たぱぞうの米国株投資

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米国株投資家が本当に打ちのめされる時

一気に広がった感のある米国株投資

 ほんの4,5年前に比べると米国株投資というものが、深く根付いてきたことを感じます。今となっては信じられないかもしれませんが、投資信託で米国株投資が低コストでできるようなったのはつい最近です。

 

 それまではニューヨークダウ連動の投資信託を0.5%以上の信託報酬で買うぐらいでした。また、特定口座対応もしておらず、米国株投資家は一般口座の配当・売買履歴を自分でまとめ、自分で確定申告をしていたのです。

 

 逆に言うと、この配当履歴と売買履歴がまとめられないと、投資に大きく差しさわりがあるという環境だったわけですね。

 

 そんな中でも何名かのブロガーが実績やポートフォリオを公開したり、メディアなどで米国株の魅力が伝えられる中で徐々に投資熱が広まったと言えるでしょう。特に大きな転換点になったのは、「つみたてNISA」に伴う新規投資信託の設定でした。

  • 楽天VTI
  • eMaxis Slim米国株式
  • ifree S&P500

 といった、人気ベンチマークに基づく投資信託の設定ですね。これにより、ぐっと投資がしやすくなりました。それ以前はスパイダーのSPY相当の1557が低コストで、これ以外の選択はなかったですね。今も1557は良い商品です。

ここまで米国株投資が広まったのであえて書いておきますが

 広まったのと同時に、意識しておかなくてはいけないことがあります。それは、為替リスクですね。「なーんだそんなことか」と思われるかもしれません。

 

 米国株安に関しては、為替が比較的安定していれば、想定内と言えるでしょう。また、米国市場独特の右肩上がり気質がありますから、耐えられる人も多いのではないでしょうか。

 

 しかし、為替変動と株安が一気に来ると、一時的にしろかなりの資産を毀損するのは間違いのないところです。リーマンショック後の1ドル75円時代から10年を経ようとしています。私はそのころからドルに替え始めたわけですが、やはり逆の流れになると怖い、というのは常に頭にあります。

 

 最初に80円で400万円をドルに替えたのを鮮明に覚えています。その後、ちょこちょこ追加入金をしたので、平均の両替レートはもっと上がっています。

 

 幸いなことに、この10年は100円を切ることも無く、むしろ逆に円安になる局面もありました。資産運用上は非常に心穏やかに過ごせたわけです。

米国株投資の最悪を想定してみるとこうなる

 ちなみに、ドル円が80円になるとそれだけで現状の110円から、おおよそ3割ほど削られることになります。さらに株式市場の暴落があり、4割減ったとするとどうでしょうか。

 

 仮に1億円をドルで、しかも株式で持っていたとしましょう。

 

 1億円×0.72(為替分)×0.6(相場変動)=4320万円

 

 となります。

 

 1億円×0.72(為替分)×0.8(相場変動)=5760万円

 

 これは相場変動が2割のケースです。2割ぐらいならあり得ますよね。暴落時というのはだいたい為替相場も動揺しますから、最悪これぐらいのリスクはありうるということです。米国株投資は右肩上がりと言いますが、特に退職された方は為替面でも集中投資をすると怖いというのはお判りいただけるのではないかと思います。 

 

 とはいえ、リーマンショック後のようにリセッション時に安全資産として円に逃避、という流れが未来永劫続くわけでもなく、やはり為替は長期目線で取り組みたいところです。

そうはいっても止められない米国株投資

 そうはいっても止められないのが米国株投資です。本当であれば、母国のつまり日本の株式市場が元気であれば投資もしたいところですが、なかなか今の状況は難しいですね。個別の、しかも小型株もターゲットにしないと入りにくい相場です。

 

 インデックス投資、TOPIXを主戦場にするならば、ショートつまり売りもできないと話にならないでしょう。

 

 そうなると、多くの人にとっては、為替や株安のリスクを読みつつ米国株投資を続けていかざるを得ないと思います。ただ、そうした人たちがどれだけのリスクを織り込んでいるかということですね。

 

 ある程度のリスクを織り込んでいないと、調整時、あるいは暴落時に手放すということになりません。それだけの覚悟を持って、外国株投資というのは取り組むものだということですね。

米国株投資家にとって、為替リスクは頭に置いておきたい

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 相場環境が良い今だから想定しておきたいことですね。

 

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