GPIFのポートフォリオを個人に応用する
GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は日本株、日本国債、海外株、海外債券に分散投資をしています。
こういう均等分散のポートフォリオになったのは割と最近です。以前は日本国債の割合が最も大きく、次に日本株、海外投資はわずかというポートフォリオでした。
それがリーマンショック以後に徐々に海外資産へ割り振るようになり、今の均等分散ポートフォリオになっています。リーマンショックの災禍を結果的にはうまく回避しており、そういう意味ではラッキーでした。
しかし、決して理想のポートフォリオというわけではありません。債券比率が半分を占める以上、リターンが限られるのは必然と言ってよいでしょう。実際、期待リターンもそこまで大きくありません。
したがって、私は個人のポートフォリオに同じ比率を当てはめるのはやや合理性を欠くケースがあると捉えています。
年金運用はインフラのようなもので、うまくいって当然という考えが強いですね。少しでもマイナスを出すと、国民の年金をどうしてくれるんだ、というような批判が出てきます。
そういう意味では保守的にならざるを得ない、換言すると減らさない運用を心掛けざるを得ない事情があると言えます。
さて、今回はバランスファンドを含む、ポートフォリオ全般のご質問を頂いています。
ニッセイF4というGPIFと同じ割合で投資ができる投資信託があります。
たぱぞう先生、初めまして。YouTubeやブログで勉強させて頂いている投資初心者です。
去年、約5300万円の資産でサイドFIREを達成いたしました元看護師(女性・独身・46歳)です。
投資経験はほとんどなく、銀行の定期預金や株・ドル貯金などを少々した程度で、去年からNISAを始めたところです。父親の遺産と元々の節約体質で資産を増やしました。
現在は趣味のアルバイトの手取り10万円/月と貯金から5万円/月ほどを取り崩し生活しております。
今後の予定としましては
① 定期預金を解約し、NISAにすべて積立で 10万円/月ずつ 最速5年で施行
- 1655(S&P500 米国ETF)
- 楽天VTI
- ニッセイバランスF4 を購入
② 米国ETF(VT,VYM,HDV)を合計2000万円程度まで買いたい
③ 最低500万円ほど安全資産で持ちたい(定期預金など)
質問なのですが
- 個人向け国債の10年償還まで待たずに、早めに米国ETFに投入したほうが良いか
- また、そのタイミングが悩ましいです。為替状況を気にせず、毎月定期購入をするか、そこそこ下がったと思われる時にまとめ買いするか、もう少し円高を待つか、、、等。
- ニッセイバランスF4は止めて、他の高配当ETFに変更した方が良いか。
お忙しいと思いますがご教授お願いいたします。
〇資産状況
国内株式 140万円(ローソン、1357ダブルインバース)
・投資信託 280万円(SBI・V・S&P500インデックスファンド 積立NISA 33333円/月)
(ニッセイバランスインデックスファンド4資産均等 10万円/月)
(楽天VTI 10万円/月)
(eMAXIS Slim 米国S&P500 21万 現在積立なし)
・米国ETF(VT、VYM、HDV) 85万円 ※気が向いたときに1000ドル分ずつ購入
・個人向け国債(10年/2032年償還) 1000万円
・社債(光通信2028年満期・SBI 2025年満期)各100万円ずつ
・定期預金 2500万円(0.15~0.2%)
・普通預金 1100万円(うち新生銀行のバースデー3ヶ月定期預金1%のために1000万円はキープ中 来年1月には自動解約予定)
・収入 手取り10万円/月
・支出 約15万円~19万円/月
GPIFのような債券半分の投資は運用効率面からお勧めしにくい
専門職の強みを生かし、見事にサイドFIREを実現されましたね。おめでとうございます。くいっぱぐれのない専門職はこういうときに強いですね。すばらしいことです。
さて、いくつかの質問をいただきました。分けてお答えしていきますね。
・個人向け国債の10年償還まで待たずに、早めに米国ETFに投入したほうが良いか
焦らず、5年ぐらいかけて円で買える米国株指数を買っていくとよいでしょう。一括売り、一括買いという手も無くはないですが、弊ブログでは時間分散をお勧めしています。もし、5年の間に安くなる、リセッションなどがあればその限りではありません。
・また、そのタイミングが悩ましいです。為替状況を気にせず、毎月定期購入をするか、そこそこ下がったと思われる時にまとめ買いするか、もう少し円高を待つか、、、等。
私はまとめてドカンと投資するタイプですが、再現性の面で課題があります。また、都度頭を悩ませることになります。よって、毎月定期が再現性があり、シンプルです。株高株安、あるいは為替を考慮しなくてもよいのが利点です。
・ニッセイバランスF4は止めて、他の高配当ETFに変更した方が良いか。
おっしゃる通りです。リスクをどう考えるかですね。投資割合はほとんどGPIFのようですが、個人は機関のPFが合わないケースがあります。伝統的な6:4ポートフォリオなどありますが、株式のリターンが優れる今、株式7:現金もしくは債券3ぐらいが心地よいのではないでしょうか。検討されてみてください。
いずれにせよ、全く定期収入が無いわけではない、これも強みですね。ここからの人生、やりたいことに寄り添いつつ、楽しみましょうね。
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