QQQはNASDAQ100連動の高パフォーマンスETF
パワーシェアーズ QQQ 信託シリーズ1はNASDAQ100連動のETFです。英語版のPowerShares QQQ Trust, Series 1 (ETF)を訳すとこうなるということですね。NASDAQ総合指数に連動するETFは今のところありません。そのため、QQQが比較的NASDAQと連動性の高いETFとして使われています。
運用会社はインベスコ・パワーシェアーズ・キャピタル・マネジメントLLCです。受託銀行はニューヨークメロン銀行です。
QQQのチャートと配当
2007年1月 取引値43ドル 分配金0.0267ドル
2017年1月 取引値125ドル 分配金0.35494ドル
2018年1月 取引値164ドル 分配金0.33ドル
2019年1月 取引値161ドル 分配金0.421ドル
取引値は10年で4倍近くになっています。この取引値の成長率はETFの中でも出色と言って良く、S&P500やダウ30種よりも良いパフォーマンスです。リーマンショック時には20ドル台後半まで落ちており、そのころにもし買っていたら現在8倍以上です。こういう「もし」はまさに後付けなのですけどね。
分配金利回りは1%未満と高くはないものの、それを補って余りあるキャピタルゲインを実現しています。2018年は久しぶりに調整になりました。
QQQの構成銘柄
続いて構成銘柄を見てみましょう。
2017年のQQQ構成銘柄
2017年の構成銘柄です。ルーターのCisco、独立系バイオのアムジェンなどがランクインしているのが目に付きます。アップルが10%を占めています。
2018年のQQQ構成銘柄
2018年の構成銘柄です。目新しいのはコムキャスト【CMCSA】とエヌビディア【NVDA】ですね。トップ4は盤石です。Amazonが割合を上げ、Facebookが割合を下げたのが少々目に付く程度でしょうか。
2019年のQQQ構成銘柄
ティッカー | 企業名 | % |
---|---|---|
MSFT | Microsoft Corp | 10.04 |
AMZN | Amazon.com Inc | 9.88 |
AAPL | Apple Inc | 9.01 |
GOOG | Alphabet Inc | 4.67 |
FB | Facebook Inc | 4.43 |
GOOGL | Alphabet Inc | 4.1 |
INTC | Intel Corp | 3.03 |
CSCO | Cisco Systems Inc | 2.77 |
CMCSA | Comcast Corp | 2.18 |
PEP | PepsiCo Inc | 2.16 |
上位の顔ぶれは変わりませんが、NVDAがランク外に落ちたのが目を引きますね。その代わりに、ペプシコというQQQらしからぬ安定した飲料メーカーがランクインしました。
Invesco - Product Detail - PowerShares ETFsから
3年見通したQQQ
Microsoft、Apple、Amazon、Googleが非常に強く、この4銘柄で4割近くになります。これはメジャーなETFとしては珍しい分散性の低さですね。逆に、だからこそ出色のパフォーマンスを示してきたとも言えます。この偏りは知っておいて良いですね。
続いて、Facebook、コムキャスト、インテル、シスコといったIT業界の大手が名を連ねます。アムジェンは独立系のバイオ製薬ということで異彩を放っています。ランク外ではクアルコムやエヌビディア、中国のバイドゥADRなどが組み込まれています。まさに伸び盛り、あるいは話題の集中する銘柄群と言っていいでしょう。
QQQのセクターアロケーション
2017年のQQQセクターアロケーション
セクターアロケーションを見ても情報技術関連株への比重は鮮明で、実に6割近くを占めます。NASDAQ100の特徴をよく表しています。
Consumer Discretionary では、アマゾンの6.6%を筆頭に、3%のコムキャスト、チャーター・コミュニケーションズ、スターバックスと続きます。Consumer Staplesでは、地味にクラフトハインツがトップにランクインしていたりします。
2018年のQQQセクターアロケーション
ITが3%増えています。ヘルスケアも微増です。FANG銘柄の躍進、特にAmazonの躍進が目立ちましたので、このような結果になっています。
QQQのような運用総額の大きいETFが1年で50%もキャピタルゲインが出るのは異例ですが、それがNasdaqということですね。
2019年のQQQのセクターアロケーション
セクターの分類の変更に伴い、ITが減っているように見えます。ただ、これは中身は変わりません。ITにカテゴライズされていた銘柄が、コミュニケーションサービスセクターに移動したのが大きな要因ですね。
GoogleとFacebookがITから移動しました。これだけで15%近くなりますから、ほとんど近似します。S&P500においてもITセクターは比重が大変大きくなりましたから、それに伴うセクター分類の見直しということです。
構成銘柄を見ても分かるように、今を時めくような成長株がずらりと並ぶETF、それがパワーシェアーズ QQQ です。不況時には大きく下がる可能性もありますが、ボラティリティを追いたい投資家にとっても魅力あるETFと言えるでしょう。
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ラッセル2000指数連動のETFです。こちらは比較的中・小型株も含みます。QQQはNasdaqの大型株を扱うETFです。
ちょっとマイナーなS&P100連動のETFです。完全に大型株のみです。アメリカの時価総額の大きい株、トップ100です。あまり目にしないかもしれません。
ETFの分配金の原資について書いています。基礎基本ですが、値動きや分配金利回りに比べると普段あまり意識しないことかもしれませんね。