【IYR】米国不動産ETFは米国リートの集合体ともいえるETF
【IYR】米国不動産ETFはブラックロック社のETFです。ダウジョーンズ米国不動産指数に連動します。米国有名リートの数々をETFという形でまとめて買うことができます。設定日は2000年6月からと、歴史あるETFです。 信託報酬はやや高い0.42%です。特に安くなる傾向はありません。
米国ETFの中ではやや高い信託報酬です。リートの特性上金融危機に弱く、米国の経済状況が厳しくなれば非常に影響を受けます。とは言ってもベータ値はおおよそ1、リート単体で持つよりはるかに値動きは小さいです。
高分配金で利回りは市場にもよりますが、3%半ばから5%というところです。2015年後半から値動きが強くなり、分配金も好調です。ただ、利回りは過去に結構変動があります。例えば2020年は3.6%ぐらいの利回りですが、2017年には5%台の時もありました。
信託報酬が高めなので、配当と見比べて購入時期を決めたいETFです。
【IYR】米国不動産ETFのチャートと分配金
※以下画像はブラックロック社から
設定来2000年6月から分配金再投資をした結果です。10000ドルが20年で56000ドルちょっとですね。IYRはリーマンショック時でも設定日の値を割れていません。配当再投資が高率に効く分、下値が意外と強いところを見せています。
次に直近の10年で見てみます。
- 2006年3月 取引値73ドル 分配毎期およそ0.45ドル
- 2016年3月 取引値78ドル 分配毎期およそ0.90ドル
- 2017年3月 取引値82ドル 分配毎期およそ0.74ドル
- 2018年6月 取引値79ドル 分配毎期およそ0.61ドル
- 2020年7月 取引値80ドル 分配毎期およそ0.6ドル
一方でこの10年の伸びでみると微妙になります。分配金はまずまずですが、取引値のほうはリーマンショックを受けて25ドル近辺まで下落した影響が残っていると言えそうです。この頃になってようやくリーマン前水準を常に上回るようになりました。
いかにリーマンショックが異常事態だったか分かります。期間の区切り方で全然違う印象になります。とはいえ、この5年間の横ばいはS&P500やNasdaqが好調なだけに引っかかりますね。
【IYR】米国不動産ETFの構成銘柄
続いて構成銘柄を見てみましょう。若干耳慣れないかもしれない、マニアックなティッカーが並びます。
ティッカー | % |
---|---|
AMT | 10.51 |
CCI | 6.39 |
PLD | 6.34 |
EQIX | 4.7 |
DLR | 3.58 |
SBAC | 3.02 |
PSA | 2.7 |
CSGP | 2.54 |
AVB | 2.03 |
WELL | 1.98 |
この数年でAMTの比率が8%も上昇しています。アメリカン・タワー【AMT】は電波塔や携帯電話の基地局などのリースを行う不動産投資と管理を行う会社です。
本社はボストンですが、世界15カ国以上に拠点を持つ多国籍企業です。インフラ系ですが、株価は大変好調です。しかし、配当利回りは1%台です。高配当のリートや不動産会社の中では珍しいキャピタルで結果を出してきた企業ですね。
他は、CCIも倍の6%に高めていますね。また、3%超で以前はトップだったSPG、サイモンプロパティがランク外になっています。CCI、SPGともに不動産系ではよく名前を聞きます。
株式、債券、リートといった形でアセットを分散させる目的でポートフォリオに入れるなら候補に挙がるETFということになります。ライバルETFとしては同じくリート系のRWRになりますね。
コロナショックでやや調整したものの、意外な底堅さを見せているIYRですが、株式のリターンの大きさをみると食指が伸びないかもしれません。しかし、アセットの分散性で評価してポートフォリオに加えるのは悪くない選択かもしれませんね。
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