たぱぞうの米国株投資

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プロクター&ギャンブル【PG】世界最大の消費財企業、連続増配60年超

プロクター&ギャンブル【PG】連続増配の代表株!

 2019年7月に発表した4-6月期決算が良く株価は120ドル台、上場来高値を更新しました。

 

 ジレットで知られるかみそり事業で80億ドルの評価損を出し、最終損益は52億4100万ドルの赤字でした。評価損の主たる原因は為替としています。このジレットの減損を除いた利益は1株当たり1.10ドルで、事前予想の1.05ドルを上回りました。

 

 洗剤、家庭用品、ヘルスケア、「SK─II」などで知られる化粧品が好調で、全体をけん引しています。特殊要因を除いたオーガニックセールスで7%伸びたことが好感されました。

 

 一時期停滞気味の業績でしたが、この1年半ほどで回復基調が鮮明になってきています。継続性に注視というところでしょうか。 

プロクター&ギャンブル【PG】のプロフィール

 プロクター&ギャンブルはアメリカ・オハイオ州に本社を構える世界最大の一般消費財メーカーです。日本での拠点は神戸にあります。

 

 プロクター氏というロウソク製造業者とギャンブル氏という石鹸製造業者が共同出資で設立した会社が始まりです。1837年の創業です。そのまま創業者の名前が社名になっています。

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※P&Gのホームページから

 

 ブランドを見ても分かるように、その分野は多岐にわたっています。また、日本のみならず世界中で見ることのできるブランドがほとんどです。その中でも忘れてはいけないのが洗剤のTIDEです。日本では今となってはボールドやアリエールのほうが有名でしょうか。

 

 1946年発売の洗剤「TIDE」の大ヒットを期に市場拡大をし、メキシコ、ヨーロッパ、そして日本などに進出を果たしました。1980年には23か国で事業展開していました。

 

 TIDEは未だに改良を加えながら全米で一番の売り上げを誇ります。東南アジアなど、開発途上国でもよく見る商品です。世界的競争力を持ったブランドと言って良いでしょう。

 

 他にも、おむつのパンパース、柔軟剤のレノアや日本名ブランドの「さらさ」、食洗器洗剤のジョイ、バフェット氏から買収したカミソリのジレットなどがあります。ヘアケア商品にも強く、ヴィダルサスーン、パンテーン、h&s、ハーバルエッセンス、ウエラなど数々のブランドを持ちます。

 

 この中でパンテーンはもともとスイスのロシュが持っていたブランドです。ヴィックスドロップで有名なリチャードソン・ヴィックスがロシュから買ったのを、そのままヴィックスごと買収しています。

 

 他にも、マックスファクターやジレット傘下の電気カミソリのブラウンも含め、オリジナルのブランドではなく買収したものです。このように、自社開発商品だけでなく、シナジー効果の高い企業やブランドを傘下に収めることで成長してきました。

 

  ちなみに有名な投資家であるバフェット氏は1989年からジレット社を持っていました。P&Gが2005年にジレット社を買収した後は、その関係でP&G株を保有していました。しかし、2012年から売却を進めており、2016年にはほぼ撤退完了しています。

 

 もっともバフェット氏は今までにAT&T【T】やエクソン【XOM】も売却してきており、必ずしも個人投資家好みの高配当株をいつまでも持ち続けるというわけではありません。 

プロクター&ギャンブル【PG】のチャートと配当

プロクター&ギャンブルの株価チャートと配当

プロクター&ギャンブルの株価チャートと配当

2006年6月  株価56ドル  配当0.31ドル

2016年4月  株価80ドル  配当0.67ドル

2017年10月 株価91ドル  配当0.6896ドル

2019年7月  株価120ドル 配当0.746ドル

 

 株価の伸びは鈍めでしたが、2018年央から大躍進を遂げています。この変貌を読めた人は少ないですね。2019年7月の決算も好感され、上場来高値を更新しました。 

 

 配当は連続増配60年以上です。連続増配企業として有名ですが、一株あたりの利益はそこまで伸びていないので増配率のスピードは鈍化しています。なお、配当利回りは3%前後であることが多いですが、このところの株価上昇で下落傾向です。

 

 2000年代に売り上げを2倍にした名物経営者のアラン・ラフリー氏が2013年に再登板、2014年から事業再編に伴うブランド整理を開始しています。

プロクター&ギャンブル【PG】の基礎データ

ティッカー:PG

本社:アメリカ・オハイオ州

上場:ニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場

 

  近年、連続増配60年の名門企業の経営改革が実を結びつつあります。

 

 強い競争力を持ちながらも、一方で地場企業やスーパーのプライベートブランドとの競争は激化してきており、かつてほど安泰ではなくなってきているのも事実です。

 

 地場企業というのはその国の企業、日本ならば花王やライオン、サンスター、資生堂といったところです。特に日本企業の場合はアジアで特に強みを発揮していますので、日本のみならずアジア全域で激しいシェア争いを繰り広げています。

 プロクター&ギャンブル【PG】の配当と配当性向

プロクター&ギャンブルの配当と配当性向

プロクター&ギャンブルの配当と配当性向

 連続増配で有名だけあって、きれいな右肩上がりをしています。ただ、その増配スピードは鈍化しており、配当性向も右肩上がり傾向になっていました。しかし、この2年ほど配当性向の低下がみられます。引き続き今後の展開に期待というところです。

プロクター&ギャンブル【PG】のBPSとEPS

プロクター&ギャンブルのBPSとEPS

プロクター&ギャンブルのBPSとEPS

 EPS=一株利益がパッとせず、2010年代に入ってからは減少傾向でした。未だに伸び切らないところはありますが、同時にブランドの減損も進めており、今後に期待というところでしょう。

プロクター&ギャンブル【PG】の売り上げと利益

プロクター&ギャンブル【PG】の売り上げと利益

プロクター&ギャンブル【PG】の売り上げと利益

 営業利益率は業績の振るわなかった2010年以後は15%ほどでした。しかし、事業再編に伴う業績回復により、営業利益率は過去10年で最高レベル、21%超まで回復しています。

 

 その代償として売り上げはピークから8割程度に減少しましたが、このところの反転基調が市場に大変好感されています。

 

 2014年から始まった事業売却の成果が出つつあると言ってよいでしょう。3年間で100近くのブランドを整理し、60強のブランドに絞り込んだ成果が営業利益に反映されています。

プロクター&ギャンブル【PG】のキャッシュフロー

プロクター&ギャンブル【PG】のキャッシュフロー

プロクター&ギャンブル【PG】のキャッシュフロー

  殆ど横ばい、あるいは漸減と評価してよいキャッシュフロー推移です。フリーキャッシュフローが全く増えてこない傾向にありましたが、やはりこれも緩やかながら反転基調ではあります。

 

 ちなみに、15%の大株主であるトライアン・ファンド・マネジメントのネルソン・ペルツ氏が2018年3月から取締役会に名を連ねています。アクティビストであるペルツ氏の就任は抵抗もありましたが、結果的には株価はその時から1.25倍、急成長を果たしています。

 

 いずれにせよ、精選されたブランド群は強く、経済的には比較的広い濠を有します。社内のイニシアチヴをどこが握り、どのようにかじ取りをするのかを含めて今後の動向が注目されます。

 

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 久々に好決算を出したコカ・コーラです。長らく低迷期が続きましたが、復活基調に乗ったか、どうかですね。

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  連続増配でディフェンシブ株と言えば、このジョンソン・エンド・ジョンソン【JNJ】も有名です。

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 歯磨きに強い一般消費財メーカー、コルゲートです。コルゲートもアジアに強いです。

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