米ドルスワップポイントとは
FXをする人は殆ど常識的に知っている、このスワップポイントです。平たく言うと、低金利の国の通貨で、高金利の国の通貨を買うと得られる金利差の収入です。
例えば0.1%の低金利通貨で3%の高金利通貨を買えば、年率2.9%の金利差が得られるということです。極端な例だと、政策金利で60%ということもあります。日本円で新興国通貨を買い、スワップポイント得ると諸手数料を引いても50%後半の金利を得るということになります。
・・・ただし、あまりにボラタイルなためにそのような通貨は国内では取り扱いがほとんどありません。
金利だけ見ると大変魅力なわけですが、その金利を超える通貨の下落があったり、非常に値動きが激しかったり、ネガティブな要素があります。そのため、新興国通貨でのスワップポイントというのはそれなりにリスクがあると知っておいたほうが良いでしょう。濡れ手で粟とはいかないわけです。
それに対して比較的ですが、安定感のある通貨と言えばやはり米ドル・日本円・ユーロというところが鉄板と言ってよいでしょう。このところの金利の上昇に伴い、この米ドルのスワップポイントがそれなりの水準になってきています。
基本的にスワップポイントはほとんど国債金利に近いのですが、貸し借りを行う金融機関の信用リスク分が乗ります。そのため、一般的には国債金利よりもやや高い金利になっています。今回は、この米ドルスワップポイントに関連したご質問を紹介します。
米ドルスワップポイントで待機資金に金利を付ける
毎朝、たぱぞう様のブログを読むことが日課で、楽しく拝見させていただいております。
当方、30代前半男、公務員、独身、投資歴5年、SBI証券利用、米国株高配当銘柄中心にインカムゲイン重視、資産状況は日本円280万円、米国ドル5,000$、日本株165万円、米国株26,500$、投信(積立NISA;楽天VTI)30万円、ideco20万円です。低リスク資産への投資を考えており、候補はBNDです。
最近、アメリカ利上げの影響からかBNDの株価が下がり、今がチャンスなのか?と思っていたのですが、ふと次の考えが浮かびました。
- BNDの配当利回りはいつもは2%後半程度、少なからず値動きもあり。
- FXで米国ドルを買うと、レバレッジなしでもスワップポイントで年率4%程度もらえるとのこと。
- SBI FXαを使えば、買った米国ドルをSBI証券での米国株式の資金として利用可能
これなら、値動きするBNDより、FXで米国ドルを定期的に購入し、スワップポイントをもらいつつドル転も行い、米国株式買付資金として利用可能。リスクヘッジとしてはこの方法の方が優秀か?と考えつきました。
たぱぞう様はどのようにお考えになりますか?また、利上げ真っ只中でのBNDへの投資についての考察もいただければ幸いです。
スワップポイントによる税金
スワップポイントで待機資金に金利を付けるというのは良いですね。同様に米ドル建てのMMFなども待機資金の避難先としては魅力の水準になってきました。為替動向を気にせず、ドルベースでの投資スタイルが身についている投資家にとっては良い選択になりえます。
ただし、スワップポイントの場合は雑所得になります。この場合、ソーシャルレンディングや暗号通貨などと同様に20万の壁を意識しなくてはいけませんね。つまり、20万円を超えるまでは国税(所得税)はかかりませんが、超えると確定申告にて納税する必要がでてくるということです。
年ごとに区切り算出する会社と、決済ごとに算出する会社があります。SBIfxの場合は、決済ごとに利益を計算します。20万円を超えるならば確定申告が必要になります。
これに対してドル建てMMFは特定口座扱い、源泉徴収なので納税の手間は楽ですね。
BNDも特定口座扱い、源泉徴収になります。ただし、外国税額控除を考えると、やはり確定申告の必要が出てきます。
なにやらごちゃごちゃしましたが、こういう結論で良いかと思います。
- FXのスワップポイントで待機資金に金利を付けてもOK。しかし、雑所得になるので年間20万円を超える場合は確定申告が必須。
- ドル建てMMFは証券口座で買え、特定口座にもなるので手軽。しかし、信託報酬はものによって約0.7%ほどしており、その分金利面ではやや不利なことも。
- BNDは金利高局面では値下がり傾向。しかし、金利はしっかりと享受できる。外国税額控除をするならば確定申告の必要あり。
FX口座をすでにお持ちで、雑所得に関する知識もおありならばスワップポイントというのは悪くないと思いますよ。ひとまずこういう結論になります。SBIグループ以外の大手FX業者としては、以下の業者が利用者数、口座数が多いですね。
こういったところでスワップポイントを付けても良いでしょう。ただし、基本的には為替の変動のほうが大きく、為替が動けば吹き飛ぶのがスワップです。債券もそうですが、ぱっと見は安定に見える収入は実はそれなりに変動リスクがあるということです。
これは海外投資の宿命といってよいでしょう。もろもろ勘案すると、やはりコアは株ということになりますね。
ご質問ありがとうございました。
関連記事です。
住宅ローンを選ぶためのコツを書いています。住宅ローンも金利動向、特に短期プライムレートが大事になりますね。
人生設計の基礎基本も大事ですね。
リスクリターンのお話です。