たぱぞうの米国株投資

米国株投資ブログ。某投資顧問のアドバイザー。メディア実績/日経マネー・ヴェリタス・CNBC・ザイなど

リセッションで買い増し、株高で売るという理想の売買

リセッションで買い増し、株高で売るという理想の売買は可能か

 コロナショックはリーマンショック以来のリセッションとなりました。史上最長の好景気は終止符が打たれ、短期的には40%近い暴落が見られました。その後の金融緩和により、不況下の株高となっていますね。

久々のリセッションで買い増し

久々のリセッションで買い増し

 Googleの検索ワードでもリセッションという言葉が激増しました。こちらもリーマンショック以来の検索数ということです。世間の注目度が分かりますね。

 

 さて、今日は「リセッション時に買い増し、株高局面で売るという理想の売買は可能か」ということでご質問を頂戴しています。

リセッションに備えて、こまめに利益確定をしたほうが良いのではないか

 こんにちは。

 

 たぱぞうさんのブログで米国株の魅力を知り、楽天VTIを買い始め、1年半ほどになります。いつもたいへん勉強になる記事を書いてくださり、ありがとうございます!

 

 今回初めてご連絡しましたのは、コロナショックを経て、分配金のない楽天VTIの暴落は、配当金のあるものに投資していた場合と比べて、利確しておけばよかったのではという思いがあったため、今後どのように向き合って買い増しをしていけばいいのかご相談したいと思ったからです。

 

 私は今30代半ばで、夫と子ども2人(5歳と1歳)の4人家族です。楽天VTIに関しては、長期投資をして将来必要になった時に少しずつ取り崩して老後の生活資金に充てようと考えております。


 現在楽天VTIへの投資を始めて1年半で、つみたてNISAと特定口座を合わせて投資額が150万円程になったのですが、暴落時は一時−40%近くの含み損を抱え、暴落の最中数回にわけて買い向かうことができたものの、株価が戻る時には2番底を気にして買い向かえませんでした。


 将来的には戻ると思っていても、分配金がない分、その代わりとして利益が出ているうちに利確していた方がよかったのでは?と思う気持ちも出てきました。そこで、投資効率はどちらがいいのか、たぱぞうさんのお考えを教えていただきたいです。

 

  1. 株価が好調な時に含み益の分だけを売却し、売却益で口数を増やしていく(特定口座のみ)
  2. 売却はせず、積み立てを続けていく

 

 ①の場合、再投資のタイミングによって投資効率にも差が出てくるかとは思いますが、例えば10〜20%の含み益が出たらその分だけ売却して、その日のうちに再投資するのと、株価が下がるまで現金としておいておき、下がったタイミングで投資するのと、どちらがいいかも教えていただければ幸いです。


 下がったタイミングでちゃんと買えるかも難しいのですが。


 イメージとしては、分配金がない分、利確して得た売却益を分配金代わりとして再投資していくという感じです。

 

 たぱぞうさんのお考えをご教授くださるとたいへん嬉しく思います。よろしくお願いいたします。

リセッション時のリバランスをどう考えるかということですね。

 一時期40%のマイナスだったということで、肝を冷やされましたね。相場はどうしても上下があります。頭で理解するのと、体験するのではやはり違いますね。

 

 利益が出たら投資信託を売却して、現金にしておく。相場が下がり、現金のポジションが厚くなったら再び買って、投資信託のポジションを厚くする。そうやって、常にキャッシュポジションと投資信託のポジションを一定にする投資方法は確かにありますね。

 

 いわゆる、利益確定、リバランスになります。

 

 実際には売却時に譲渡益税がかかることを嫌気し、売却を伴うリバランスをしている人は割と少数です。投資慣れした、上級者に多いイメージですね。多くの人は、定額定期の積み立てと貯金、あるいは債券などを買い増すことでバランスをとっています。

 

 例えば、株式7:現金3で、株式が下落して6:4になったとします。そうしたら、現金を取り崩して株式に加えるような形です。現金部分が債券ならば、債券ポジションを売ることになりますね。

 

 給与などの毎月のインカムからリバランスをしていれば、売らずにリバランスすることも可能です。コロナショックのような相場が動いたときは難しいですが、ちょこちょこバランスをとっていれば、平時は大きく変動しないからです。

 

 「売らないリバランス」をノーセルリバランスといいます。長期投資家はこのノーセルリバランス派が多いですね。

 

 株安は比較的わかりやすいですが、いつが株高というのは実は分かりにくいですね。米国株の場合は、株価指数のEPSが常に上昇しているのもあり、右肩上がりが基本になっています。

 

 基本は、市場に振り回されない定額定期の買い増しがベストですね。

 

 といいつつ、私は長期資金と短期資金に分けて、短期資金では暴落時の買い増し、株高時の売りというのも行っています。これはもう、染みついた習慣のようなものですね。

リセッション時こそ買い場だが、売ってしまう人は多い

リセッション時こそ買い場だが、売ってしまう人は多い

 ちょっとした余裕資金で取り組んでみて、チャレンジしてみるというのは良いと思いますよ。いずれにしても相場に抗うような売買になりますから、向き不向きは確かにあります。ご質問ありがとうございました。

 

関連記事です。

  リバランスのやり方とタイミングについては、こちらでも書いています。暴落暴騰にかかわらず、自分のルールを決めておけば相場の変動は淡々と乗り越えることができるということですね。

www.americakabu.com

  株式部分のリバランスに着目した方法が均等分散投資ということになります。昨今のような極端にセクターごとに強弱がはっきりする相場だと、投資効率がインデックスに大きく劣後する傾向にあります。

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  リスクへのエクスポージャーは、世代ごとに変容するということですね。

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