たぱぞうの米国株投資

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高値圏にある米国株にどのように投資していくのか

連日の米国株高値更新をどう考えるか

 連日米国株が高値更新をしており、大変めでたい状況になっています。弊ブログが4年前にVTIを推奨し始めたころは、90ドル前後だったと記憶しています。今はすでに150ドルを超えており、分配金を含めればそれこそ倍以上になっているのでしょう。

 

 日本株指数や個別株と違い、米国株ETFが優れているのは「買っておけばいつか上がる」という安心感でしょう。

 

 株式投資は元本割れの危険がある、タイミングを見て買うのが良い、そういう概念を崩してくれる存在だったわけです。

 

 株式投資=投機 というイメージを良い意味で壊した商品の代表格と言えるでしょう。

米国株の全ての指標が高値に見える

 半面、以下のような感想を持つ方も多いのではないでしょうか。

 

 米国株が上昇しており、バフェット指数も高く、暴落の噂もあります。

 買い控えや機会損失についての意見が交わされていますが、これについてのたぱぞうさんのご意見を聞かせてもらえればと思います。

 宜しくお願い致します。m(_ _)m

 

 実際に私も30-40の株式をリストアップしていますが、ほとんど全てがオーバーバリューしており、少なくとも割安という視点で買うような場面ではないですね。

 

 しかし、このようなオーバーバリュー状態というのは今に始まったことではありません。VTIも100ドルを超えた時には90ドルが適正であり、買われすぎているということが言われていたのです。

 

 歴史上のフェアバリューとされるレンジで株が買えたのは、リーマンショック以後、特に2011年のギリシアショックぐらいまでです。それ以後は、個人投資家、アナリストの間では大体相場は過熱気味、オーバーバリューの株が殆どであるということが言われてきました。

 

 そういう意味では、「リスクを取らざるリスク」が顕在化していたのがこの10年であったと言えるでしょう。慎重すぎてポジションを取らなければ、全く資産が増えない10年だったということです。

ますます加速するオーバーバリューの波

 1つの分岐点になったのが2018年末の調整相場です。ここで、トランプ大統領とFRBの方向性がすり合わされることになり、本格的に世界同時金融緩和という状況が現出しました。

 

 世界の一部の国を除いて、ほとんどマイナス金利になっています。特にユーロ圏、日本といったところですね。

 

 その後の相場はご存知の通りです。先日シラーPERが30を超えてきたということが話題になっていましたが、歴史的に見てもなかなかの位置です。しかし、米国株のフェアバリューと言われるシラーPER15-20のレンジには、近年はほとんど収まっていないことも確認できるかと思います。

シラーPERは30を超えている

シラーPERは30を超えている

 また、近年においては企業業績がキャッチアップして水準を押し上げるために、株価は上昇し続けるというパターンでした。

年々上昇する米国株のEPS

年々上昇する米国株のEPS

 実に、2011年から見込み2021年までのEPSは2倍にもなります。好調な企業業績だけでなく、旺盛な自社株買いが株式の価値を高めてきました。non-GAAPベースのEPSには賛否ありますが、いずれにしても予測が良いため、足元の数字以上に強気になれるという流れが続いてきたわけです。

定量的な判断から定性的な判断が尊重される相場になりつつある

 いわば、過去の数字を見て、過去の基準に当てはめて買っていくという相場は終わりつつあり、ここからはさらに定性的な判断が大事になってくるのでしょう。

 

 一部の新興株のように明らかな値付け間違いの銘柄はともかくとして、定性的に優れたビジネスモデルを持つ、なんらかのイノベーションの可能性のある株を物色していくという流れになりそうです。

 

 非常に簡単に言ってしまうと「ゆるぎないビジネスモデルを持つ株」ということです。ビジネスモデルが優れていれば、今ある定量的な数字はことごとく更新されるのです。

 

 逆に言うと、数字をみて割安という株だけを見ていると、米国のイノベーションの恩恵に浴することは難しいでしょう。買いたい株、欲しい株は買い場を与えてくれない、そういう相場になっているのです。

自分の投資のフェーズはどこにあるのか。

 しかし、やみくもに全力投資をおススメするわけではありません。数字的に大調整をするようなエビデンスはあまり見当たりませんが、いつも暴落は突然にやってくるのです。

 

 格好の買い場が来た時に、身動きが取れなくなるような投資をするのは好ましくないのです。特に資金の大きな投資家は、もはやそのようなリスクを取りに行くフェーズではないでしょう。

 

 資金が小さく、リスクを積極的に取らなくてはいけない投資家は悩ましいところです。昔の私ならば、積極的にリスクを取りに行ったと思いますが、自分にとっての十分なリターンが幾らなのか、そのために投資しなくてはいけない金額は幾らか、総資産のうちどれぐらいバッファを持っておくのか。そのような視点は持っておいたほうが良さそうです。

 

 S&P500は2019年は2800-3000のレンジで動いていました。気が付けば、3000-3200のレンジへと移行しており、レジスタンスはそれなりに強固なサポートラインへと変化しています。

 

 いずれにしても、リスクリターンを考えると難しい局面になってきました。

 

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