SPDRゴールド・シェアETF【GLD】は金地金との連動ETF
GLD・SPDRゴールド・シェアは米国と東証、メキシコ、香港、シンガポールに上場する金相場に連動することを目指した世界で最も有名な金ETFです。米国・NYSEアーカでのティッカーはGLDです。東証では1326です。
信託報酬は0.4%とやや高めですが、スケールを生かした流動性の高さが人気です。個人ならば信託報酬の低い後発のGLDM、ブラックロックのIAUなども人気があります。実際にはこの2つを使うのが現実的でしょう。
GLDはETF運用会社でブラックロック、バンガードに次いで運用総額規模で3番目に位置するステートストリートの商品になります。言うまでもなく、世界で最大の金ETFですから、流動性があります。個人で買い付けるだけではなく、各国の年金基金、中央銀行も買い手になっていますから、規模は非常に大きいです。
ステートストリートは世界最大の運用総額を誇るSPYもそうですが、押さえるところを押さえたETF運用をしていますね。
金ETFのGLDはETFランキングでもトップ20位の常連になっており、実に運用総額はおよそ4兆円になります。これは、株式とはまた違ったインフレ対策になることが好感されているからです。そのため、大手の買い手は比較的長期の保有になることが知られています。
その最たる存在は年金基金ということになるでしょう。ただし、株式のような将来的な成長や分配金を期待されてのことではありません。あくまで金の持つリスクオフ時における強みや、現物としてのインフレ耐性に対するものとしての保有ということです。
アセットクラスに金を入れることを想定しているならば、現物を買い付ける方法もありますが、こういったETFで買い付けるほうが手間と管理を考えると合理的とも言えるでしょう。
GLDのチャートと配当
- 2007年5月 取引値65ドル
- 2017年5月 取引値119ドル
- 2018年5月 取引値119ドル
- 2019年2月 取引値123ドル
- 2020年7月 取引値170ドル
青のチャートがGLDです。比較対象の赤チャートはS&P500連動のSPYです。完全な逆相関かと言えば微妙ですが、少なくとも相関ではなく、ポートフォリオにおいて一定の役割は果たすことは期待できます。
取引値は10年単位で見ると順調に成長していますが、2011年に高値を付けた後は漸減傾向にあります。米国経済が好調ですので、資金はドルあるいは米国株式市場に流れていると言えるでしょう。なお、商品ETFの性質上、分配金は出していません。
2008年から2009年にかけてのサブプライムローンの取り付け騒ぎやリーマンショック時には値を上げており、リスクヘッジの金としての役割を果たしていることがうかがえます。
一時期は大きくSPYに劣後しましたが、この5年はほとんど一緒、リーマン前からならばGLDのほうが優れたリターンを示しています。特に長期チャートの結果は多くの人にとって意外な結果ではないでしょうか。
GLDとドルは逆相関?
金とドルにも逆相関の関係があります。米国経済が好調であればドルが買われ、金が売られます。逆に、米国経済が不調であればリスクオフということになり、金が買われます。また、「有事の金」と言われ、大きなテロや戦争が起きると価格が上昇する傾向にあります。
ちなみに金相場はドル決済です。ですから、日本で金を買い付けようとすると、少なからず為替の影響を受けます。また、ドルはかつて金本位制であり、ニクソンショックまではドルの価値を金が裏付けていました。しかし、1971年のニクソンショックを経て、今は需給に基づいた価格形成をしています。
これらの特性を金ETFであるGLDも受け継いでいます。
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VTIやS&P500連動商品などをコアにしつつ、トッピングするのが基本の使い方になるでしょう。
不動産ETFよりもよい値動きをしているのが昨今のGLDです。www.americakabu.com
世界のETF運用・管理会社はブラックロック・バンガード・スパイダーが圧倒的なシェアを占めます。日本の野村、フランスのリクソー、ドイツのドイツ銀は検討していると言ってよいでしょう。