トランプ政権で株価は32.1%上昇
トランプ政権発足後、株価は32.1%上昇したということです。先日Twitterで話題になりました。この株価というのはNYダウ平均のことです。調べるまでもなく、S&P500やNasdaq総合指数なども高い上昇率を示したことでしょう。
米国株ホルダーとして本当に良い1年だったのが2017年の相場で、それはささやかながら私も感じるところです。ブロガーも増えており、私が米国株ブログを始めたころに比べ、ブログ村登録数だけでも3.5倍以上(現在約350ブログ)を数えます。
また、「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2017」でも米国を中心とした海外投資ファンドが隆盛を極めていました。米国株投資はまだまだマイナーな投資ですが、それでもETFや投信を通して世間的な注目は集まってきていると言ってよいでしょう。
ただ、こうなってくると天邪鬼かつペシミストな私としては不安要素が大きくなってくるのですね。だんだんと人と違うことをしたくなってくる、言いたくなってくるのです。
トランプ政権発足後の株価上昇率
トランプ政権発足後の株価上昇率は実は戦後の歴代大統領で1位だったということです。歴代大統領で1位の上昇率、それを米国株をコアアセットと据えた数年後に体感できたことは大変うれしく思います。
元の記事を引用してみましょう。
大型減税や規制緩和など景気刺激策を掲げたトランプ政権の発足後、優良株で構成するダウ工業株30種平均は32.1%上昇した。戦後就任した大統領の1年目の上昇率としては歴代トップ。米税制改革による企業業績の拡大期待から株高の勢いは一段と加速しているが、高値警戒感も強まっている。
19日のダウ終値は2万6071.72ドルと就任1年で6339.32ドルも上昇。上昇率では、オバマ政権1年目の29.5%を上回った。支持率が低迷するトランプ大統領にとって、株価は政権の成果を強調できる数少ない材料の一つ。大統領は「目標は3万ドルだ」と自信を示す。
米ペンシルベニア大学のジェレミー・シーゲル教授(金融論)は「大統領が株価を気に掛けていることは心強い。オバマ政権時代には考えられなかった」と評価する。昨年末には法人税減税を柱とする税制改革法が成立し、投資家は一段と強気に傾いている。減税で2018年の米主要企業の利益を約1割押し上げる効果が期待されるためだ。
ただ、「トランプ相場」には、世界的な景気回復が重なったという側面も大きい。株価の急ピッチの上昇がこのまま続くのか、不安視する声も出ている。ウォール街のご意見番として知られる米投資会社ブラックストーン副会長のバイロン・ウィーン氏は「投資家心理は陶酔状態に近づいている。株価は行き過ぎだ」と指摘。1割以上下落する調整局面を迎える可能性があると警告している。
※時事ドットコムより(原文はすでにありません)
整理しておきたいことがあります。まず、トランプ大統領は株価を明らかに意識しており、ここが歴代大統領、特に先代のオバマ大統領以上ということです。政策として具体化したのが法人減税です。
ただ、オバマ大統領時代もリーマンショック後の就任ということで任期中の上昇率は高いです。その数字を上回るのですから、トランプ大統領1年目の数字はかなりのものと言ってよいでしょう。
次に、シーゲル教授も法人税減税を前向きにとらえており、ざっくりと政権と株式相場が上手くやっていることを評価しています。政権が株式相場に理解があると、市場は上昇するのは安倍政権を見ても分かります。
最後に、やはり上昇しすぎであり1割程度の調整が見込まれているということです。ただ、1割というと今のダウ平均が26000ドルですから、たったの2600ドル程度ということになります。
この程度では前から買っている人にとってはさほど影響は大きくないでしょう。長期投資というのは、右肩上がりであれば「腰の強いポートフォリオ」を作るのですね。
記事自体は「減税で企業利益が1割上昇する」「上昇しすぎなので1割調整する」という意見を紹介しており、どちらにも取れる内容になっています。
株式相場の漠とした不安を整理しておきます。
株式相場の上下動というのは私も含めて多くの人にとって読めません。そのため、私たち個人投資家としては最悪を想定してポジションを取る、ということぐらいしか自衛策がありません。すべてをキャッシュに変えるというのも機会損失になります。
それでも、昨今の株式相場には熱狂と期待が「じんわり」とこもりつつあるように思いますので漠とした不安要素を書いておきます。
- 仮想通貨、不動産、株式など好調なアセットが多すぎる
- リーマンショック後からの株価上昇が長すぎる
- 長短金利の順調な?上昇、もしくはフラット化
- 高PERの常態化
- 「バフェット指数」高止まりの常態化
- 世界各国のGDP比率と株式市場時価総額のアンバランスさ
挙げるとキリがないのですが、こういうことです。
中国やインドなどを始め、米国に限らず世界経済は依然好調であり、さらに米国企業減税はダイレクトに業績に跳ね返るのでしょう。ネガティブな要素とポジティブな要素が混在するわけです。
ちなみに世界各国のGDPと株式市場時価総額は比例するものではなく、期待値が込められますので米国は常に高めです。高度成長期の日本もそうでした。また、浮動株の関係で中国は小さく出ます。ただ、そういった要因を踏まえても米国が50%を超えるというのはいささか走りすぎに見えます。
「米国株ETFを買っておけば大丈夫」「右肩上がりだから毎日が買い場」というのは確かに長期投資ならばそうで、言い続けてきたことです。ただ、漠としたもやもや感がありますので記しておきたいと思いました。だからと言って持ち株を売るわけではないですが。
個人的には米国株も早ければ1年、遅くとも4年以内に大きな調整が来ると思います。オリンピックが終了、東日本大震災の復興関係もひと段落、日本株・国内不動産はより厳しいと思います。2022年の自分に会ってみたいですね。
外れることを願っていますが、頭の片隅に最悪を想定して投資をすることが習慣になっており、珍しく相場の行く末を記事にしてみました。当然ですが、投資は自己責任、自己判断ということでお願いしますね。
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投資リスクとの付き合い方についてです。
損は繰り延べで、3年間税制上取り戻せるというのは知っておいて良いでしょう。高配当増配株は決まった配当が出続けるので、活用次第でポートフォリオの損を取り戻しやすいですね。
特定の対象にドカンと一気に投資する時期ではないと私は思っています。