- ウェルズファーゴ【WFC】という優良金融株
- ウェルズファーゴ【WFC】の配当とチャート
- ウェルズファーゴ(WFC)の基礎データ
- ウェルズファーゴ【WFC】の配当と配当性向
- ウェルズファーゴ【WFC】のBPSとEPS
- ウェルズファーゴ【WFC】の売り上げと利益
ウェルズファーゴ【WFC】という優良金融株
ウェルズファーゴは規模のわりに良質の資産を持つことで有名な銀行です。
第1位 『中国工商銀行』(中国)................…….......2,076億1,400万ドル
第2位 『中国建設銀行』(中国)…….......................1,739億9,200万ドル
第3位 『JPモルガン・チェース』(アメリカ)….…1,656億6,300万ドル
第4位 『バンク・オブ・アメリカ』(アメリカ)…..1,614億5,600万ドル
第5位 『HSBCホールディングス』(イギリス)…...1,581億5,500万ドル
第6位 『シティグループ』(アメリカ)……............1,498億400万ドル
第7位 『中国銀行』(中国)……..............................1,497億2,900万ドル
第8位 『ウェルズ・ファーゴ』(アメリカ)…….....1,407億3,500万ドル
第9位 『中国農業銀行』(中国)…….......................1,374億1,000万ドル
第10位 『三菱東京UFJ銀行』(日本)……...............1,172億600万ドル
どこの銀行が一番お金を持っているのか?世界の銀行の順位付けはこうなっている! - エキサイトニュース(1/3)
やや古いのですが、このランキングはTier1と呼ばれる中核資本ランキングです。平たく言うと不良債権化しにくいであろう良質の資産に焦点を当てたランキングです。これが総資産額ランキングだと順位が変わります。
解像度を落としているため見にくくて恐縮ですが、一覧を載せておきます。
銀行業界の世界ランキング:上位独占の中国勢に三菱東京UFJや三井住友は対抗できるか 連載:あの業界のグローバルランキング|ビジネス+IT
総資産額19位にウェルズファーゴが入っています。総資産とのランキングの違いから、規模のわりに良質の資産を持っている銀行という解釈ができるかと思います。
そのため、アメリカでの銀行ランキングでは総資産額では3位ですが、時価総額で1位の銀行になっています。
※画像はウェルズファーゴのホームページから
ウェルズファーゴの歴史は古く、1852年にさかのぼります。ヘンリー・ウェルズ氏とウィリアム・ファーゴ氏の2人によって始められました。ちなみにこの2人はのちにアメリカンエクスプレス【AXP】も創始しています。
ウェルズファーゴは西部を中心とした銀行ですが、それは1848年におこったカリフォルニアでのゴールドラッシュが関係します。そこでの郵便業務や金塊輸送業務を祖業とします。それから貴重品の輸送、金銭の送金業務と手を広げ、銀行業務を本業とするに至ります。
業務の殆どをアメリカ国内に依存しており、アメリカ国内では住宅ローン、自動車ローン、中小企業融資でシェア1位になっています。
投資銀行のように派手にレバレッジを効かせた取引で利益を上げるのではなく、潤沢な預金をもとに貸付業務で利益を上げる構造だったために、リーマンショックでも他行に比べたら被害は最小限で食い止められました。
景気動向を受けやすい金融株の1つですが、バフェット氏が最も力を注いでいる投資先ですので心理的な支えは無視できないものがあります。そのため、個人投資家にも非常に人気があり、米国銀行時価総額ランキング1位というのも頷ける結果になっています。
ウェルズファーゴ【WFC】の配当とチャート
2006年8月 株価35ドル 配当0.28ドル
2016年5月 株価45ドル 配当0.38ドル
2017年11月株価60ドル 配当0.39ドル
リーマンショックのために2009年に株価が12ドルまで落ち、大きな谷を作っています。また、そのとき配当は0.05ドルまで減配しています。
その後すぐに回復しているのはさすがウェルズファーゴです。しかし、米国で最も優良な銀行の1つであるWFCでさえ、株価は半額以下で大幅減配となるわけです。改めて金融株の出入りの激しさを感じずにはいられません。
ウェルズファーゴ(WFC)の基礎データ
ティッカー:WFC
本社:アメリカ
来期予想PER:11倍
PBR:1.35倍
ROE:12.8%
ROA:1.3%
EPS:4.09ドル
配当:1.52ドル
上場:ニューヨーク証券取引所(NYSE)
金融株は比較的割安に置かれています。それは先に触れたような、リーマンショックの苦い思い出が市場から払拭しきれていないことに起因するのでしょう。○○ショックの時に一番敏感に反応するセクターであることは念頭においておきたいものです。
ウェルズファーゴ【WFC】の配当と配当性向
リーマンショック後、急激な減配が2年続きましたが、その後すぐに回復しています。2015年にはリーマン前の水準まで戻っています。注目されてよいのが、配当性向の低さですね。安定的な連続増配銘柄でも50%以上である企業が殆どですが、ウェルズファーゴはリーマン時のごたごたを除けば殆ど50%以下です。
これは、欧米系の高配当銀行株と比べるとさらに際立つ低さです。
ウェルズファーゴ【WFC】のBPSとEPS
一株資本であるBPSは順調な右肩上がりです。米国株は日本に比べるとPBRが高めですが、ウェルズファーゴの場合は日本並みのPBRですね。また、リーマンショック時でもEPSがマイナスに転じていないのはさすがバフェット銘柄というところでしょうか。
金融系の企業としては奇跡的と言ってよいでしょう。
ウェルズファーゴ【WFC】の売り上げと利益
2010年のワコビア救済、買収が効いています。売り上げは実に倍になりました。その後、営業利益にも順調に反映され、高率の良い短期での規模の拡大となりました。リーマンショック後の高い営業利益率も出色と言ってよいです。
しかし、2016年には無理なクレジットのノルマ販売に端を発した、顧客の同意を得ない不正口座作成という不祥事がありました。それを受けて、株価は乱高下する局面がありました。
バンクオブアメリカやJPモルガン、ゴールドマンといった投資銀行的な側面よりは、商業銀行の側面が強く、収益も安定的です。もともとカリフォルニアの大手地銀のような存在でしたが、堅実さと高い収益性が有力銀行への脱皮を促しました。
まだ不祥事からの病み上がりというところで、株価に割高感はありません。以前は50ドル以下で安定していましたが、あれよあれよといううちに60ドル台になりました。2015年以来の株価位置を抜けるのかどうか、注目されてよいでしょう。
50ドル以下ならば妙味はかなりあると言えますが、上抜けするようだと下値を切り上げ、買いにくくなりますね。
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安定銘柄と言えばこちらのコカ・コーラもそうですね。
プロクター&ギャンブル【PG】も安定しています。ここはかつてバフェット銘柄でしたね。今はもうほとんどの株を売却済みです。
同じ金融系でもこちらは資産運用会社ですね。ボラティリティは大きめですが、ブラックロックのほうが寡占業界で、経済的な濠は広いです。