NYダウ800ドル安、3%を超える下げは今年最大
NYダウが800ドル安をつけました。マイナス幅は3.05%です。いくつかの悪材料が重なり、アルゴリズムに基づいた機械的な売りが殺到しました。日本時間の明け方にかけては、200日移動平均線にタッチ、反発する局面もありましたが売り圧力に押し切られました。
200日線にタッチすると反発する、グランビルの法則はそれなりに生きていましたが、最終的にはこらえきれずに割っています。
今日は、悪材料をまとめておきます。
米国債2年物、10年物の長短金利差逆転
米国10年債の利回りは人気化に伴い、このところ下落の一途をたどっています。14日午前の取引で一時的とはいえ1.57%まで低下し現在も1.6%を切っています。これにより、2年債利回りを下回りました。10年債と2年債の長短金利の逆転は12年ぶりです。
12年前というと、2007年です。リーマンショック前夜です。また、その前は2000年です。この時はITバブル直前です。昨今の債券人気は今に始まったことではないですが、特に10年ものは指標銘柄とされ注目されています。
前に長短金利が逆転した時は3か月物との対比でした。今すぐにリセッションとは考えにくいですが、前回同様、非常に嫌気されています。いずれにしても、債券だけでなく、ゴールドも大変買われていますから、リスクオフの一定の動きとその裏の心理は知っておいて良いですね。
過去の例によると、平均して22か月後にリセッション入りということです。現段階で言えることは、繰り返しになりますが急にはリセッションは来ないということです。
昨今の相場は上にも下にもやや極端に動きます。ちょっとしたニュースに一喜一憂するのは、やはり市場心理が弱含んでいるからですね。ともかく、自分で買いなり売りなりのポジションを事前に決めておいて淡々と取り組むと良いでしょう。
香港デモや中国経済指標の悪化が拍車をかける
中国経済も弱含んでいます。
中国鉱工業生産指数が前年同期比で4.8%増でした。これはチャートを見ても分かるように非常に低い水準で、2002年2月以来17年ぶりの低い伸びです。また、先月盛り返した小売り売上高指数も予想を下回り、市場を失望させました。
中国は香港デモも長引いており、悪材料が揃っています。
ドイツGDP前期比マイナス
ドイツGDPが前期比マイナスに落ち込んでいます。
2018年年始以降はドイツGDPもさえず、一時期の勢いは完全に止まっています。いうまでもなくEUはドイツがけん引してきた側面がありますから、影響は小さくありません。EUが金融緩和に転じた理由はそれなりにそろっています。
S&P500の当面の目安はどうなるのか
悪材料は目白押しですが、今日明日でリセッションが来るわけでもありません。目先の反発はあるでしょう。
チャート上の目安で言うと、意識されるのは2018年1月以降の動向になりますね。2018年末までは2600~2800のレンジでしたが、切りあがっています。現在では2800~3050のレンジが目安になります。
当面は、以前の強固なレジスタンスであった2810前後がサポートになると思われます。直近では2019年6月3日に2744で比較的大きな下ヒゲを付けましたが、次の下値の目標はそこになります。S&P500だけでなく、VTIなどの連動性の高いETFも参考になるでしょう。
ただし、直近の企業決算の足元はそこまで悪くなかったですから、そこまで狙うのは少々難しいかもしれません。
もっとも、長期積立投資をしている人は全く問題ありません。コツコツと続けることですね。私はサテライトでしばらくこのボラタイルな相場を楽しむつもりです。
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こういう相場になると、売りもできるCFDというのは妙味が増します。
いずれにしても、資金管理は大事です。こういう相場でドキドキするならば、それは過度にリスクを取っています。
円高も含めた株安になると、このようになるということです。心の準備と資産の分散は大変重要です。暴落が来ても、安定した収益を出せる資産をもっているかどうかということですね。