイッチングすることを考えているのですが、投資信託のスイッチングを行う時期などでおすすめや逆にやってはいけないことなどがありましたらご教授いただきたいです。
当初、投資信託の選定を行う際は運用コストが安いもので、教科書どおりの分散投資ができる全世界株式を中心に考えていました。年収が一定額もらえていることや住居等も保有していることから、これ以上国内への投資を行うことは分散投資の面から控えようと思い、全世界株式(除く日本)を選択しました。
勉強しているうちに、米国株の魅力に惹かれ、たぱぞうさんのブログを見つけ、記事を読むようになりました。米国株式の魅力が自分の中で高まるにつれ、全世界株式の米国株保有率は55%程度であることから、少しでも米国株式の保有を増やそうと思い、少額からNZAM・ベータ NASDAQ100とiFreeNEXT FANG+インデックスを開始しました(時期的には割高であったとは思います)。
現在は、株:債券+現金を約7:3で保有しており、上記の投資信託に対して上から20、5、5万円ずつ毎月積み立てを行っています(NISA、イデコも別途運用しています)。
運用するうちにできるだけシンプルで継続可能な投資を行いたいと思うようになり、eMAXIS SlimのS&P500にすべてスイッチングすることを考えるようになりました。個別株は最初あまり勉強せずに買ってしまったものも含まれ、しばらくは寝かせるつもりです。今後も投資信託を積立しながら資産運用を続けていくつもりで、この方針は変えるつもりはありません。
時期に恵まれ、全世界株式(除く日本)はかなり安く買えているのですが、これをすべて売却しスイッチングをすることは、課税もかかることから含み益がある状態ではしないほうが良いのでしょうか。
過去のリターンは今後も起こりうるかわからないというのは重々理解はしているのですが、私が投資を行える(であろう)少なくとも今後30-40年の間は米国株に勝る投資先がないように思い、40万円前後の含み益がある状態でスイッチングをしてしまおうか考えております。
たぱぞうさんであれば、投資信託のスイッチングはどのように行うべきだと考えていらっしゃるでしょうか。ご教授願えれば幸いです。何卒よろしくお願い申し上げます。
投資信託の乗り換えの方法に正解はないけれども
すでに買っている投資信託の乗り換え時期ということですね。質問者様の状況でしたら、全部売却して、全部買い替えても良いでしょう。理由は、リスク資産と低リスク資産で割合をすでに決めてらっしゃるからです。
もちろん、含み益を確定益にすることで課税はされます。しかし、将来的な資産運用の長さで考えると、微々たる額といってよいでしょう。逆に、さらに大きくなる数十年後はもっとスイッチしにくくなります。
もし、不安ならば、数年に分けて売り、数年に分けて買う、ということになります。しかし、お若く、インカムも大きいので、そこまで慎重にしなくてもよいでしょう。
チャートは最も人気あるETFであるSPYの円建てETFである1557です。よく知られるS&P500連動ETFですね。おおよそ10年で配当別で3.5倍になったという事実は、大きな訴求力になりますね。ただし、以下のようなデータもあります。
2020年のS&P 500のセクター別の売り上げ増加率です。株価が大きく上昇したITセクターも、売り上げで見るとほとんど成長していません。
- Technology: +0.4%
- Consumer Staples: -0.6%
- Health Care: -1%
- Utilities: -2%
- Communications: -8%
- Financials: -10%
- Real Estate: -11%
- Materials: -16%
- Consumer Discretionary: -22%
- Industrials: -29%
- Energy: -40%
コロナショックで実体経済は傷んでいますが、金融緩和でPEレシオはおおよそ30倍に届こうというのが今のS&P500ですね。数か月前のような売られすぎのシンプルの相場でないことを踏まえつつ、長期目線での投資でなら、ということですね。
ご質問ありがとうございました。
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