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ウェルズファーゴ【WFC】は米国4大銀行の一角、バフェット金融銘柄

ウェルズファーゴ【WFC】は米国4大銀行の一角

 ウェルズファーゴはアメリカ西部を中心に展開する銀行です。4大銀行(JPモルガン・チェース、バンク・オブ・アメリカ、シティグループ、ウェルズ・ファーゴ)の中でも特に優良資産tier1の比率が高いことで知られてきました。 

 

 ウェルズファーゴの歴史は古く、1852年にさかのぼります。ヘンリー・ウェルズ氏とウィリアム・ファーゴ氏の2人によって始められました。ちなみにこの2人はのちにアメリカンエクスプレス【AXP】も創始しています。

 

 ウェルズファーゴが西部地盤なのは、1848年におこったカリフォルニアでのゴールドラッシュが関係します。そこでの郵便業務や金塊輸送業務を祖業とするからです。それから貴重品の輸送、金銭の送金業務と手を広げ、銀行業務を本業とするに至ります。

 

 業務の殆どをアメリカ国内に依存しており、アメリカ国内では住宅ローン、自動車ローン、中小企業融資でシェア1位になっています。このことからわかるように、ウェルズファーゴは商業銀行業務がベースにあります。

 

 投資銀行のように派手にレバレッジを効かせた取引で利益を上げるのではなく、潤沢な預金をもとに貸付業務で利益を上げる構造だったために、リーマンショックでも他行に比べたら被害は最小限で食い止められました。

 

 景気動向を受けやすい金融株の1つですが、バフェット氏が最も力を注いでいる投資先ですので心理的な支えは無視できないものがあります。そのため、個人投資家にも非常に人気があります。

ウェルズファーゴ【WFC】の配当とチャート 

ウェルズファーゴ【WFC】の株価チャートと配当

ウェルズファーゴ【WFC】の株価チャートと配当
  • 2006年8月 株価35ドル 配当0.28ドル
  • 2016年5月 株価45ドル 配当0.38ドル
  • 2017年11月株価60ドル 配当0.39ドル
  • 2020年7月 株価24ドル 配当0.10ドル

 

 リーマンショックのために2009年に株価が12ドルまで落ち、大きな谷を作っています。また、そのとき配当は0.05ドルまで減配しています。2017年には株価は60ドルまで伸びましたが、その後の不祥事、コロナショックで20ドル台前半まで下げました。

 

 配当は大減配、0.51ドルから0.10ドルになります。バフェット銘柄の一角として存在感を示したころと比べると、大きな落差です。JPMの決算、株価が堅調なのに比べるとやや寂しいですね。 

ウェルズファーゴ【WFC】の基礎データ

 続いてウェルズファーゴの基礎データです。

  • ティッカー:WFC
  • 本社:カリフォルニア州サンフランシスコ
  • 上場:ニューヨーク証券取引所(NYSE) 

ウェルズファーゴ【WFC】の売り上げと利益

ウェルズファーゴ【WFC】の売り上げと利益

ウェルズファーゴ【WFC】の売り上げと利益

 2010年のワコビア救済、買収が効いています。売り上げは実に倍になりました。その後、営業利益にも順調に反映され、効率の良い短期での規模の拡大となりました。もともとカリフォルニアの大手地銀のような存在でしたが、堅実さと高い収益性が有力銀行への脱皮を促しました。

 

 しかし、2016年には無理なクレジットのノルマ販売に端を発した、顧客の同意を得ない不正口座作成という不祥事がありました。それを受けて、株価は乱高下しました。

 

 不祥事からの病み上がり、そこへコロナショックで追い打ちというところで、良く下げています。現在の株価に割高感はありませんが、どこまでリセッションを織り込んでいるかというところで今後も評価は変わります。

ウェルズファーゴ【WFC】の配当と配当性向

ウェルズファーゴ【WFC】の配当と配当性向

ウェルズファーゴ【WFC】の配当と配当性向

 リーマンショック後、急激な減配が2年続きましたが、その後すぐに回復しています。2015年にはリーマン前の水準まで戻っています。以前は、配当性向は低めでしたが、増配とともに上昇を続けています。

 

 安定的な連続増配銘柄でも50%以上である企業が殆どですが、ウェルズファーゴはリーマン時のごたごたを除けばそれでも殆ど50%以下でした。これは、欧米系の高配当銀行株と比べるとさらに際立つ低さです。

 

 しかし、今回の決算での8割減配は1つの負の歴史になってしまいましたね。高配当系はシクリカルな銘柄が多いため、決算上から減配を探るのはそれなりの経験と決断が必要になります。

ウェルズファーゴ【WFC】のBPSとEPS

ウェルズファーゴ【WFC】のBPSとEPS

ウェルズファーゴ【WFC】のBPSとEPS

 一株資本であるBPSはこれまでのところ順調な右肩上がりでした。また、リーマンショック時でもEPSがマイナスに転じていないのは、金融系の企業としては奇跡的だったと言ってよいでしょう。

 

 直近の2020年第2四半期の決算では、貸倒引当金としてトータル50億ドル増の95億ドルを準備するとともに、26億9400万ドルの赤字となりました。先に書いたように赤字はリーマンショック以来です。

 

 

 一方、第一四半期の利益は4200万ドルで、これはEPSでいうと0.01ドル、辛うじて黒字というレベルでした。もともと弱っていたところに追い打ちをかけた形です。

 

 コロナショックが落ち着くまでは、かなり厳しいかじ取りになりそうです。とはいえ、リセッション時の銀行株は売り込まれすぎる傾向にありますから、肝の据わった逆張り投資家には面白い展開になる可能性があります。

 

 しかし、時間と忍耐が要求されると投資となりますね。基本的に米国株は強いのですが、個別株はこのようなこともありうるということですね。

 

 かつての人気銀行株ウェルズファーゴですが、10年かけてリーマンショック直後の株価に戻ってきました。私たち個人投資家に多くの示唆を与えてくれますね。米国株は右肩上がりと言いますが、やはり個別株には特有のリスクがあるのですね。

 

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