たぱぞうの米国株投資

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学資保険は返戻率など最低限の比較をして選びたい

学資保険の返戻率と強制貯蓄効果をどう考えるか

 日本人の保険好きはよく知られています。これは、もともと安全志向なのに加え、金利が低くて他に魅力的な金融商品があまりないことが理由にあります。しかし、この10年で日本の投資環境も大きく変わりました。

 

 海外投資をする素地が整い、自宅で簡単にネットを通して良い海外ETFなどが買えるようになったのです。今や保険はそうした他に魅力ある、リターンの見込まれる商品との比較で買われるようになった時代だということです。

学資保険が魅力なのは、教育費が高いから

学資保険が魅力なのは、教育費が高いから

 逆に言うと、資産運用としての保険は役割を終えたと言ってよいでしょう。そういう意味では、保険本来の生活防衛的な役割が期待されているとも言えます。掛け捨てのこくみん共済などが支持をうけているのはそういうことです。

 

 ただし、掛け捨ては当たり前ですが貯蓄性は全くありません。もし、あればあるだけ使ってしまうという人ならば、おすすめはしませんが、天引きで強制的に貯蓄されるタイプの保険は「強制貯蓄効果」が期待されるでしょう。

 

 自分で運用して将来的な資産運用か可能な人ならば掛け捨てです。自分で計画的に資産形成するのが不可能ならば、貯蓄性ある保険や天引きの積立タイプの投信などは多少の意味を持つということです。

学資保険の返戻率が低いので、解約か投資か迷います

たぱぞう様

 はじめまして。
 1年まえから米国株・ETFを買い始めました。
 数ヶ月前にたぱぞう様のブログを知り,日々勉強させていただいています。

 

 現在米国個別株200万円分,米国ETF120万円分を保持し,年間120万円ほどを米国投資していけたらと思っています.


 質問なんですが,4年前に子供ができたときに懇意にしている保険販売員に相談し,子供の将来(とくに大学)学資目的に生命保険に入りました(子供3人が目標なので多めにしちゃっています(;^ω^)).

 

具体的には

  1. S生命 米ドル建終身保険 月1000ドル 10年払い
  2. A生命 低解約返戻金型終身保険 月10万円 15年払い

 

 どちらも早期に解約すると払込金の60-70%しか戻ってこないですが,払い込み期間終了後は解約すると100%以上になる設計になっており,予定どおり約20年後に解約すると,110-115%ほどの解約返戻金になります。

 

 以前にたぱぞう様のブログに,「保険は基本的には貯金には適さない」と記載があったと思うのですが,以下の利点も考えられます.

 

利点

  • 契約中は生命保険として使える(死亡保障がついている)
  • 早期に解約しないかぎり,返戻金100%以上が確定する
  • 銀行預金するよりは利率が良い.


 最近は様々なブログを拝見しているうちに,さらに米国株・ETFへの投資量を増やしたくなってきました。


 保険のどちらかを払い込み中止にして月10万円を投資に回そうとも思ったのですが,上記利点もあり,また,子供の資金が必要になったときが,たまたまリーマンショックみたいに資金が落ち込んでいるときであれば,米国株・ETFよりは保険の方が確実かなとかんがえて迷っています.

 

 たぱぞう様ならどうお考えですか.お時間有るようでしたらお答え頂けたらと存じます.どうか宜しくお願い申し上げます.

学資保険は、返戻率など最低限の比較をしたい

 学資保険の返戻金がおよそ20年で115%ということは、年率の利回りにすると0.75%です。運用面で見ると年率0.75%というのはちょっと低すぎますね。しかし、株式投資のように必要な時に暴落していて結局運用損だった、というようなことはありません。

 

 基本的には米国の通常のインフレ率以下、つまり年率2%を切るような金融商品はどうかと思います。そうすると、返戻率は20年で140%は欲しいところです。しかし、海外にはありますが日本で返戻率140%の学資保険はありません。

 

 この学資目的の保険だと、月々約20万円、ドル円相場にもよりますが1年にすると約250万円の保険料払い込みがあります。10年で2500万円です。これだけの資金を0.75%で回すというのはもったいないかな、というのが率直な意見です。

 

 進学にかかる費用が高校から大学卒業まで、私立で1000万円と言われています。学資保険ですべてをまかなうことは考えにくいですから、私なら学資保険にかける額は少なくします。

 

 ざっくりですが、月に1万程度で18歳時に200万円の返戻金という学資保険があるとします。それならば、せいぜい子ども一人あたり2万円ほど積立をすれば十分ではないでしょうか。しかし、これも商品としては低返戻率です。

 

 私ならば月1万、あるいは学資保険はやめます。自分で運用したほうが、学費相当分を得られるからです。ただ、強制貯蓄効果はありますので、それを期待するならば下記のようなサイトで比較をし、納得のいく商品を積み立てていくという選択になります。

 

 SBIグループが学資保険の一括請求サイトを運営しています。今は保険もだいたいこのような比較サイトがありますから、活用すると良いでしょう。

 確率としては非常に低いですが、交通事故や病気の可能性も無くはありませんから、すべての学資保険を切ってしまうというのは抵抗があるかもしれません。ならば、少額最低限残そうという考えです。住宅ローンもそうですが、保険もこの手の比較サイトでの比較検討が必須です。

 

 また、ご両親に何かあったら、という視点もあると思います。それは分けて考えて、掛け捨てで医療保険をかけてカバーします。資産が少ないならば、カバーしきれず不安も残りますが、質問者様は資金が豊富なので資産運用で十分カバーできると思われます。

 

 保険商品というのは資産形成には向きません。保険はあくまで生活防衛のための機能に特化して活用するのが基本になります。

 

 ただ、米国株は当然ながら値動きがあります。あくまでドルコスト的に時間を分散させて買い付けていくのが良いでしょう。

 

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