資産運用で1億円を作るのにかかる時間
年月をかけ、できることを積み上げていけば、それなりの資産形成をすることができます。
これがどれぐらいのスピード感になるのか、図で示したいと思います。金融庁がシミュレーターを提供してくれていますので、それをもとに示します。米国株式指数の平均成長率である6.8%を使ってみましょう。
35歳から30年資産運用で積み立てた場合
おおよそ月に9万円の積み立てで1億円に到達します。30年かかるということですね。
これが、月に20万円ならば20年で1億円に到達します。
月に60万円ならば10年で1億円に到達します。
実際には税金が引かれますので、もっと時間と金額がかかるでしょう。しかし、大体の積立額の目安にはなりますね。
もっとも、リーマンショックやコロナショックのようなリセッションで適切な行動が取れれば、資産運用は加速します。実際にこのところ、ベテラン投資家や入金力やタイミングに優れた投資家が続々とセミリタイアしています。
これは、過去10年のS&P500の平均利回りが10%を超えていたことと無縁ではありません。利回り10%が10年続くと、配当込みで資産額は4倍にもなるのです。ただし、このペースが続くのはやや厳しいでしょう。私は今後10年は4.5%程度とやや悲観的に見ています。
ちなみに、さらにコンサバに4%と見積もると以下のようになります。
月々いくらの資産運用、積み立てで1億円になるのか
年率4%で運用した場合の入金額は以下の通りです。
- 10年=月々70万円
- 20年=月々28万円
- 30年=月々15万円
これが目安になります。簡単ではないですが、節制して時間を十分に取れば1億円は達成不可能な数字ではないですね。今の若い人の中には共働きをしたり、副業をしたりして、収入の最大化を図っている人がいますね。
そういう人は金融リテラシーも高く、支出も絞っているケースが多いです。そう考えると意外に早く達成するのではないかと思います。さて、こうした数字を踏まえつつご質問を紹介します。
65歳までに世帯で1億円の資産を作りたい、ということですね。
30歳半ばで資産運用を始め、65歳までに1億円の資産を作りたい
たぱぞう様
初めまして。Wと申します。ブログをいつも興味深く拝見しております。
数か月前に楽天証券の口座を開設し、つみたてNISAとiDeCoを夫婦で始めたばかりの投資初心者です。「お気軽にご利用ください」を真に受け、いくつかご教示いただきたい事があり、連絡させていただきました。
36才、共働きで、持ち家(ローン完済)です。世帯年収は1100万です。子供は居りませんので、教育資金は不要です。住宅ローンの繰り上げ返済を行ったため、恥ずかしながら生活防衛資金を除くと資産と呼べるものはほとんどありません。
しかし、つみたてNISAとiDeCoに加え、ETFを定期的に購入し続け、65才の時点で夫婦で1億の資産形成を目指しております。これから長く続くであろう投資生活を楽しむことを第一に、多少のロスはあまり気にせずに楽にいこうという考えです。
米国集中投資がしたい私と、世界分散がしたい妻とで意見が平行線となり、「では勝負だ!!」と言うことで、つみたてNISAとiDeCo+αは以下の様になりました。60才になった時点で評価額の高い方が、老後のポートフォリオの株式部分の決定権を得・・・という勝負です(笑)
<私>
- つみたてNISA:eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) \33,333/月
- iDeCo:楽天VTI \23,000/月
- 投資信託:eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) \16,667/月
- ※楽天カードの使用可能枠を全て埋めるため
<妻>
- つみたてNISA:eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本) \33,333/月
- iDeCo:楽天VT \23,000/月
- 投資信託:eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本) \16,667/月
- ※楽天カードの使用可能枠を全て埋めるため
加えて、VTI(またはVYM)を100万/年、VTを100万円/年購入していく予定です。夫婦で350万/年程度を投資に回していく計算です。余剰資金はまだありますが、キャッシュで保持しようと思っています。
以下の様な計画を立てています。目標額を達成する見込みが60才前に立った場合はリタイヤを早めるつもりです。
<36~60才>
上記を愚直に続ける。
暴落時には、ETFの買い増しを行う。
<61~65才>
60で退職。5年かけて投信を債券ETFに変えつつ、退職金も適宜投入し、株式ETF3割・債券ETF7割のポートフォリオを完成させる。
私が勝負に勝った場合:VTI(またはVYM)とBND
妻が勝負に勝った場合:VTとBND(またはBND+BNDX)
<66才~>
年金とインカムで生活。
株式部分から取り崩し、徐々に債券比率を高めていく。
- 上記計画に、致命的な穴はないでしょうか?※投資生活を楽しむ事が第一なので、多少のロスは気にしません
- VTIとVYMではどちらが計画に適しているでしょうか?
- 上記の投資を行っても、年間の余剰資金は100万円以上ある計算なのですが、キャッシュで保持して暴落に備えるのが適しているでしょうか?老後のポートフォリオにBNDを組み込む予定ですし、インカムを狙ってBNDを買っておいた方が良いのか悩んでおります。
- 定年後の株式と債券の比率は何がベストとお考えですか?
もしよろしければご回答いただければ幸いです。
20年の資産運用で1億円になるペースですね。
つみたてNISAとiDeCo、非課税枠をフルに使いつつ、年間350万円を投資に振り向けていくということですね。まず、間違いなく1億円は65歳時点で達成されています。私はあまり断言をしませんが、このご相談に関しては珍しく断言します。
投資をしなくても30年で1億500万円になるからですね。
おおよそ月々30万円を世帯で投資できます。そうすると、年利3%で運用したとしても20年少々で1億円が達成されることになります。入金投資法が最強たるゆえんですね。
VTIとVYMでしたら、私はVTIで良いと考えます。30年あるわけですから、30年後には今買ったVTIも高利回り化していると思われます。分配金は漸増を続けると考えられるからです。
奥さんとの違いも面白いですね。私はご主人のほうが良い成績を収めると思いますが、分散というのは心理的に落ち着くところもあります。つまり、それはそれでよいということですね。
いずれにしても、30年と決めているわけですから、目先の上下に惑わされず淡々と積み立てることです。キャッシュでも達成されるというのは気持ちの面で楽ですね。
余裕と資金がありますので、BNDは組み込んでも良いでしょう。キャッシュでコントロールしていく手もありますね。私は30代、40代であれば、3:7=現金・債券:株式という比率を推奨しています。
また、リスクは低減しますが、債券を入れるとパフォーマンスもやや下がるということは申し添えておきますね。ご質問ありがとうございました。
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エッジを効かせて個別株という人もいますね。
一方で配当金に寄せた投資をする人もいます。
人口問題は喫緊の課題ですが、結局なにも変わらず来ていますね。