たぱぞうの米国株投資

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S&P500が過去最高値を記録したことに寄せて

S&P500が過去最高を記録

 2018年1月26日にS&P500は高値を記録しましたが、それから7か月を経て元の水準に戻ってきました。年始から米国株、特にVTIやS&P500連動商品などに投資をしていた人たちはこれで一安心というところではないでしょうか。

 

 過去最高を更新するということは、これら指数を買っている限りにおいて「損をしている人が誰もいない」という状態だということです。かつて「米国株は長期で見ればプラスサムゲームである」ということを書きましたが、まさしく今が再びその状態だということです。

 

 米国相場は1月26日をピークに調整入りし、2月8日を底に早くも反発ムードになっていました。

 

 それからはトランプ氏による法人減税の公約の実施などが後押ししました。好む好まざるにかかわらず、トランプ氏のはっきりした手法、行動というのは根強い支持を受けており、これまではある意味的確に作用してきたところがあります。

 

 「アメリカファースト」という言葉の響きが心地よく聞こえる層は、どこの国でもそうであるように一定数いるということです。強いアメリカ、いわゆる強さに対しての捉えは様々であり、シンプルなほうが訴える力が強いということです。

 好調な米国企業決算や統計資料が下支え

 加えて、今回の最高値更新は、何と言っても企業決算の好調さが確認できたことが最大の材料になっています。

 

 前回の決算では法人税の計算が変わることによる経費コストが発生していましたが、今回決算から早くも減税によるメリットが見え始めています。実際私がいくつか納品している企業レポートも、公益・生活必需品は厳しいですが、おおむね良い決算のものが多いです。

 

 反面、トルコや中国などの新興国は金利高に加えて政治的にも厳しい展開を強いられています。世界経済はおおむね好調であるものの「米国一人勝ち」とも言える様相を呈してきています。いや、新興国に限らず、先進諸国もそうでしょう。

 

 米国一人勝ちという意味では、悪くはありませんがEUや日本もやや置いてけぼりにされている感があります。

究極のプラットフォーム化したインターネット

 では、なぜこのような米国一人勝ちの状況になったのでしょうか。

 

 昨今の状況を紐解くと、今更ですがやはり近年最大のイノベーションである「インターネット」の成功が大きく寄与しています。やや期待が大きすぎた2000年前後のITバブルを経て、ようやく実生活に根付き、そして大きく収益化されるようになってきたというところでしょう。

 

 インターネットそのものが生活必需品になり、あらゆる生活の利便の上でのプラットフォーム化しています。そして、技術的にも規格的にもその根幹を握っているのは、インターネットそのものを作り出したアメリカです。

 

 そのため、米国企業が有利な状況というのはこれからも揺るがないでしょう。

 

 これに対して、中国は「締め出し」あるいは「規制」「嫌がらせ」で自国の企業を保護し育てています。自国内の市場が大きいからできることで、逆に言うと米国のように全世界で事業展開できる力を持つ企業はまだありません。しかし、製造業においては強みを持つ企業が育ってきており、分野によっては期待ができます。

 

 EUに関しては、EU競争法という形でGoogleに制裁金を課すという方向が先日話題になりました。しかし、これも根本的な業界の地位を変動させるものではありません。Googleのような独占的な強みを持つ企業に対してEUとしての危機感はあれど、中国ほどの露骨なやり方はできません。基本的には同盟国であり、軍事的な依存も大きいからです。

 

 対して日本はというと、やはりネット関連で世界に通用するような企業はなかなか生まれにくく、米国企業のサービスが日常を殆ど埋め尽くしていると言ってよいでしょう。中国のような手法はもちろん、EUのような手法も限りがあり、それは防衛でも政治的にも米国に依存をしている限り難しいということです。

 

 とはいえ米国にとって中国・ロシアという大国に対しての日本は、特にアジアにおいて大きな価値を持っています。そういう意味では互恵的な範疇かもしれませんが、これからも友好関係を続ける意味はあるのでしょう。韓国と米国との関係とは明らかに違います。それは、背景には中国と韓国の関係が影響しています。

 

 やや話がマクロに寄りすぎましたので話を戻します。つまり、インデックス投資にしても個別株にしても、この王道である「インターネット関連」、特にSaaS関連の流れというのは今後も続くと考えるのが妥当だということです。

 

 これほど長い、米国一人勝ちの源泉がそこにあるからです。

 

 この万能感はリーマンショック前の米国金融業界の様相を思い出させますが、その時は欧州、カナダの金融業界が元気でしたから、いささか今の状況というのは特殊なのかもしれません。

S&P500が今回付けた高値は1月の高値とは意味が違う

 1月26日に高値を付けたときには「調整は近い」という表現をしましたが、今回の高値は意味が違うと思っています。十分に下値を固め、市場が現状の金利高を受け入れ、企業業績が上向いていることが確認できたからです。そういう意味では、今後しばらくは好調な相場が続くとみてよいのでしょう。

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 ただし、前回の調整で分かったように、資金のすべてをつぎ込むと身動きが取れません。キャッシュポジションを意識して相場と付き合っていくというのが肝要かと思います。私はその理想は株式7割と考えます。

 

 焦らず、コツコツ。相場と程よく付き合っていくのが良いですね。いずれにしても、相場が強いというのは過度にならない限り良いことだと思います。

 

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  1月26日の高値を受けて書いた記事ですが、目先の天井になりました。今は、この記事の状況から変わりましたね。

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  2月の下げで頂いたご質問です。間違った商品に手を出していなければ、いつかは回復するということですね。もしかしたらそれは今回のように半年かもしれませんし、10年かもしれません。いずれにせよ、自分の気持ちのぶれない商品を買うと良いですね。

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  ウェルスナビとTHEOの運用成績もかなりよいのではないでしょうか。最近ログインしていませんが、久々に見てみたいと思います。

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