そもそもETFとは何か
ETFとは【Exchange Traded Funds】の略で、「上場投資信託」と呼ばれるものです。連動する指数は株式だけでなく、債券やREIT(リート)、金などの商品もあります。投資先は日本から海外に広がり、投資しにくい国と地域と資産に手軽に投資ができるようになりました。
投資信託が上場し、そのまま株式市場であたかも株のように取引できるようになったものです。
ETFの仕組み
ETFは、1本で複数の商品を買うことができる金融商品です。例えば株式ならば、数十銘柄から数千銘柄への投資が可能になります。つまり、1企業の経営リスクを薄め、市場全体に投資をすることができるということです。
これは債券ETFなどでも同じで、短期債から長期債までミックスしたETFや、様々な国の債券をミックスしたETFなどがあります。
複数の銘柄を1本にしたものがETF、とざっくり知っておけば良いでしょう。
海外ETFの種類
大きく分けてETFは4つの種類があります。
- 株式系
- 債券系
- リート系
- 商品系
株式が最も有名ですが、それだけではありません。先述したように、不動産を証券化したREIT(リート)や石油、金、プラチナ、コーンなどの商品先物系もETFになっています。
アメリカでETFが人気の理由
米国ではスパイダーによるS&P500連動ETFであるSPYを皮切りに、数々のETFが組成されてきました。また、経費率の引き下げ競争も激しく、非常に手軽な投資先になっています。
個別株と違い、企業ごとのリスクを負う必要もありません。そのため、リスクを忌避する投資家にとってはまたとない商品になっています。特に、海外ETFの総本山ともいえる米国ETFにおいては過去10年で10%を超える利回りを実現してきたこともあり、高い人気を誇っています。
このように、ETFの人気はうなぎ上りといってよいですね。運用総額は日々積み重なっており、株式投資の新たなスタンダードとして定着した感があります。
海外ETFは銘柄数が非常に多い
海外ETFは非常に数も多く、2000を超える銘柄数があります。日本から買う場合、日本の証券会社を通して買う場合は金融庁に登録されている海外ETFしか買えないことになっています。全てを買えるわけではありません。
株式や債券と言ったETFはもちろん、原油や金、銀といった商品までカバーしています。たとえば金はかつては地金に投資し、貸金庫などで保管するという形でした。
しかし、今では金ETFであるGLDがあり、流動性も高いです。あるいは、米国不動産のETFであるIYRなどがあります。日本にいながら、米国の不動産に投資することが可能です。
自宅から簡単に多くの種類の、さらに世界中の投資商品が買える、そういう時代になったということです。
これに対し、東証上場のETFも数は増えつつあります。S&P500連動ETFなどメジャーなものは東証でも買えます。しかし、マイナーな商品系のETFなどはまだまだ数も少なく、流動性も乏しいですね。
海外ETFと国内ETFのパフォーマンスの差
特にこの10年の海外ETFの伸びは目覚ましく、資産形成に大きく寄与してきました。特別な知識などが無くても買えるETFは、投資の門戸を大きく広げたと言ってよいでしょう。
このように、右肩上がりの成長を続けてきたのが海外ETFです。日本の代表的な株式指数であるTOPIXや日経平均がなかなか上昇しなかったのに対し、大きなパフォーマンスを上げてきました。
米国の著名な投資家であるバフェット氏が推奨したのも心理的な下支えとなっていますね。投資先進国である米国でも、ETF投資は広く支持されています。
ETFの強みとは
ETFの強みは以下のような3点があります。
- 1本のETFで少額分散投資が可能になる
- 市場動向を見ながら売買ができる
- 経費率が極めて安い
このような特徴があります。
1本のETFで分散投資が可能になる
ETFは、株などの商品の集合体です。株式ETFならば株式の、債券ETFならば債券の集合体になっています。そのため、1本で分散投資が可能です。例えば、海外ETFの代表的なものとしてはバンガードのVTIがあります。
VTIなどは、これ1つ買えば4000銘柄近くの米国株式に分散投資ができることになります。世界で最も運用総額が大きいSPYはS&P500連動ですから、時価総額の大きい米国株500銘柄が一気に買えることになります。
実際に500銘柄を個人で買うにはかなりの資産が必要になります。しかし、ETFならば、少額で分散投資が可能になります。
市場動向を見ながら売買ができる
ETFは投資信託と違い、株式市場の場を見ながら投資をすることができます。株と同じように日中の値動きで価格が上下するようになっています。似た商品である投資信託は1日1回の値決めですから、ここが大きな違いになっています。
うねりをリアルタイムで得たい人はETFが向いています。逆に、機械的に定額定期買い付けで積み立てたい、という人は投資信託のほうが向いています。
経費率が極めて安いことが多い
ETFは経費率が非常に安いです。0.01%の世界でしのぎを削っており、特に有名な株式指数である VTIやVOOなどは0.03%になっています。
競争が激しいため、スケールメリットを生かした戦略を各社取っています。私たち利用者からすると、適正な競争のおかげで安価でプロの運用商品を購入することができるということになります。
ただし、開発途上国のETFなど組成に手間がかかり、競争が働きにくいETFはそれなりの経費率が発生します。とはいえ、経費率1%をこえるETFはほとんどありません。
おすすめのETF銘柄
海外ETFのおすすめ銘柄をピックアップしてみましょう。楽天証券とSBI証券の海外ETF人気ランキングを使って、説明を加えていきます。
楽天証券の海外ETFランキング【2022年7月】
これは2022年7月の楽天証券利用者の保有ランキングです。ブルベア3倍系が1番人気です。これは、短期の値動きを取りに行こうとする投資家が多いことを意味します。長期で持つにはおすすめしません。
このランキングの中で、たぱぞうのおすすめは以下の3つです。
- VTI
- VOO
- QQQ
VTIは米国市場全体の株式4000株から成るETFです。
VOOはS&P500連動ETFです。
QQQはNasdaq100連動です。ややリスクが高いです。サテライトに向いています。
ランク外でも人気のあるものがあります。
まずVTです。分散投資という意味で世界の株式市場に投資するVTは魅力に映るのでしょう。世界分散が好きな人にはVTは人気があります。
高配当系のVYMも根強い人気があります。
iシェアーズ MSCI コクサイ ETF(TOK)がかつてはランクインしていました。しかし、ようやくランク外になりましたね。TOKは日本を除く先進国株式で構成されるものです。アジアでは香港株が入っています。日本ならではのランキングと言えるでしょう。先進国は米国以外どこも低成長にあえいでいますから、当面不要です。
SPDRゴールド・シェア(GLD)および関連した低経費率のGLDMは金地金価格への連動を目指したETFです。有事の金として安定した人気があり、時々ランクインしてきますね。
金投資は根強い人気を得ていますが、リスクヘッジの側面があり、その動向を反映したものと言えます。インカム狙いというよりは、キャピタルゲイン狙いのETFと言えます。
海外ETFを使ったおすすめの投資方法
海外ETFは購入対象の分散投資という意味では非常に優れた商品です。対象セクター、対象国、株式、債券などの金融商品をクリック1つで買える時代になりました。
信託報酬も年々低下傾向にあり、とくに米国市場で売買されるETFは0.05%を切るものが増えてきています。VTIやVOO、IVVといった旗艦クラスのETFは0.03%が目線です。
運用各社は今後もしのぎを削ってくることでしょう。現在、業界大手のブラックロック(iシェアーズ)とバンガードが個人投資家には特に人気になっています。日本からは買いにくいですが、チャールズシュワブ系の低コストETFも注目されています。
個別株投資にリスクを感じる人は、このような海外ETFの購入から検討すると買いやすいでしょう。個別株ほど銘柄が多いわけではなく、倒産や減資の危機が無いからです。人気ランキングがある程度近似するのを見ても、その選択肢の少なさ、シンプルさが実感されます。
投資にリスクはつきものですが、リスクを取らないリスクはかつてないほど増大しています。リスクとリターンのバランスを考えつつ、投資していくことが困難な時代を生き抜く投資術になります。
万人向けの投資方法としては、やはり長期積立でしょう。月額投資額を決めて、淡々とおすすめETFを積み立てていくのが一番安定した投資方法です。これは、つみたてNISAなどでも実践できる、王道の投資方法です。
中上級者は、指数をテクニカルで判断してうねり取りというのもありでしょう。決算など企業固有の事由で上下しないので、やりやすい面があります。私も中期目線でVTIやVOOなどを売買することがあります。
おすすめの証券会社
最後に、これらのETFが購入できるおすすめの証券会社を紹介しておきます。
楽天証券
楽天証券 では楽天VTIを扱っており、iDeCoで買えます。人気ETFの投資信託版ですね。これは楽天証券
だけです。また米国ETFとしても当然買えます。指値の期間が90日あるのも魅力です。
SBI証券
SBI証券ではこれらの米国ETFの定期積立サービスを行っています。米国ETFとして定期積立をしていくならば、SBI証券
は外せない選択となるでしょう。
マネックス証券
業界最長の指値期間90日ができたり、逆指値・時間外取引・株価がリアルタイムである点は米国株取引の強みです。特に、短期売買をするには米国株取引
のリアルタイム株価は必須ですね。個別株取引に特に強いです。
サクソバンク証券
サクソバンク証券の強みは、テクニカル分析のチャートが豊富なことです。売り時、買い時のアラート機能もあり、短期中期売買に強みを持ちます。FXやCFDにも強いサクソバンク証券なので、短期トレーダー向けの機能も充実しています。
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ETFをまとめた過去記事です。ランキングに出てくるETFも紹介しています。よろしかったらあわせてご覧ください。
グロースは今は安いですね。誰もが見向きもしないときに、見向きもしない商品を買う、循環ということですね。
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