マネックス証券を徹底取材してきました
米国株の個別株取り扱い数が3大ネット証券でトップのマネックス証券を取材してきました。マネックス証券は、証券手数料自由化直後に松本大氏によって立ち上げられた会社です。
上場も比較的早い時期に果たしています。 上場以後、アメリカで個人投資家が投資するようなレベルでのサービスを日本に持ってきたのがマネックス証券であると言ってよいでしょう。
充実したトレーディングツールや、リアルタイム株価、テクニカル指標の実装の多さなどにその特徴をみることができます。インターネット証券として初めて貸株やIPOなどの取扱を始めたのもマネックス証券さんでしたね。
また、マネックス証券さんは、2012年後半から米国株に力を入れてきた歴史があります。当初は手数料が安いため、なかなか収益に結びつかないというジレンマがあったそうですね。しかし、米国株投資が一般化し、ようやく実を結びつつあるということです。
今回はマネックス証券さんの企画広報部長さんである福島理さんとマーケティング部の西尾さんからお答えをいただきました。
マネックス証券の米国株銘柄選定方法は?
かつて取扱銘柄を大きく拡大した際には、ダウ、S&P、ラッセルなどの主要指数の対象銘柄となっている銘柄を中心に選定いたしました。
現在も積極的に取扱いを行っていますが、IPOの規模の大きな銘柄や、小さな企業でもお客様からの要望がある銘柄を中心に、随時検討、追加しています。
ただし、株価が著しく低く、上場廃止の恐れのある銘柄は、お客様にとってもリスクが高いので取扱いを避けることが多いです。新しい企業、イノベーションを感じさせる企業は我々も随時情報収集を行い、積極的に取り入れています。
また、米国市場には多くのETFが上場しており、それらの銘柄への追加要望もいただくのですが、海外ETFは運用会社から金融庁への届け出がないと国内証券会社は取り扱いができないことになっていますので、ご要望が多くても取り扱いができない場合が多いです。
マネックス証券は、なぜ早くから米国株取引に取り組めたのでしょうか?
大きく2つあります。
1つ目は、米国市場の成長が大きいということ。我々としてはお客様に資産を増やしていただくためにプラットフォームを提供しているわけですが、前提で見ると日本市場よりもこれまで成長性が高く、かつ今後も成長性が高いと考えられるのが米国市場だと考えています。
2つ目は、米国現地のオンライン証券会社をグループ会社に持っていることです。2011年に米TradeStationがグループ会社となりましたが、TradeStationは、米国でも特に取引ツール面において評価の高いオンライン証券です。彼らの最先端のテクノロジーを生かすことで、これまで以上にお客様にとって使いやすい米国取引サービスを提供できるようになりました。
米国株、中国株以外に新たな株式市場への参入は考えていますか。
基本的には、米国株、中国株、日本株で世界の時価総額の多くをカバーしていますし、他の株式市場の株を取扱いたいというお声はそこまで大きくはありません。
ただ、特にアジアの新興市場においては将来的な成長を含め、お客様の潜在的な期待が高いと思いますので、現在具体的な話はないですが、検討する可能性はあります。
90日指値はどのような使い方が有効ですか?
損切り注文(逆指値注文)を入れて置くことです。米国株はどうしても日本時間の夜の時間帯で相場が動きます。当然、我々が眠っている時間なので、相場を四六時中見ているわけにはいきません。そんな中では、保有している株価が急変するケースも少なくありません。
ましてや、米国株にはストップ高・ストップ安がありませんので、1日でどこまででも株価が変動する可能性があります。そんな時に活用できるのが逆指値注文を使った、損切り予約注文です。
ある一定の株価に達した際に、成行注文するまたはいくらで指値注文するといった予約をしておけば、夜の取引でも安心して眠りにつくことができます。
そして90日間、注文を入れておくことができるので、何度も注文を入れ直す手間がかかりません。長期の注文はやはり、損切り注文を入れておけることが強みでしょう。
マネックス証券ならではの強みのあるサービスはどういうところですか。
様々なツールや情報提供サービスが強みです。
銘柄スカウター(日本株)
投資判断に必要な銘柄分析やその分析の手助けをする分析ツールです。過去10年以上の業績、四半期ごとの業績、過去の配当利回り、PBR、PER推移、セグメント業績、業績修正の銘柄ピックアップなど無料でここまでご覧いただけるツールは他にありません。
JPモルガンレポート
(残高保有者などに限定)世界的知名度のある証券会社の個別株レポートをご覧いただけます。
充実したオンラインセミナー
積極的にオンラインで情報を発信しています。
今知りたいタイムリーな知識欲に応えられるよう、確定申告を意識する時期には会計士の足立武志先生による税金に関するセミナー、相場の急変時には当社アナリスト広木隆による相場解説などを配信しています。
IPOが完全な平等抽選
投資家の方に人気のある日本株IPOの抽選は完全に平等です。どなたでも抽選に当選する確率は同じです。
米国で高評価!次世代日本株取引ツール、トレードステーション
日本株のアクティブなトレーダー向けの取引ツールです。プロ顔負けの高機能を揃えた取引ツールを利用料無料でご利用いただけます。
Monexラボツール
最先端の金融理論に基づいた分析やアドバイスを受けることができます。
このほかにも、以下のサービスがあります。
- Monex View β →過去の残高の資産推移
- Monex Vision β →保有資産の分析や将来リターン予測
- マネックスアドバイザー →世界中の資産に分散できるアドバイス型ロボアド
- 俺の投資力診断 → 国内株式のパフォーマンス分析ツール
このようなサービスがご利用いただけるようになっています。
100円積み立てのメリットはどのようなところですか。
100円積み立てのメリットは主に2点です。
- 少額で気軽につみたて投資を始められる
- 分散投資ができる
この分散投資には、月に複数回買付をすることができるという投資タイミングの分散と、多数の投資信託に投資ができる投資対象の分散があります。
いずれも100円という少額からの投資ができるからこそだれでもが享受できるメリットになると思います。自動つみたてにすることで「長期」「分散」という投資初心者に実践していただきたい投資の王道をシンプルに可能にしています。
マネックスポイントはどのような使われ方をしていますか。
- 当社の株式手数料に充当する
- 提携先のポイントに交換する。2019年6月現在ポイント交換の提携先は8社。
- 書籍やオリジナルグッズに交換する。
いずれかを自由に選択していただいています。
特に2は災害発生時は災害支援活動に速やかに寄付できるようにポイント交換の専用受付を行っています。これまでも、災害発生時には多くのお客様からポイントによる支援金をいただきました。
また、提携先に当社グループ会社のひとつコインチェック社を加え、仮想通貨3種(ビットコイン、リップル、イーサリアム)との交換が可能となりました。
これを記念して2019年7月31日まで「ポイントを仮想通貨に交換!メアド登録で200Pプレゼント」キャンペーンを実施しています。
なお、これから口座を開設される方には「新規口座開設 マネックスポイントプレゼントキャンペーン」がありますので是非詳細をご覧ください。
新規に口座を開設される方には、ポイントのキャンペーンだけではなく「新規口座開設 ゼロ円投資デビュー」という専用プログラムをご用意しています。
証券総合取引口座を新たに開設いただいた方に、お申込日の翌月末までの日本株の現物株式買付手数料および投資信託買付時の申込手数料を全額キャッシュバック(消費税含む)するというものです。
マネックス証券のWEBサイトから口座開設の申込をする際にキャンペーンコードの入力をするだけですので、こちらも是非ご利用いただきたいです。キャンペーンコードは当社のWEBサイトで確認いただけます。「新規口座開設 ゼロ円投資デビュー」の詳細をご覧ください。
今後の仮想通貨業界について、コインチェックとのシナジーは??
マネックス証券のお客様の中には仮想通貨に興味はあるけれど、まだ挑戦していない、という方もいらっしゃると思いますし、逆にコインチェックのお客様の中には仮想通貨は保有しているが、一般的な金融商品への投資は未経験という方がいらっしゃると思います。
感度が高く、世の中の流れにきちんと関心を持っておられるという点で双方のお客様には共通点があるのではないかと考えています。
これらのお客様の期待に応える情報・サービスの提供をしていくことで当社の未来のサービス展開につながる発想を得ていくことを狙っています。
あらたなテクノロジー、イノベーションが今後誕生していく中で双方のお客様の声をサービスに変えていくことができれば当社にとって大きな強みになると考えています。
マネックス証券の投資家セミナー、金融教育は?
マネックス証券は、お客様への投資家啓蒙、教育などに力をいれてきました。
例えば、オンラインセミナーは年間約200本やってきています。もちろん、米国株セミナーもやっています。
オンラインセミナーは1回につき1000人以上のご視聴があります。過去はラリー・ウィリアムズ氏、ボリンジャー氏のセミナーをやったり、メジャーな投資家を呼んでセミナーをしてきました。
これらとは別に、当社にはマネックスユニバーシティという部門を持ち、投資啓蒙活動をしています。超初心者さんも対象としており、投資の始め方や資産形成の入門的なことなども盛り込んでオンライン、オフラインでセミナーを実施しています。
投資一辺倒のお決まりのセミナーではなく、多彩なゲストをお招きしています。去年は林修氏にお願いしました。今年の8月3日には将棋の羽生さんにご登壇いただきます。
先を読む話、考え方を資産運用に活かしていくということですね。
投資に役立つ考えを引き出すセミナーになっています。口座をお持ちの方限定のセミナーもありますが、まだ当社に口座をお持ちでない方も参加できるセミナーを多数用意しています。
加えて、2018年10月からオウンドメディア「マネクリ」を立ち上げました。最新のマーケット情報から投資入門者向けのコンテンツまで、多数の投資情報コンテンツを集約して掲載しています。スマートフォンでの視聴にも配慮しており、日次更新でどなたでも「投資に効く」情報をご覧いただけるようにしました。
アメリカは小中高大で金融ファイナンスを勉強させる仕組みになっています。だから社会人になっても投資をしやすい素地があります。その親もしていますからね。
それに対して、日本は全然投資教育をしていないですね。場合によっては「株なんて・・」というイメージもあります。世の中の大人で1割ぐらいしかしていないのではないでしょうか。若い層も含めて伝えていきたいと思っています。
2010年以来、米国株を随分押してきました。その頃に始めた方は非常に利益が出ています。本当にやってよかったと思います。
マネックス証券が考える米国株
米国株は、キャピタルもインカムも安定的に享受できるところが魅力ですね。
大企業でもしっかり成長しています。日本みたいな安定雇用のところで働きながら、競争の激しい米国企業に投資するのは良いポジションかもしれません(笑)
また、米国株は、入場(上場)・退場がはっきりしていて良いですね。マネックス証券の取り扱い銘柄はおよそ3,300銘柄ありますが、今もどんどん入れています。もちろん、潰れていく銘柄もあります。
単純に多いだけでなく、市場原理がちゃんと働いていますね。例えば、S&P500も毎年20社、30社入れ替わっています。おおよそ全体の5%ですね。日経平均は入れ替わっても数社。1%、2%ですから、新陳代謝の度合いがが違います。
また、米国企業は買収もよくされます。例えば、フォックス、セルジーン、タイム・ワーナー。これらの大企業が買収されるダイナミックさ。企業経営者としてうかうかできないですよね。高配当にしたり、ROEを高めたりという経営になります。
アクティビストのように、経営を監視する存在も大きいと思いますよ。
マネックス証券に関するQ&A
以下は、事前に頂いていた質問集です。
ドリップサービスの導入は?
どうしても単元未満になるので難しいです。米国では発行体がDRIPを行うケースと証券会社が行うケースがあります。コストが相当かかるのが課題ですね。
証券口座の資金を外貨でそのまま引き出せるサービスは実現する?
引き出す方は、まだ検討していません。ただ、米ドルのまま入金できるサービスは2019年6月中旬よりサービス開始しました。(ただし、最低入金額に条件あり)。
S&P500の等均等ETFでグッゲンハイムのRSPなどは買えるようになりますか?
金融庁に届け出がされていないと取扱いができないので、そこがETFは難しいです。
スマホアプリで米国株売買もできますか?
マネックス証券では可能です。トレードステーションですね。ちなみに、リアルタイムで株価が無料で見られるのはマネックスだけです。リアルタイムチャートとリアル株価に強みがあります。
ちなみに、板情報は月540円で見られるようになります。
プレマーケットなどの時間外取引にも対応しています。 おかげさまで、アップルストアによるアプリ評価も高いです。
マネックス証券、徹底取材のまとめ
マネックス証券さんの強みは、ツールとサービスが充実していることですね。リアルタイムチャートや板情報、スマホアプリでの米国株売買などはマネックス証券さんでしか利用できないものです。
個別株取引が多い人には特におすすめの証券会社ということになりますね。
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