株式投資に勉強や資格は必要なのか
株式投資に勉強や資格は必要なのでしょうか。
株式投資自体は、100年以上の歴史があります。古くは、現在のインドネシアにおける植民地支配に大きな役割を果たした、オランダ東インド会社までさかのぼります。
出航に伴うリスクを分散するため、出資を募る株式会社の形態を採用していました。17世紀の話ですから、かなりのものですね。その後、数百年を経て、会社が資金を集める、あるいは知名度を増すための最もよく知られた手法になっています。
現在のようにネットで自宅から手軽に株券を買えるようになったのは、およそ20年前の話です。日本ではマネックス証券や、当時イー・トレードという名称だった現在のSBI証券などが先駆けとなりました。
また、世界最大のETFであるSPYなども実はそんなに歴史は長くなく、1993年の上場です。
いずれにしても、株式投資の歴史は長いですが、誰もが参加できるように環境が整ったのはつい最近、数十年だということです。
さて、こうした変革を経てきた株式投資、あるいは投資のカタチです。整備されたとはいえ、資産運用には知識や経験が必要と未だに言われています。
今日は、あえて2つのツイートをご紹介したいと思います。
株式投資の勉強を積み重ねた自分より、感覚で買った奥さんのほうが成績が良い
株式投資の勉強を積み重ねると、どうしても臆病になり、手堅い投資に帰結しがちです。つまり、負けない投資ですね。有名なチャールズ・エリス氏の「敗者のゲーム」などは、まさしくその発想かもしれませんね。
しかし、この負けない投資というのは、時間を要する例が多いです。
イオンの含み益が米国株よりも大きいという、リアルな現実です。
200万買った米国株より嫁が優待目当てで適当に寄りで買った100株しかないイオンの方が含み益出ててツライ
— しゅん@米国株投資 (@ogurin1988) September 24, 2019
こちらはTDLで知られる三井系のオリエンタルランドです。パフォーマンスで負けているという現実です。
いろいろ株について勉強して、幸いプラスで1年ぐらい経過したけど、特に勉強せず優待目的で嫁が買ったオリエンタルランドのパフォーマンスに全く敵わない…
— okutama (@okutama_ppp) June 11, 2019
こういう現実はたしかにありますね。投資あるあるなのです。株式投資というのは、言い方は悪いかもしれませんが、このようなビギナーズラックが起きやすい投資です。
逆に、こういうことが殆ど起こりえないのがハードアセットの投資ですね。これらは、収入と税金の関係が密接で、しかも電卓をパチッと弾けばそれなりに確度を高めることができるからです。何も知らないで飛び込むと、大やけどをする可能性があるのが、これらの投資、とくに不動産投資ですね。
ある意味では、数字が読めて税金に強い人というのは、こういった現物投資が向いています。あるいは、償還と利回りがはっきりしている債券投資も良いでしょう。
株式投資は、不確実な部分が大きいのです。地合いによっては、どんな立派な学説や理論も吹き飛ばす、そういう運のようなものがあります。 そのため、株式投資家は知識だけではなく、逆風に耐える心の強さのようなものが必要です。誰が何と言おうとも、わが道を行く、そういう人は向いています。
個人投資家はリスク許容度が弱い、だから債券を多く入れよ。こう主張するのがレイ・ダリオ氏ですね。
私自身の株式投資を振り返っても、ラッキーだったことは何度もある。
私自身、あまり株式投資の知識を使わずに売買をしたことが何度もあります。
最近で言えば、トルコ通貨危機時のトルコETF【TUR】の買いです。
直近で言うならば、2018年末におけるVTIの買いです。この時は全資産の半分以上を瞬間的に移し、買いました。チャートを見て、すぐに売ってしまいましたね。長期投資とは別の枠で買ったからです。
これは、Twitterやブログにも書いたとおりです。非常にラッキーでしたね。しかし、こういう投資は、いつか負けてもおかしくない投資ですね。タイミング投資というのは、やればやるほど怖さが増すように思います。
それしかしていなかった20代、30代のころには全くなかった感覚です。50代60代の人でバンバン相場に張れる人は、生まれ持っての心の強さ、才能があるということなのでしょうね。
私はと言えば、2015年ごろまでのトレードとは大きく変わり、とにかく数字の読めるもの、より確率の高い資産運用を心がけるようになっています。つみたてNISAの発想に共感するのはそういうことです。長い時間が取れるのは、それだけ確率を高くするのです。
思い通りにいかない、知識がそのまま資産額に反映されるわけではない、そういう面白さが資産運用にはあるように思います。結局、投資の勉強というのは、「確率を高める」にすぎません。絶対ではないのです。
実際に運用成績を左右するのは、結局はその人自身の心なのかもしれませんね。
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とはいえ、書籍を通して知識を得ることを軽んじるわけではないですね。
そういう不確かな資産運用を本業として生きていくには、下準備が必要になります。セミリタイアをするにあたっては、周到な準備をしたほうがよいですね。
資産運用がクローズアップされる昨今ですが、cash is kingというのも揺るがない真実です。