コルゲート・パーモリーブ【CL】は歯磨き粉シェア世界一
コルゲート・パーモリーブ(CL)はトイレタリーや日用品製造をしている生活必需品企業です。歯磨き粉、歯ブラシ、石けん、洗剤、ペット用品などを製造しています。
中でも強みは歯磨き粉で、インドでは5割を超えるシェアを握っており、世界シェアでは1位となっています。それに付随して歯ブラシでも高いシェアを持ちます。ちなみに世界で初めて練り歯磨きを販売したのが、このコルゲートです。それから世界中で広く支持されています。
売り上げ規模は日本の花王と同じくらいです。NYSEにコルゲートが上場したのが1930年です。歴史ある成熟企業と言って良いでしょう。ちなみに日本の生活必需品メーカーの雄である花王は1887年の創業、長瀬商店といいました。こちらも押しも押されぬ連続増配企業です。
※画像はコルゲート・パーモリーブのホームページから
コルゲート・パーモリーブ(CL)の配当とチャート
2006年 株価 30ドル 配当 0.16ドル
2016年 株価 74ドル 配当 0.39ドル
2018年 株価 62ドル 配当 0.42ドル
株価も配当も倍以上になっています。ここ数年の配当利回りは2%弱で推移しています。ただし、セクター全体に言えることですが株価は下落傾向です。長期金利上昇に伴う「債券的な株」は株価が下がっています。
コルゲートはこの2年の上昇を吐き出した形になっています。諸数字と照らし合わせると「売られすぎ」な印象ですが、どうでしょうか。なお、近年の増配率は低めです。
とはいえ、コカ・コーラ(KO)やジョンソンエンドジョンソン(JNJ)と同じく連続増配50年超えの安定企業ですので、増配が途絶えるということはめったなことが無い限り無いと信じたいですね。
コルゲート・パーモリーブ(CL)の基礎データ
続いて基礎データを見てみましょう。
コルゲート・パーモリーブ【CL】の配当と配当性向
見事な増配歴です。EPSが落ち込んだ年があり、そのため配当性向も一時急上昇しましたが、すぐに元の数字に戻っています。とはいえ、配当性向は緩やかな上昇基調にありますね。強みの新興国需要のさらなる掘り起しが期待されるところです。
コルゲート・パーモリーブ【CL】のBPSとEPS
明らかにBPS(一株資本)を重視しない経営方針に転換していますね。ROEが高いので、そういう方向の経営を志向しているということでしょう。EPS(一株利益)は下落傾向でしたが、2016年を底に反発しました。基本的には横ばいといってよいのではないでしょうか。
コルゲート・パーモリーブ【CL】の売上と利益
この高位安定の営業利益率がコルゲート・パーモリーブ【CL】の強みですね。同業他社と比べても高めの営業利益は、歯磨き粉という一見平凡な商品でありながら確かなブランディング戦略があることを窺わせます。
生活必需品は地場ブランドの勃興やプライベートブランドの安値攻勢からいかにブランド力を守り、リピーターを増やすかというところに尽きます。そういう意味ではコルゲートはやはり強いですね。
コルゲート・パーモリーブ【CL】のキャッシュフロー
横ばいではありますが、安定的で読みやすいキャッシュフローの推移です。一定の設備投資が必要な製造業にしては、非常に営業CFとフリーCFのバランスが良いですね。米国企業らしい、腰の強い経営をしている企業のうちの一つであると言えます。
売上の推移を見ても分かるように、ディフェンシブ銘柄の代表格の1つであることは間違いありません。
ティッカー:CL
本社:アメリカ・ニューヨーク
上場:ニューヨーク証券取引所(NYSE)
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生活必需品企業といえばプロクター&ギャンブルですね。ここのところやはり株価が冴えません。営業利益自体は反転しつつあり、利益体質の改善は注目されてよいですね。経営陣の変化も興味深いところです。ただ、地合いは逆風ですね。
こちらは消費財メーカーです。Nestle、ペプシコ、ユニリーバなどが名前を連ねます。Nestleは日本のネット証券では買いにくいため、「隠れた人気銘柄」になっています。ネスカフェなど独自のブランド力を生かした、ストックによる収益を作る力は出色ですね。
こちらはイギリス・オランダ系の一般消費財メーカーです。東インド会社、旧宗主国の強みを生かし、アジアなどでも強みを発揮しています。インドネシアでは子会社上場を果たしています。比較的常に高配当ですね。