たぱぞうの米国株投資

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老後を見据えたアラフィフ4000万円からの投資術

老後を見据えたアラフィフ4000万円の投資術

 今回は53歳で4000万円、どのように運用すべきかということでご質問を頂いています。珍しく、前置き無しでご質問を紹介したいと思います。

 

 いつも興味深く読ませていただいております。


 53歳の独身の公立学校教員です。60歳以後は年金のもらえる65歳まで給料半額で働けるのですが、ストレスが多く60歳でやめたいと思っています。定年まで使う予定のないお金が4000万ほどあります。


 定年後の生活に不安を抱き、最近、右肩上がりだった建設株を買ったらいきなり下げて日本の個別株の難しさを痛感しているところです。米国ETFに興味を持ち、購入を検討しています。たぱぞうさんなら、年間どのくらいの金額を、どのように、何に投資されますか?

どのように老後の人生を思い描き、投資をするのか

 結論から言いますと、私だったらストレスを感じたら60歳と言わずスパッとやめてしまいますね。無理をしないというのは私の人生において最も大事にしていることです。ただし、お金がないならば別です。でも、今回のケースではギリギリありますので、そういう結論も可能です。

 

 「おいおい、無責任なこというなよ」

 

 と思われるかもしれませんが、独身というのは強いです。自分の生活費ぶんの収入さえあれば何とかなるからです。ただ、属性が良いので、できれば収益を生み出すようなものに与信を使ってから辞めたいところです。

 

 もっとも投資歴が無いということならば無理して投資をすることはないでしょう。55歳以上の公務員によくある、早期退職制度を使って退職金を上乗せすれば、6000万円近くまで資産を伸ばせるのではないでしょうか。

 

 私は退職金はコツコツ頑張ってきた人生に対する最後で最大のご褒美だと思っています。

 

 そのうえで、生活コストを削りつつインカム、つまり収入を作り出すことを考えます。いくつか考えられるパターンとしては、

  • 嘱託で再就職し、ストレスの少ない働き方に切り替える
  • マレーシアやタイなどにリタイヤメントビザを取って移住する
  • 専門性を生かしたボランティアに応募し、海外で生活する
  • 同じく専門性を生かして海外の日本人学校で就職する
  • 数千万を頭金にして与信で不動産か太陽光を買う

 などなど今までがんばって働いてきたがゆえの自由な生活がすぐに手に入ろうとしています。仕事が嫌いなわけではなく、ストレスが問題なわけです。仕事が嫌いならば53歳まで仕事はできません。

 

 それならば収入のあり方をちょこっと変えるだけで自由なストレスが少ない生活が実現します。頑張ってきた人だけが手に入れられる、人生の自由を今こそ謳歌したらよいと私だったら思うのです。

 

 今の学校の先生は大変なストレスの中で仕事をされています。保護者からの突き上げ、子どもからの突き上げ、合う合わないも強烈にある世界です。せっかく53歳まで勤め上げたわけですから、そのご褒美として残りの人生を楽しみたいですよね。

 

 やめることを考えて仕事をするより、やれることを考えて新しい人生を築いたほうが良いと思うのです。ただ、いざやめようと思うと逆にのびのびやれて、ストレスが軽くなり、今の仕事への未練のようなものも出てくるかもしれませんけどね。

老後を見据えた4000万円の運用はこうする

 書きたいことを書きましたが、質問者様の前提である60歳で定年退職、そこまで働くということで考えてみたいと思います。

老後を見据えたアラフィフ投資術

 まず、イデコはやりません。残年数が少ないからです。また、退職金もしっかり出るお仕事ですので、退職控除枠を無理して使う必要もありません。さしあたって、つみたてNISAを今の給与分からされてみると良いと思います。

 

 残金の4000万円ですが、これは年間500万円程度かけて、ちゃんと配当の出る商品を買っていくのが良いと思います。具体的にはVYMなどになるでしょう。ただ、VYMは米ドルで配当が出ます。外国税額控除の手間は考えに入れておきたいですね。

 

 VYMが買えるならば、トッピングしてVTかVTI、あるいはBND・BNDXということになります。VTは全世界対象のETF、VTIは全米対象、BNDは米国債、BNDXは全世界対象の国債ですね。

 

 元本を減らすことが心理的に抵抗がある方が多いですが、配当が十分出れば、元本は極力減らさずに済みます。

 

 日本円で運用するならば、やはり投資信託かあるいは1557を買い付けるという選択になります。私は少しでも信託報酬を減らしたいので1557を買います。ただ、この場合は分配金、つまり配当がVYMほどは出ません。2%切るぐらいですね。

 

 そういうことで私ならば、つみたてNISAで相場を見つつ、VYMとBNDを買い進め、転職も含めた海外暮らしを視野に入れた生活をします。

 

 ただ、今後投資信託の二重課税問題が法改正で解決すれば結論も多少変わることが予想されます。今の時点でのお答えということですね。

 

 ついつい自分に置き換えて考えましたが、僭越なところがあったかもしれません。

 もしお気に障ったらすみません。

 

関連記事です。

  50歳以後はこのVYMのような配当がしっかり出る、しかも値上がり益も多少見込める、こういう商品を徐々に増やしていきたいと思っています。老後の年金代りになるからです。

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  PFFも比較的安定高配当ですが、金融危機時のボラティリティが若干不安なのと、信託報酬がわりと高めですね。ただ、サテライト的に活用すると、ポートフォリオ全体の利回りはグッと向上します。

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  こちらもちょっと似ているご質問ですね。

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