たぱぞうの米国株投資

米国株投資ブログ。某投資顧問のアドバイザー。メディア実績/日経マネー・ヴェリタス・CNBC・ザイなど

貯蓄と投資はどちらを優先すべきか

貯蓄と投資はどちらを優先すべきか

 日本人は貯蓄好きで、投資が苦手ということが良く言われます。しかし、このイメージは変わりつつあり、日本人の貯蓄は減りつつあります。おそらく、私たち今の現役世代が老後を迎えるころは、今の高齢者ほどの貯蓄は無く、金銭的に豊かな生活は送れていないでしょう。

 

 年収が上昇せず社会保障費が上がるという構造です。手取りである所得は増えようがありません。また、大学進学にかかる学費などの教育費は日本が豊かだったころと比べても減っておらず、苦しさに拍車をかけています。

 

 従来のように貯蓄をして銀行金利で運用ということが不可能になっていますから、私たちは自分たちで資産運用を模索しなくてはなりません。

 

 しかし、生活防衛資金を切り崩してまで投資に全力で取り組むのは違います。特に家族がいる場合はそうで、病気やリストラなどで突然に仕事を失う可能性に備える、つまり貯蓄をしておくというのは一定の説得力を持ちます。

 

 貯蓄と投資のバランスを図りながら日々の生活を営むというのが普通の家庭の姿でしょう。こうしたことを踏まえてご質問を紹介します。

貯蓄と投資のバランスが難しい

たぱぞう 様

いつもブログを拝見させていただきております。

 

 たぱぞう様のブログを見て、米国投資に可能性を感じ今年から積立による投資を始めようと思っています。今日は、投資とこれから来る子供達の学資金の兼ね合いについて相談したくメールをしました。

貯蓄と投資のバランスは生活防衛資金次第

貯蓄と投資のバランスは生活防衛資金次第

 現在の私の情報としまして、本人、妻、子供3人の5人の家族です。現在の投資に対する目的として、定年退職後の資産を作りたいと考えております。

 

属性 本人  34歳 公務員 年収 650万円
   妻   37歳 パート従業員 月々5万円のパート収入
   第1子 12歳 公立中学
   第2子  8歳 公立小学校
   第3子  8歳 公立小学校

 

家  持ち家 月々 82000円 35年ローン 32歳で購入

 

資産額 銀行貯金       400万円
    学資保険 第1子   毎月12000円
         第2,3子 毎月 9000円

 

これからイデコで積立 毎月12000円 楽天・バンガード・ファンド(全米株式)を予定

 

また、積立NISAで購入 年間40万円の予定です。

 

 今年からたぱぞう様のブログ等を参考に、全米積立ての魅力に気付き、少しづつ勉強をしながら、定年退職後の資産を作りたいと考えています。


 月々の積立投資が、5万4000円位になる予定です。現在は、子供達が塾等の習い事をしておらず、家計をやり繰りしながら現金での貯金は0円になりますが、毎月45000円の投資は出来ると考えております。

 

 そこでご相談なんですが、これから子供たちが中学、高校、もしかすると大学への進学に費用がかかると思われます。収入としては、安定はしているのですが、大幅な伸びは期待できないと思います。


 家計的には、現在投資なしで毎年80万円位の貯蓄は出来ている状況ですが、個人的な思いとして、貯蓄より投資ですこしづつお金を増やしたいと考えております。

 

 このまま、積立NISAを続ける、続けていけるのか?積立NISAを一旦やめるか投資額を少なくして、現金で学資金を準備するのか、積立が始まったばかりなのに迷っています。


 たぱぞう様のアドバイスがあれば、参考にしたいと考えております。よろしくお願いいたします。

考え抜かれた投資&貯蓄術だと思います。

 考え抜かれた貯蓄&投資術だと思います。まず、学資保険です。これは利回りが低いですが、資金拘束力があります。おそらく、この額だと大学進学時に200万程度貰える、というものでしょうか。大学進学にあたっての諸準備、必要経費がここからまかなわれます。

 

 価格変動の無い、強制貯蓄効果ということでこれはキャッシュに似た性格があります。投資界隈では返戻率の低さから人気がありません。しかし、使途が明確になっていて強制貯蓄効果と保険機能があります。払いこみ年数がすでに長いこの場合は、継続という判断になります。

 

 iDeCoとつみたてNISAの併用は良いですね。王道です。難しいところですが、せっかく始めた投資ですから、しばらく続けてよいと思いますよ。ご自分が老後を迎える前に、知識と経験を積むという意味もあります。

 

 年間80万の貯蓄ができるならば、ご長男が地元の公立高校進学と考えてあと6年続けることが可能です。6年以降は大学進学をするならば貯蓄がしにくくなるでしょう。やはり大学の学費が最大の支出になります。

 

 それまでに、6年間でおおよそ500万程度の貯蓄ができることになります。これに学資保険が乗りますから、ご長男の進学に関しては学部にもよりますがやれるでしょう。そのぶん、下のお子さんの時には少々無理がありそうです。

  1. ご自身の昇給
  2. 奥様の収入増

 それでもこの2点がクリアされれば状況は大きく変わります。つまり、世帯年収のかさ上げというのが狙いどころというところです。下のお子さんが大きくなってきたところで、奥様の仕事を探してみても良いかもしれませんね。

 

 ごちゃごちゃしてしまいましたので、私ならどうするかということでまとめます。

  1. 始めた投資はよほどのことない限り継続する。
  2. 下の子の成長に合わせて奥様の収入増を図る。
  3. 世帯年収としては奨学金適応なので、奨学金も視野に入れる。
  4. 将来的にはどこかで奥様もiDeCoかつみたてNISAをする。

 このように対策します。とにかく将来的な支出増に備えて世帯年収を増やしたいところです。また、自分たちの老後の生活も視野に入れ始めたいです。奥様のiDeCo枠は是非とも使いたいところです。

 

 世帯年収を増やすということでは公務員という属性を生かし、よく言われる5棟10室の枠内での不動産投資に邁進している友人がいます。非常に上級者ですが、都市計画などに携わっていれば知識を援用できる強みがあります。

 

 ヒントになりそうなことを列挙させていただきました。

 何かお役に立てたならばうれしいです。ご質問ありがとうございました。

 

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