たぱぞうの米国株投資

米国株/不動産投資ブログ。某投資顧問のアドバイザ。メディア実績多数。当サイトには広告が含まれます。

対面証券とネット証券の違い、メリットデメリット

対面証券とネット証券の違い、メリットデメリット

 いわゆる野村証券・大和証券・SMBC日興証券・みずほ証券などの対面証券ですが、個人だとなかなかお世話になる機会が無いのではないかと思います。理由は手数料が高くて、ネット証券と比べるとどうしても割高感がぬぐえないからです。

 

 そんな対面証券ですが、ある程度の資産が増えてくるとお付き合いのしかたが変わってきます。では、いくらぐらいから相手にしてもらえるのかといいますと、最低数千万、支店によっては数億という話です。なかなか厳しいラインです。

 

 これに対して、ネット証券は大きな元手は不要です。手数料競争も激しく、常に最安水準はネット証券から出されています。半面、株式の売買は自分で考えて自分で行う必要があります。ある程度のリテラシーを自分で身につけておく必要があります。

対面証券のIPOには一定の強みがある

 数々ある強みの中でも、一番の強みはIPO投資でしょうか。主幹事引き受けをしていると、自社でさばける数も多いです。つまり大口顧客には回してもらえる可能性があります。

 

 ネット証券でIPOを申し込むと、抽選が大変で、滅多に当たらないということになります。これに対して対面証券は担当さんから紹介されるケースがあり、最少単元株数に限らない紹介をしてもらえます。

 

 IPOは需給と思惑だけで値が付きますので、変な銘柄を選ばなければ高確率で勝つことができます。ただ、長期ホールドをするようなものは多くなく、多くは初値あるいはその直後に噴いたところで売るということになります。欲をかくと損をする、そんな傾向にあります。それでも利が乗る確率としては極めて高いので、人気があります。

 

 人によっては、年間で10本前後紹介してもらえるケースがあると言いますから、大きな魅力ですね。

対面証券では融資を引き出せる場合がある

 対面証券では借り入れ、つまり融資が可能なところがあります。比較的低い金利(1.5%程度)で、株式や債券を担保にした借り入れが可能なところです。1.5%ならば、イールドギャップを狙って借りるというのも手かもしれませんね。

 

 たとえば、2%の債券を、1.5%の借り入れて購入するということも可能です。

 

 担保価値がしっかり出れば、金額もそれなりに借りられることになります。使途は自由なので、創業者で自社株式を自由に売買しにくい場合や、厚めに国債などを保持している場合は、これらを担保として借り入れできる可能性があります。

 

 一般的には、ネット証券ほうが馴染みのある時代になりましたが、大口の富裕層などにはまだまだ大きなメリットがあるのが対面証券です。

 

 さて、今回は対面証券の大手某社との付き合い方に関してのご質問です。

大手対面証券のデメリットばかり感じられる

 たぱぞうさん、はじめまして。いつも大変勉強になるブログありがとうございます。親の資産運用についてのご相談があり、メールさせて頂きました。


 親は大手対面証券で資産管理をしています。お尋ねしたい質問は、以下の2つです。

 

  1. 大手対面証券から資金を移動させることが可能なら、どのような運用を勧めるか。
  2. 大手対面証券で運用を続けるなら、どのような運用が勧めるか。です。

 母親の保有商品は、

  • IOT関連のアクティブファンド・アメリカの金融商品(株、債券、不動産)
  • 金を組み合わせたファンド
  • 日本株のアクティブファンド 

 などです。全て、購入手数料3%、信託報酬1.5%だったと思います。私からすると眼を覆いたくなるようなラインナップです。父親の資産はファンドラップに組み込まれているようです。

 

 詳細な内容は不明ですが、母親が実質全て管理しています。両親の属性は以下の通りです。

  • 両親とも仕事をしており、二人ともまだ収入はあります。(事業主なので幸いにして経済的には困っていません)
  • インターネットを安全に使える見込みがない。(PCにウイルス対策ソフトは入れさせていますが、妙な広告をクリックすること?などで、過去何度もウイルス感染や突然のフリーズなどトラブルが絶えません)
  • 私の隣県に住んでおり、月に1回程度は会う、電話は週に何回かする、といった距離感です。

 両親がネット証券で資産運用をするのは無理だと私は判断しており、親もそう言っています。よって、「ネット証券で資産を自己管理する」ということは困難、というのが前提となります。


 担当者が存在すること自体が根本的に問題と考えて、当初は

  • 大手対面証券から撤退
  • 信頼のおける直販の投信から買い付けるという案をすすめようかと思っていました。具体的には、セゾン投信からセゾンバンガードグローバルファンドを購入する、などが候補と考えています。

 しかし、大手証券から資金を移動させるのは、これまで話し合った中で判断するに、そう簡単にはいかない印象です。となると、大手証券に資金をおいたまま、次善の策を探るしかなくなるのですが、その場合は、

  • 現状のファンドは、今のうちに全売却
  • SPDR S&P500 ETF(1557)を買い付けてホールド
  • 担当者の人から勧められても何も買わないという案を考えています。

 高齢の親に対して米国株100%はリスクが大きいとする意見もあろうかと存じますが、良い債券の商品が思いつきませんし、全資産に対するリスク資産に投じる資金割合で調整すれば許されるのではないかと愚考しております。

 

 買い付け方は、30~50%程度を一括、残りを5%ずつ程度毎月購入のような形で分散させたらどうかと思っています。iFreeS&P500インデックスファンドも良い選択肢と思いましたが、崩す過程でどうしても担当者が関与してしまうので、勝手に分配金が出る1557のほうが良いのかなと思いました。

 

 ドル建てのETFも買えるようですが、購入手数料が驚くほど高いので、分割で買うのには適さないと感じました。


 また、親が〇〇証券で、少なくとも私が良いと思っている投資方針とかけ離れた資産運用をしている(させられている)のを、私がどこまで介入すべきか、という問題もあります。

 

 やはり、最終的には、親が自分の意思で決定することが不可欠と思っています。私が強要させて物事が決まるような形はできるだけ避けたいと思っており、はやる気持ちを抑えつつ、時間をかけて話してみようと思っています。


 とはいえ具体的なゴールは予め設定したほうがよいと考え、質問させていただいた次第です。


 ご多忙のところ恐れ入りますが、アドバイスをいただけますと幸いです。これからもブログ楽しみにしております。どうぞよろしくお願いいたします。

お任せになりがちな対面口座の投資戦略

 詳しい商品が分かりませんので、断定的に言うのは憚られます。しかし、こういうご質問はある程度仮定して進めていかないとお答えできません。ですから仮定の上ズバズバとお答えしたいと思います。見込み違いがありましたらご指摘ください。

 

 仮定と方向としてはこのようなことになります。

  • ご両親はパソコンが苦手
  • インカムが潤沢
  • 投資も慣れていないので、積立形式でインデックス投資を行う

 それを踏まえ、このような対応を考えました。

  • 母親名義でネット証券に口座を開き、質問者さんが積立の設定を一緒にする。
  • 大手証券との付き合いをやめる
  • 止められないなら大手証券をオンライン口座にする

 この3つですね。ネット証券ならばどこでもアクセスできますから、質問者様のご自宅で一緒に設定しても良いですし、質問者様がご両親のお宅へ伺って最初の設定だけしても良いですね。

 

 あとは、変な商品を買わせる大手証券との付き合いをやめることですね。何らかの事情で付き合いをやめられないなら、せめて営業さんを代えて欲しいですね。

 

 それも無理ならば、大手証券のオンライン口座登録をして、オンラインベースのお付き合いにすればよいと思います。

 

 ただ、しっかり利益が出ていれば別です。もしインデックス相応、あるいは上回る結果が出ているなら有能な営業さんです。先に述べた、IPOを紹介してくれたり、適切な商品の売買を勧めてくれる営業さんですね。

対面証券の営業は信頼関係が大事

対面証券の営業は信頼関係が大事

 優秀な営業さんとのお付き合いはメリットだらけ、ウィンウィンになる可能性があります。当然ながら、はめこみ営業さんはデメリットしかありません。

 

 そういったことを踏まえ、オンライン化すれば対面証券もメリットはあります。オンライン化によって透明化すれば、変な商品を買わされる心配も無くなります。さらにオンラインならば、ご両親のご自宅から質問者様もご両親と一緒に内容をチェックできますね。

 

 何かご参考になれば幸いです。

 

関連記事です。

 ネット証券大手3社をご紹介しておきます。

  ラインナップの充実さでは他の追随を許さないマネックス証券です。

www.americakabu.com

  楽天証券はiDeCoの銘柄で「ここしかない」銘柄を取り揃えていますね。

www.americakabu.com

  ネット証券業界で圧倒的シェア1位を占めるSBI証券です。カストック、貸株サービスなど先進的な取り組みもあり、投資ブロガーからも広く支持されています。

www.americakabu.com