たぱぞうの米国株投資

米国株投資ブログ。某投資顧問のアドバイザー。メディア実績/日経マネー・ヴェリタス・CNBC・ザイなど

バツイチ男性の4.5億円の資産運用を考える

バツイチ男性の資産運用術

 人生100年時代ということが言われて久しいですね。実際に90歳代の高齢者は珍しくありません。たぱ家の祖母も父方、母方とも90歳代での大往生でした。しかし、一方で男性は10年ほど女性より平均寿命が短いです。 

資産運用のゴールとして参考になる健康年齢

資産運用のゴールとして参考になる健康年齢

 また、健康年齢として見てみると、さらに短くなります。男女ともに、せいぜい70歳すぎで健康は失われ、日常生活に制限がある生活を強いられる可能性があるということです。これは、平均ですから、もちろん個人差があります。

 

 街中にいる人たちは基本的に健康な人たちです。私も、親族が重篤な病気になって初めて重病患者の病棟に足を運びました。日常だと、この健康と寿命が永遠に続くかのような錯覚に陥ります。しかし、病を得たり、事故に遭ったり、けがをしたりして生活の質が変化する可能性は誰にでもあるということですね。

 

 さて、またしてもやや話がずれましたが、今回はバツイチ男性の資産運用術ということでご相談をいただいています。

バツイチ男性で、4.5億円の資産運用先に迷っている。

たばそうさん

 こんにちは。書籍をはじめいつもたいへん勉強させていただいています

 

 私は57才のバツイチ独身男性です。バツイチ独身男性の平均寿命は72才ですので残り15年の人生と思っています。定年も長い(70才)し、退職金もあることを考えると、生活費は給与と退職金だけで賄えます。


 ですので残りの預貯金をリスク資産に振り向けたいと思っています。長生きできた時のためにです。

 

 一生懸命働いていたら仕事が楽しくていつの間にか数億円たまっていました。リスク資産の軍資金は4億5000万、そのうち1億は、海外でボラティリティの低いファンドで運用しています。

 

 相談したいのは、残り3億5000万の運用です。今のところ米株5000万、社債ETF、LQD為替ヘッジ版1496に2億あります。


 6月半ばに2億成り行きで買ったら異常値がついてしまい、すごく高値づかみになってしまい、現在500万の含み損です、チャートですぐわかるくらい跳ね上がっています。


 残り1億がキャッシュです。悩みは、社債ETFがこれから上がっていくのか、ということです。金利は今、低いです。


 これ以上金利が下がることが考えにくい→社債ETFは上がっていくイメージが持てない、下がっていくイメージしかもてない、このことから社債ETFはもう売ってしまおうか、それとも持ち続けようか迷っています。2億も入れているので心配です。


 社債ETFはこれから上がっていく可能性はあるでしょうか。ご意見いただけるとありがたいです。また社債ETFを売却した場合には、3億5千万を三等分して、1億2千万をSP500 1億2千万をナスダック 1億1千万をVTに振り分けようと思っています。


 しかしすると、リーマンの時のようなことが起きると、含み損2億、なんてことにも当然なりうるわけで、たとえば今から8年後65才の時にもしそんなことがあったら、値を戻すまで生きている確証がないし、メンタル的にも耐えらえれないかもしれません。

 

①社債ETF、LQD為替ヘッジ版1496の2億円分をどうするか


 金利が低い中、今後数年から10年、中長期的に見てこれから上昇の可能性はあるか 値を下げていく可能性のほうが大きいか。

 

②57才余命平均15年の状態で1億2千万をSP500、1億2千万をNasdaq、1億1千万をVTに(安くなった時10回くらいに分けて)投資は無謀かどうか。

 

 二点、アドバイスいただけましたら幸いです。よろしくお願いいたします。

生活は安定的で、あえてリスクをとっても問題はないけれど・・・

 まず1つめの債券ですが、東証上場のLQD【1496】は良い商品です。しかし、板が薄いので億単位で投資すると値が飛びますね。そのため、不本意な値付けになりがちです。これは、ほかのETFや株式でもよくある現象です。

 

 債券と金利の関係を大和証券さんが説明されているので引用します。

債権と金利の関係

債券と金利の関係

 ご存じの通り、米国の債券金利は下がっています。そのため、債券価格は上がっていますね。将来的に景気が回復し、利上げとなれば債券価格は下がる可能性はあります。しかし、値動きは限定的ですので、買ったLQDのポジションはそれとして置いておいても悪くないでしょう。

 

 このポジションは、売買による利益を狙うというよりは、淡々とインカムを得続けるというポジションになります。

 

 次に、1億円規模でのS&P500、Nasdaq、VTへの投資ですね。こちらもどれも悪い商品ではないので良いでしょう。ただし、東証上場のものを買うならば、時間分散をしないと値が飛ぶ可能性があります。

 

 さらに1点だけお伝えするならば、「ハイブリッド」な投資をされてもよいと思います。つまり、債券だけ、株だけ、という投資ではなく株と債券を分けて投資するような形ですね。例えばLQDを半分引き上げて、3等分してS&P500、Nasdaq、VTに投資するような形です。

 

 70歳までお仕事を続け、退職金も出る、年金も出る。素晴らしい環境ですね。全く将来に不安はありません。バツイチということですが、もしお子さんがいられるならば、投資と同時に相続が意識されるところです。

 

 ある程度リスクを取って、投資をするというのも悪くないでしょう。「もう、投資をしなくてもよいフェーズである」ということを踏まえながら、余裕をもった投資をされると良いですね。

 

 ご質問ありがとうございました。

 

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