QQQはNASDAQ100連動の高パフォーマンスETF
パワーシェアーズ QQQ 信託シリーズ1はNASDAQ100連動のETFです。英語版のPowerShares QQQ Trust, Series 1 (ETF)を訳すとこうなるということですね。NASDAQ総合指数に連動するETFは今のところありません。そのため、QQQが比較的NASDAQと連動性の高いETFとして使われています。
運用会社はインベスコ・パワーシェアーズ・キャピタル・マネジメントLLCです。受託銀行はニューヨークメロン銀行です。
インベスコのETFとしてはトップの運用総額、世界のETF運用総額でも5番目に大きな運用総額に成長しました。SPY、IVV、VOO、VTIなどと肩を並べるメジャーなETFだということです。
QQQのチャートと配当
- 2007年1月 取引値43ドル 分配金0.0267ドル
- 2017年1月 取引値125ドル 分配金0.35494ドル
- 2018年1月 取引値164ドル 分配金0.33ドル
- 2019年1月 取引値161ドル 分配金0.421ドル
- 2020年6月 取引値252ドル 分配金0.424ドル
取引値は絶好調、直近のコロナショックも無かったことになっています。この取引値の成長率はETFの中でも出色と言って良く、S&P500やダウ30種よりも良いパフォーマンスです。
運用総額は最初に記事を書いたころよりも2.5倍以上になっており、超人気ETFとなっています。同様に比較されるハイテクセクターETFであるVGTと違い、Amazonを含むためQQQを選好する投資家も多いです。
リーマンショック時には20ドル台後半まで落ちており、そのころにもし買っていたら現在12倍以上です。こういう「もし」はまさに後付けなのですけどね。
分配金利回りは1%未満が常態で高くはないものの、それを補って余りあるキャピタルゲインを実現しています。
QQQの構成銘柄
続いて構成銘柄を見てみましょう。
2017年のQQQ構成銘柄
2017年の構成銘柄です。ルーターのCisco、独立系バイオのアムジェンなどがランクインしているのが目に付きます。アップルが10%を占めています。
2018年のQQQ構成銘柄
2018年の構成銘柄です。目新しいのはコムキャスト【CMCSA】とエヌビディア【NVDA】ですね。トップ4は盤石です。Amazonが割合を上げ、Facebookが割合を下げたのが少々目に付く程度でしょうか。
2019年のQQQ構成銘柄
ティッカー | 企業名 | % |
---|---|---|
MSFT | Microsoft Corp | 10.04 |
AMZN | Amazon.com Inc | 9.88 |
AAPL | Apple Inc | 9.01 |
GOOG | Alphabet Inc | 4.67 |
FB | Facebook Inc | 4.43 |
GOOGL | Alphabet Inc | 4.1 |
INTC | Intel Corp | 3.03 |
CSCO | Cisco Systems Inc | 2.77 |
CMCSA | Comcast Corp | 2.18 |
PEP | PepsiCo Inc | 2.16 |
上位の顔ぶれは変わりませんが、NVDAがランク外に落ちたのが目を引きますね。その代わりに、ペプシコというQQQらしからぬ安定した飲料メーカーがランクインしました。
2020年のQQQ構成銘柄
ティッカー | 企業名 | % |
---|---|---|
AAPL | Apple | 11.82 |
MSFT | Microsoft | 11.72 |
AMZN | Amazon | 10.8 |
FB | 4.2 | |
GOOGL | Alphabet | 3.79 |
GOOG | Alphabet | 3.69 |
INTC | Intel | 2.39 |
NVDA | NVIDIA | 2.26 |
TSLA | Tesla | 2.14 |
ADBE | Adobe | 2.04 |
Invesco - Product Detail - PowerShares ETFsから
今をときめくテスラがランクインしましたね。また、2019年にかけてやや決算に陰りの見えたアドビも10番目に入りました。2社とも好調な株価を反映しています。
QQQの基本的な傾向と概論
Microsoft、Apple、Amazon、Googleが非常に強く、この4銘柄で4割近くになります。これはメジャーなETFとしては珍しい分散性の低さですね。逆に、だからこそ出色のパフォーマンスを示してきたとも言えます。この偏りは知っておいて良いですね。
続いて、Facebook、インテル、シスコといったIT業界の大手も名を連ねます。アムジェンは独立系のバイオ製薬ということで異彩を放っています。ランク外ではクアルコムやコムキャスト、中国のバイドゥADRなどが組み込まれています。まさに伸び盛り、あるいは話題の集中する銘柄群と言っていいでしょう。
QQQのセクターアロケーション
続いてセクターアロケーションを見てみましょう。途中でセクターの改変があり、連続性が失われています。膨張するITを象徴する1つの事象といってよいでしょう。
2017年のQQQセクターアロケーション
セクターアロケーションを見ても情報技術関連株への比重は鮮明で、実に6割近くを占めます。NASDAQ100の特徴をよく表しています。
Consumer Discretionary では、アマゾンの6.6%を筆頭に、3%のコムキャスト、チャーター・コミュニケーションズ、スターバックスと続きます。Consumer Staplesでは、地味にクラフトハインツがトップにランクイン、今となっては時代を感じますね。
2018年のQQQセクターアロケーション
ITが3%増えています。ヘルスケアも微増です。FANG銘柄の躍進、2017年は特にAmazonの躍進が目立ちましたので、このような結果になっています。
2019年のQQQのセクターアロケーション
この年のセクターの分類の変更に伴い、ITが減っているように見えます。ただ、これは中身は変わりません。ITにカテゴライズされていた銘柄が、コミュニケーションサービスセクターに移動したのが大きな要因ですね。
具体的にはGoogleとFacebookがITから移動しました。これだけで15%近くなりますから、ほとんど近似します。S&P500においてもITセクターは比重が大変大きくなりましたから、それに伴うセクター分類の見直しということです。
2020年のセクターアロケーション
financialsがもともと目立ちませんでしたが、ほとんど消失しています。強弱鮮明ですね。昨年から組み替えたITが再び強勢、セクター移動をさせてもどうしても割合が大きくなるという構図ですね。
構成銘柄を見ても分かるように、今を時めくような成長株がずらりと並ぶETF、それがパワーシェアーズ QQQ です。値動きが大きいために不況時には大きく下がる可能性もありますが、ボラティリティを追いたい投資家にとっても魅力あるETFと言えるでしょう。
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