ベトナムETF【VNM】はGDPが大きく成長するベトナムのETF
ベトナムETFはベンチマークにMSCIベトナムを採用するETFです。たぱぞうは、2000年代にベトナムで仕事をしており、日常会話ぐらいならばベトナム語もできました。
そんな思い入れのあるベトナムですが、GDP成長国として注目されていますので、今回は特集してみたいと思います。
ベトナムの人口推移
経産省の資料を引用して見ましょう。
私の駐在していたころは8000万人と言われていましたが、現在ではおおよそ1億人にまで増えています。2050年には1.15億人に増えると言われています。この人口は時期を同じくする日本よりも多いです。
ベトナム国内市場は、これまでの20年には及びませんが、まだまだ有望な市場として可能性を秘めていることが分かります。
ベトナムの名目GDP
続いてベトナムの名目GDPを見てみましょう。
年率換算で5%から7%の成長を続けています。1人あたりGDPも2000年前半の400ドル前後から2020年には3000ドル前後に成長と言われています。実に20年で7.5倍に成長したということです。
2016年時点でベトナムのGDPは世界で32位ですが、2050年時点では20位まで順位を上げることが予想されています。今回、ベトナムをあえて取り上げたのは、この成長性が出色だからです。
今後、2050年まで5%前後の成長を維持すると考えられています。
ベトナムETF 【VNM】のチャートと分配金、信託報酬
ベトナムETF 【VNM】のチャートと分配金を見てみましょう。
新興国チャートにありがちな、悩ましいチャートを描いています。
2010年 取引値 26ドル 分配金 0.036ドル
2015年 取引値 19ドル 分配金 0.51ドル
2019年 取引値 16ドル 分配金 0.122ドル
信託報酬【0.89%】
分配金もチャートも右肩上がりではないですね。分配金を入れても、リターンの厳しい残念な推移になっています。
ベトナムETF 【VNM】の構成銘柄
続いて構成銘柄を見てみましょう。
銘柄名 | % |
---|---|
Vingroup Jsc | 7.95 |
Vietnam Dairy Products Jsc |
7.94 |
Vinhomes Jsc | 7.33 |
Bank For Foreign Trade Of Vietnam Jsc |
7.01 |
No Va Land Investment Group Corp |
6.18 |
Vincom Retail Jsc | 5.72 |
Bh Co Ltd | 4.93 |
Mani Inc | 4.89 |
Bao Viet Holdings | 4.75 |
Eclat Textile Co Ltd |
4.54 |
ベトナムの企業は、「VINA」とか「VIN」を冠した企業が多いですね。
1位Vingroup
Vingroupはvinにグループという言葉を付けた企業ですね。不動産を中心に小売りなども手掛けるコングロマリットです。「Mi Vina」のブランドで知られる乾麺の製造は祖業に近く、よく知られています。Miはベトナム語で中華麺を意味します。
構成比率3位のVin homeは住宅販売、6位のVin comはショッピングセンターの運営で知られます。グループ企業です。在ベトナムのケンタッキー、ピザハット、カフェのハイランドコーヒーなどを経営しています。
2位Vietnam Dairy Products Jsc
「ビナミルク=VINA MILK」のほうが通りが良いでしょう。ベトナムを代表する生活必需品企業です。私が滞在中に上場が騒がれた企業で、当時から大人気でした。しかし、ベトナム市場は2000年代は振るわず、難しい時期でした。
経営者のマイ・キエウ・リエン氏は女性で、旧ソ連に畜産で留学経験があります。政治体制が近いことから、ベトナムは旧ソ連と親密でした。そのため、多くの留学生を送っています。中国も共産党体制ですが、中越戦争などにみるように歴史は複雑です。
マイ・キエウ・リエン氏は帰国後ビナミルクの前身会社にエンジニアとして入社、近代化させます。その後はビナミルクのカリスマ経営者として知られます。
ちなみにベトナムの気候で乳牛を飼育するのはそれなりに難しく、日本もよく支援していました。
4位Viet Com Bank
3位はベトコムバンクです。
私が滞在していたころは引き出すお金を手書きで記帳し、その紙を処理して初めて通貨が引き出せるという時間のかかる方法をとっていました。今はそんなことは無いでしょう。ベトナムを代表する銀行です。
帰国する際にクローズしてしまいましたが、口座を維持していても面白かったかもしれませんね。
有望な国、ベトナムとベトナム株の難しさ
私が駐在していたのは2003年ごろですが、その当時からベトナムの有望さはよく知られていました。そのため、駐在仲間でもベトナム株に手を染める友人は何人かいましたが、その後のリーマンショックでだいたいやられていました。
かつての私ぐらいの若者で、渡越して起業していた日本人も相当数いましたね。何人かは今も事業継続し、楽しくやっています。
また、インフレ率が非常に高く、ドン建てだとどうしてもなかなか難しい面がありました。私が新興国投資に積極的になれない理由は、体験的にその難しさを知っているからです。
物価の話をすると、10年前で路上のビアホイが1500ドン、およそ1杯10円でした。ビアホイというのはベトナム生ビールですね。
ペットボトルの使いまわしの瓶詰ビアホイで1.5ℓ5000ドン、35円でしたから激安です。バインミーパテ、ベトナムフランスパンにコンビーフ風の肉を挟んだもので、2000ドン、14円でしたね。今はもっと高いのでしょう。
よくベトナム人のバイクに乗せてもらい、夜な夜なハノイの夜を堪能していました。そのころ、私の投資資金はおよそ700万円でした。
「700万円あれば、ベトナムで一生暮らせるかな」
という質問をしたことがあります。「余裕ですよ。」というのが答えでした。もしその選択をして、そのままベトナム生活をしていたらどうだったのかなと思うことはあります。
いわば、私にとってベトナムは人生のクロスロードでした。いろいろな人と出会い分かれていったわけですね。いや、人生というのがクロスロードの連続、一期一会の連続から成り立っているのかもしれません。
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ナイジェリアはラストフロンティアと言われるアフリカでも最も有望な国の1つです。人口は2億越え、世界で7番目に多い大国です。
マレーシアは国内市場こそ3000万人と多くないものの、若年人口が比較的多く高齢化社会が比較的遅くやってきます。そのため、経済成長率も有望です。
フィリピンETFです。フィリピンは2050年にはGDPで世界19位の位置に躍進する見込みです。フィリピンも若年人口が多く、有望な国です。人口も1億超え、大国になりますね。