たぱぞうの米国株投資

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12銘柄均等分散投資法のメリットデメリットを考える

 均等分散投資法とはどのようなものか

 均等分散投資という考え方があります。高配当ETFとして人気のあるSPYDが均等分散ETFとしては良く知られています。

 

 もっとも、運用総額の大きなETFは基本は時価総額加重平均になります。S&P500はその代表例と言えるでしょう。流動性の小さい株と大きな株を同じように買い付けるのは、運用規模が大きくなると不可能になります。そのため、運用総額の大きなETFは時価総額加重平均になるのですね。

 

 均等分散投資は実はリターンに優れる場合があります。しかし、なかなか採用されないのはそういう事情もあります。

 

 株式だけでなく、債券や地域も均等分散させるという発想で組むのが、8資産バランスファンドや6資産バランスファンドということになりますね。

 

 それでは、これを個人投資家が自らファンドを作るような感覚で採用したらどうなるのでしょうか。今回は12銘柄均等分散投資法の強みと弱みを考えてみましょう。

 12銘柄均等分散投資法で投資をしていますが

 初めまして、たぱぞう様。いつも興味深くブログを拝見させて頂いております。投資だけでなく、「社会分析」の記事も大変参考になります。私は、投資を始めて1年にも満たない初心者です。

 

 まず、私の基本情報です。

  • 年齢:42歳
  • 妻と子供2人
  • 【家計費として】
  1. iDeCo(私、妻 各々¥12,000/月 全て楽天VTI)
  2. つみたてNISA(私、妻 各々¥33,333/月 全て楽天VTI)
  • 【こずかいとして】
  1. アメリカ個別株12銘柄に分散投資 ¥50,000/月

 家計費としての運用は淡々と実行していけば良いと思っていますが、今回ご質問させて頂くのは、こずかいとして運用している方の投資方法についてです。

 

 私のこずかいなので、投資戦略としては、少しだけリスクを取って個別株にチャレンジしています。ほぼセクター別に所有している12銘柄について、過去と現在のPER、PSR、PBRや配当利回り等の指標を比較し、割安となる銘柄へ月々¥50,000を目安に投資しています。


 リスク分散のために定期的にリバランスを行うのですが、その際に割安ではない銘柄を購入することになる(全体額を減らしたくないので、高ウエイト銘柄を売却はしたくありません)ことが多く、意に反しています。


 割安の指標を満みたす銘柄がなかなかないため、いつも同じ銘柄を購入することが多いです。全ての指標にこだわる必要があるのでしょうか。また、バリュー投資にリバランスという考えはなじまないのでしょうか。正しいリバランスの視点や方法についてご教授下さい。

 

 投資本やインターネットを通じて様々な情報は入手できるのですが、実際に投資を初めてみて少々混乱している状況です。

 

 お忙しいところ、申し訳ございませんが、よろしくお願い致します。

均等分散投資をするにあたって押さえておきたいこと

 個別株の均等分散投資ですが、面白いやり方ではあります。このやり方のポイントは、ズバリ言って銘柄選定にあります。また、フレキシブルな発想が必要です。決算などの定量分析とビジネスモデルの定性分析が欠かせないということです。

 

 バフェット氏がそうであるように、個別株投資は修正をかけながら銘柄を入れ替えていくというのが成功へのクリティカルパスになります。

 

 理由は、時代は移ろうからです。ITバブルの時のハイテク銘柄と、現在のハイテク銘柄は全く評価が異なります。また、石油株の評価も20年前と現在では全く異なります。これらを反映させていかないと、結局インデックスのほうが優れているということになります。

運用方針をシンプルにしないと成り立たない

 指標を満たす銘柄という視点で選ぶと、おっしゃるようにいずれ偏りが生まれますね。理由は、株高の時は指標を満たすものが少なく、株安の時は逆に満たすものだらけになりがちだからです。

 

 思い切りシンプルに、投資総額で12均等割りするなどの工夫が必要になるでしょうね。

 

 また、セクター横断的に網羅するという発想もありますが、時代によって勢いのあるセクター、企業、それぞれが変わります。逆に、割安と思われる銘柄ばかりで12銘柄を埋め尽くすと、万年割安銘柄でポートフォリオが構成されます。

 

 これまたどこかで割り切りが必要になります。

均等分散投資ということは、勢いのあるセクターを逃す可能性も

 セクターを機械的に12等分するというのは、うまくいけばよいですね。一方で勢いのあるセクターから1~2銘柄しか選ばないという可能性も出てきますね。米国株といえども、すべての業種に勢いがあるわけではありません。

 

 これは、全米の土地値の変化を見れば明らかで、全く上昇していない土地はさっぱりです。例えば製造業で栄えた都市は、土地値も上昇していません。

均等分散投資と都市の土地値の変動

均等分散投資と都市の土地値の変動

 この背景には、地域ごとの産業の分散があります。ハイテクの集中する西海岸の土地値の変化などはそれを裏付けたものになります。産業構造のドラスティックな変化がこの20年であったということになります。

 

 そういう意味では、やはり時価総額加重平均というのは自動的に勢いのある銘柄が入ってくるので、効率的ではあります。ただし、これも「今のところは」という但し書きになります。

均等分散投資法のまとめ

 いずれにしても、インデックスを上回る成果を残すには2つの作業が必須になります。

  1. 最初の銘柄選びを間違えない
  2. 間違えた場合は速やかに入れ替える

 状況に合わせて銘柄を適宜入れ替えるという作業が必須です。しかし、そこにはそれ相応の鑑定眼が必要になってくるということですね。割高、割安、成長性、これらの判断が難しいからです。しかし、うまくいけば大変楽しい作業になりますね。

 

 ご質問ありがとうございました。

 

関連記事です。

  8資産均等型バランスファンドはアセットと地域のの均等分散投資法ということになります。

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  今はチャンスといえばそうかもしれませんね。これから業績は厳しくなると予想されますが、どうでしょうか。

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  SPYDは珍しい、均等分散投資のETFですね。

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