米国株投資における為替リスク
米国株投資をする人にとって、意識されるリスクの1つが為替リスクではないでしょうか。円高というのはドル資産を毀損しますので当然と言えるでしょう。
為替・ドル円相場の超長期チャート | 金プラチナ相場情報 Let's GOLD
このチャートを見ても分かるように、1ドル360円の固定相場制を終えて急激に円高が進んでいることが分かります。1970年と言いますと、日本は高度成長期でした。企業業績も右肩上がり、円が毎年のように強くなる、そういう時代でした。
この時代ならば、日本株への投資というのが最適解であったことは間違いありません。しかし、1995年に1ドル80円近辺まで 落ちて以来、ほとんど1ドル75円から125円のボックスになっています。
この傾向はすでにおよそ25年続いており、これからも継続的だと私は考えます。ただし、米国ドルはインフレ2%を基本としています。これに対して、日本円はそこまでのインフレはありません。それどころか、近年2%では収まりませんね。
表面上のドル円はボックスでありながら、実質的には減価するという流れも継続することを意味します。
まとめると、長期投資における為替リスクはほとんど気にするほどではなく、逆に外貨資産を持っておくことによるリスクヘッジの旨味のほうが大きいと思います。この前提条件を踏まえて、ご質問を紹介します。
米国株投資における両替、ドル買いタイミングは?
初めまして。突然で申し訳ございません。質問(相談)をさせて頂いてもよろしいでしょうか。
現在20代後半で最近、資産運用を強く意識するようになり、米国株投資を始めました。とはいいつつ、現状はNISA口座、円建てでS&P500連動ETFを積立てているだけです。
そして今般、貴ブログを参考にさせて頂きSBI証券口座を開設してとりあえずの余裕資金120万円で米国ETFを購入しようと思っております。ただ、一刻も早く購入したい気持ちなのですが、為替レートやどの方法で外貨に両替すれば良いのか非常に迷っております。
たぱぞう様はまとまって両替される場合はSBI FXα、普段は住信SBIでの外貨預金などと使い分けをされているようですが、今回の私の場合、ドルコスト平均法で急がずドルを積立てた方が良いのか、為替レートは特に気にせず一気にドルを買っても良いものか、アドバイスを頂けないでしょうか。
米国ETFも上昇基調で、早めに買った方が良いのか?でも、そもそも円安水準で今両替して買うべきではないのか?と悩みに悩んでいるのが現状です。お手すきの際にご教示頂けると幸いです。
米国株投資で無視できないのは為替リスクであるのは事実
マーケットの値動きは為替も無関係ではありません。うまくうねりに乗るのは難しく、為替リスクに株価も翻弄されます。特に円建ては直に感じられるところです。
120円で買ったドルが80円になればそれだけで33%の減価ですから、リスクを意識するのは当然だと考えます。
このまま円建てでS&P500連動ETFを買い続けるのは悪くはない選択です。また、先日も触れましたが、1655や2558、2633など、良い商品が出てきています。
ドル円為替もドルコスト平均法が良い
為替手数料はどのような場合でもかかります。
最も安いSBI FXαを使うと1万ドルからになります。つまり、投資資金が120万円ですと、ほぼ一気にドルを買ってしまうことになります。そのため、住信SBI銀行経由、つまり0.15円の手数料での両替をおすすめします。
これは金額が大きかろうが、小さかろうが低額です。例えば1年間ドルコスト平均法で買い付けるならば一か月に10万円分、半年なら20万円分となります。とにかく焦らないことです。
ただし、個人的には今の115円近辺の値動きというのは、やや円安です。しかし、積立と停止するほどの為替水準ではないと思っています。ここで気にするべきは、追加投資額が今後どの程度なのかということです。
継続的に追加投資額があるならば、ドルコスト平均法にこだわらない逐次投入でも問題ないでしょう。結果的にドルコスト平均法になるからです。追加投資額が限られ、貯蓄に時間がかかるならば、ここは慎重に資金を投入していくべきと考えます。
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