たぱぞうの米国株投資

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ダナハー【DHR】は成長力が魅力の工業製品メーカー

ダナハー【DHR】の業態の変容が気になる

 ダナハー【DHR】は、ビジネスモデルが面白く、昨今絶好調の株価推移でも知られます。

 

 売り上げの構成は、主力の医療機器が6割を占めます。診断機器、デジタルイメージングシステム、光学機器、顕微鏡など 多岐にわたります。

 

 売上の地域は米国(37.1%)、中国(11.8%)、ドイツ(6.3%)、日本(4.6%)、その他(40.2%)という形で、広く分散しています。

 

 オープンな場ではあまり個別株に関してお答えすることは無いのですが、他にもいくつかご質問を頂いています。そのため、例外的にここでご紹介しますね。

 

 最初にご質問です。

ダナハー【DHR】は投資先としてどうでしょうか。

 最近、DHRという企業を知りました。詳しいことは分かりませんが、優良な事業を買収して独自の改善方法でその事業をさらに優れたものにしているそうです。

 

 最近では、GEのバイオ医薬関係の事業も買収しています。イメージとしてはBRKに近いのでしょうか。驚くべきはその高いパフォーマンスにあり、VTIやBRKと比べてみてもあまりにもレベルが違います。

 

 近年、米国株へ投資する人が増えていますが、日本では現在、DHRへ投資している人は皆無ではないでしょうか。たぱぞうさんはDHRへの投資はどのように思われますか。是非ともお考えをお聞かせ頂けないでしょうか。宜しくお願い致します。

 

 はくさい太郎

ダナハー【DHR】の概要

 はくさい太郎さん。こんにちは。

 

 さて、ダナハー【DHR】は業態としてはライフサイエンス・医療診断機器・歯科医療機器などの分野における製造業企業群を保有する持ち株会社です。昨今は、特にヘルスケアにシフトしています。この会社の面白いところは、M&Aによる企業再生で規模を大きくしてきたところです。

 

 企業価値を高めたところでの株主還元も積極的で、昨今では2016年に株式公開されたFortive Corpの利益売却に伴う還元がありました。この時に、DHR2株につき、FTV株が1株割り当てられました。

 

 もともとの祖業はスティーブ・レイルズ氏とミッチェル・レイルズ氏により1969年に設立された不動産会社でした。

 

 しかし、独自の企業買収からの収益化システムを導入し、今では製造業のほうが本業になっています。なお、この経営システムはダナハー・ビジネス・システム(DBS)という名称がついています。

 

 トヨタのカイゼンシステムに大きな影響を受けており、導入改良して成果に結びつけているのは注目されてよいでしょう。

 

ダナハー【DHR】の基礎データ

 それでは、ダナハー【DHR】の基礎データを見てみましょう。

ダナハー【DHR】の売り上げと利益

 ダナハーの売り上げと利益です。

ダナハー【DHR】の売り上げと利益

ダナハー【DHR】の売り上げと利益

 まず、ダナハー【DHR】の売り上げと利益です。売り上げは緩やかな右肩上がりに見えますが、先述のFTV株の分割を考えると好調と言って良いでしょう。

 

 売り上げ以上に目を引くのが安定的な粗利益率、それから営業利益率ですね。製造業は概してこれらの利益率を高めには出しにくいのですが、ダナハーは良い数字です。粗利で60%近く、営業利益率で20%近くというのは、広くはありませんが何らかの経済的な堀があることを窺わせます。

 

 ただし、参入しているヘルスケアは競合も多いです。セグメントで言うと特に歯科系は競争が激しく、売り上げ成長率、利益率ともに低いです。これは明らかに懸念材料で、今後のカイゼンに期待されるところです。

 

 製造業における好業績企業である3Mにそん色ない水準ですね。

ダナハー【DHR】の配当と配当性向

 続いて配当と配当性向です。

ダナハー【DHR】の配当と配当性向

ダナハー【DHR】の配当と配当性向

 もともと配当には熱心ではありませんでした。2014年以後は配当施策を転換し、配当性向は抑え目ながら金額が激増しています。とはいえ、それでも直近の利回りは0.5%ほどですから、高配当や増配を狙って投資するような株ではないですね。

 

 キャピタル狙いの株ということになります。

ダナハー【DHR】のBPSとEPS

 続いてBPSとEPSです。

ダナハー【DHR】のBPSとEPS

ダナハー【DHR】のBPSとEPS

 米国企業にしてはやや珍しく、BPSも上昇していますね。EPSはグラフにすると分かりにくいですが、10年スパンだとそれなりに右肩上がりです。ただし、2013年ごろからやや停滞気味、今後の業績が注目されるところではありますね。

ダナハー【DHR】の株価とチャート

 株価とチャートを見てみましょう。

ダナハー【DHR】の株価とチャート

ダナハー【DHR】の株価とチャート

 この10年のチャートはとてもきれいですね。調整らしい調整も無く上げてきています。これは、2018年以降停滞気味のバークシャーハサウェイ【BRK】を凌ぐリターンです。

 

 直近決算でも売り上げは3.5%、フリーキャッシュフローで13.5%の前年比上昇を示しています。業績次第なところはありますが、ポテンシャルからして現状はやや割安な水準と言えますね。

 

 ハイテクや金融に比べると業績内容は劣りますが、セクター分散を図るという意味ではポートフォリオに加えても良い銘柄の1つということになるかと思います。

 

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