たぱぞうの米国株投資

米国株/不動産投資ブログ。某投資顧問のアドバイザ。メディア実績多数。当サイトには広告が含まれます。

調整相場がつらいので、持ち株を一気に売ってしまいたい

調整相場入り、相場の変調が見て取れる

 2017年の右肩上がりの相場が終わり、2018年は上下動の見られる相場になっています。

 

 今は企業減税に伴う企業業績の向上への期待が下支えしています。2017年の相場はある意味ではこの企業減税などに代表されるような、「物わかりの良い」トランプ大統領への期待で上げたとも言えます。

 

 そういう意味では今後トランプ政権後期に差し掛かり、各銘柄の地力が試されるような相場になるのでしょう。つまり、波乱があってもおかしくはないということです。この相場の変調に同じくして、いくつかご質問を頂いています。これらのご質問が非常に示唆に富みますのでご紹介します。

調整相場がつらいので一気に売ってしまいたい

暴落相場の対処:Aさんより

たぱぞう 様

 はじめまして。ブログ興味深く拝見しています。私は最近、資産運用を始めた者です。始めたきっかけとしては、職場の上司にidecoを強く勧められたことでした。


 上司の助言としては、idecoやNISAは今後、国は十分には面倒を見れなくなるので今のうちに自分のことは自分でするようにというメッセージだということでした。


 アラフィフという年齢を考えると投資を始める年齢としては遅すぎるとは思いましたが昨年からidecoを始め、今年からNISAでETF(VTI、VYM)を購入しました。


 NISAを始めるにあたってはいろいろなかたのブログ、参考書を拝見した中で、たばぞう様のお考えに納得できる部分が多くありましたので株高を承知で米国中心の運用を決定した次第です。


 このごろの暴落を受け当然のごとく沈んでおります。沈んでおります一番の理由は一気にポジションをとってしまったことです。NISAだけでなく一般口座でも投信(VT、VTIを中心に、topicsインデックス、アクティブを少々、いや、かなり)を購入してしまったことです。

 

 一般口座分については購入後、すぐにまずいとは感じていました。結構な損は出ますが一般口座分だけでも、一旦、手放し、定期的な積立に変更しようかと考えていますが、たばぞう様のご意見をお伺いできると幸いです。

 

 また、一旦、手放すとすればどういうタイミングがよいか、また、積立を行う場合の商品(投信 OR ETF)についてご教示いただけると幸いです。このような暴落前に他の方のブログで次にVYMを購入する価格は80ドルが目安と言っていた方がおられました。全くその時は信じられませんでしたが現実となってきていることに恐ろしさを感じている今日このごろです。


 ブログを拝見していると沈着冷静なたぱぞう様の姿が思い浮かびます。これからのますますのご活躍を期待しています。また、一読者の含み損がいつか含み益となりますことを願っていただけると幸いです。(そんなこと知りませんよね。)

 USリート為替ヘッジなし商品の集中投資

暴落相場の対処:Bさんより

 米国株式とは全く違う質問です。会社員35歳、既婚、子供が2人います。投資をなにも知らず、投資信託で5年間、毎月分配型の米国リートをしています。利益が11月時点で30万円ありました。


 調子にのり、昨年USリート為替ヘッジなしを購入しました。しかも、時間分散など知らず120万円もです。今はマイナス20万円になります。1月よりタパゾウさんのブログを見つけて読み込んでいます。


 読ませてもらうに従い、本当によくつぎ込んだなと呆れるくらい無知なのです。購入したら危険な米国リートの毎月分配ばかり5銘柄も300万円もです。DIAMリートインデックスも100万円あります。


 金融庁の通知も知りませんでした。子どもにも将来使いたいお金なのに、わたしはなにをやっているんだと1週間眠れていません。返信などこないかもしれないと思いながらも、今解約した方が良いのか、もう少し世界株安が落ち着くのを待った方が良いのか判断がつきません。


 アドバイス頂けないでしょうか。もしかしたら、返信を頂けるかも、、、と藁にもすがる思いでメッセージさせて頂きました。

 

 分配金は毎月3万円ほどになります。マイナスを0に近づけるため続けても良いのかもしれないとなんとなく思っております。リートは長期金利の影響を受けると知りましたが、リーマンショックの際には3〜4%、今は2.87%と近付いているかと思います。


 しかし、違いは今はアメリカの景気が良いということです。もう少し持てば家賃収入が増えて基準価額が低くとも安定するかもしれない。そうすれば、分配金で0に近づけることは可能かもしれない?と安易に想像してしまいます。


 ちなみに、基準価額はずっと右肩下りの銘柄です。貴重なお時間とは慮りながらも、生まれたばかりの子の面倒をみながら、チャートやタパゾウさんのブログをみて、後悔で眠れず、吐きそうな毎日で限界がきましてメッセージしました。


 こんなにぼろぼろなのに、投資信託の目処がついたらETFチャレンジしたいと思っています。苦笑


 今が買い時なのかも知れませんが、次のチャンスを待ちその間にタパゾウさんのブログで勉強させて頂きます。

調整相場への対処は結局シンプルな原理原則

 AさんはVTやVTIを中心に買われています。Bさんは毎月分配USリートに集中投資をされています。時間を分散させないで買ってしまったということに関しては、お二人は共通します。

f:id:tapazou:20180303104921p:plain

 しかし、買っている商品の「質」が全く違います。Bさんの毎月分配USリートは右肩下がりの商品で、自分の払い込んだお金を取り崩して分配金を出しています。これは、すぐに手放したほうが良いです。迷いはありません。筋の悪い商品です。

 

 対するAさんは商品そのものは悪くありません。悪かったのは買った時期、直近高値で集中投資をしたということですね。これは売買含めて判断が難しいのですが、たとえば20年持っていればおそらく値は戻しているでしょう。

 

 ただし、これからも相場の変動はあるでしょう。今回の相場の変動は暴落というにはまだまだ迫力不足です。このぐらいの変動で心が落ち着かないならば、いったん売却して仕切り直しで再投資をしても良いでしょう。

 

 私の場合、相場がどのようになろうとも淡々と記事を更新しています。これは、私の買っているETFや株は一般口座の古いものが多く、配当も含めると多少の暴落では損が出ない水準になっていることによります。また、インカムに注目して投資をしているので、月々の配当が大きく変動しない限りは影響があまりないのです。

 

 しかも銘柄を分散させていますから、一銘柄の減配が大きく影響することはありません。対象と時間の分散とはこういう成果があるのです。

 

 大暴落時の時間と対象の集中投資は功を奏することが多いです。それに対して、右肩上がり相場の順張り投資は時間と対象を集中させるとうまくいかないこともあります。今回の相場でのVTIやVTなどの調整はそのことを教えてくれたようにも思います。

 

 相場を完全に読み切ることは不可能です。いや、付言するならば「勝ち続けること、読み続けること」が不可能です。数回ならば誰でもあたるのです。それで「私には才能がある」と錯覚して過度なレバレッジを取り、退場する人を多く見てきました。

 

 ですから、心落ち着かせて相場に向かうには初心者さんほど時間分散、対象の分散という面白くない、地味な原理原則が大切だと思います。そうすれば、多少の相場の変動に心を痛めることなく、淡々と買い増していくことができます。

 

 投資は人生の一部で全てではありません。せっかくの日々を投資によって悩まされるのはもったいないです。ともかく、質の良い商品を対象の分散、時間の分散をさせてコツコツ買っていくことです。

 

関連記事です

  相場が不調の時こそ自分の投資観がはっきりするように思います。

www.americakabu.com

 NYダウの調整と対応についてです。

www.americakabu.com

  暴落相場の対処法についてです。

www.americakabu.com