iシェアーズ MSCI EAFE ETF【EFA】とは
iシェアーズ MSCI EAFE ETF【EFA】はMSCI EAFE インデックスへの連動を目指したETFです。アメリカ・カナダを除いた先進国の大型株、中型株への投資をしているETFということですね。
時価総額を考慮して投資を振り分けているので、日本株への投資が多いです。実におよそ25%にもなります。米国株への投資をすでにしており、地域分散をしたい場合に使われることの多いETFです。
信託報酬は0.33%であり、ちょっと高めかな、という印象です。ベータ値も1.15とやや高いです。これは日本市場やヨーロッパ市場が米国市場に比べてボラティリティが高めな昨今の傾向を反映しています。
私の場合は米国を外す投資はちょっと考えられないので、EFAを買うことはまずないでしょう。しかし、構成銘柄やチャートは世界の優良企業目白押しですから知っておいて損はありません。
EFAのチャートと分配金
※ブラックロックから
これは分配金込のチャートです。10年でおよそ+40%のリターンとやや厳しい数字を示しています。ちなみに2001年の設定来からだと+150%のパフォーマンスです。
それでも15年という年月を考えるとちょっといまいちなパフォーマンスですね。ちなみに、S&P500ETFのSPYとの比較です。下のグラフは分配金込ではありません。
※画像はYahoo!から
この10年では歴然とした差がついていますね。 分配金込で約40%のプラスということは、取引値チャートだけならほとんど横ばいです。
これからの値動きは読めませんが、少なくとも過去を見ると考えてしまうチャートですね。
EFAの構成銘柄と構成国
では、まず最初に構成銘柄を見てみましょう。
EFAの構成銘柄
2016年
2018年
※画像はブラックロックから
いずれもネスレが1位です。ネスレ【NSRGY】は本当に良い株で、多くの人がポートフォリオに組み入れたい株の1つですね。しかし、NYSEに上場していません。そのため、OTCでのADR購入となりますが、日系証券会社では取り扱いがありません。
日本のトヨタが2位から7位になっています。言わずと知れた日本が誇る自動車メーカーですね。ロシュ、ノバルティスの2社はヨーロッパが組み込まれるETFには殆ど顔を出していきます。スイスのみならず世界的な製薬会社です。
サノフィは世界4位の製薬会社で、パリに本社を置いています。
アンハイザーブッシュインベブは世界一のビールメーカーです。ベルギーのインベブが米国のアンハイザーブッシュを買収しました。その関係でバドワイザーをブランドとして保持します。個別株としての配当利回りは恒常的に4~5%近くあります。
しかし、アンハイザーブッシュインベブ単体の個別株だと配当税が重く、なかなか買いに躊躇する銘柄です。そういう意味ではETFに組み込まれていると嬉しいですが、比率が低いですね。
BASFは世界1位の化学メーカーで、ドイツにあります。およそ150年の歴史を誇ります。ここもNYSEに上場していません。OTC、ティッカーは【BASFY】です。日系証券からは買えないですね。シーメンスも含めて、ドイツの底力を感じさせる名門です。
そのほか、ロイヤルダッチシェル、ブリティッシュアメリカンタバコ、グラクソスミスクライン、ウエストパックバンキングといった高配当で有名な企業が続きます。いずれも高配当です。
余談ですが、SBI証券の貸株でウエストパックバンキングは1%も貸株金利がついていたころがありました。そうなると、配当利回りも含めて6%を超えるインカムになりますね。
こうしてみてみると、ヨーロッパには多くの高利回りで、国際競争力を持つ企業がたくさんあることが分かります。ただし、いずれもある程度成熟した企業群で、米国のNasdaq銘柄のような成長性は期待できないですね。
EFAの構成国
構成国はこのようになっています。
2016年
2018年
※画像はブラックロックから
いずれも日本はトップの約25%を占めるのですが、個別企業では目立ちません。ちなみにトヨタの次にランクインしている日本企業は東京三菱UFJ銀行です。
米国だけではなく、世界の先進国に分散投資を考えるならば、外せないETFとなります。ただ、日本株のポジションをある程度すでにもっているならば、ちょっと微妙な選択になってしまうかもしれませんね。
基本的には、米国で投資をしている人が、米国外の投資を考えるときに使うETFということになりますね。
※追加情報です。日系証券会社では取り扱いがまだないですね。
IEFAという似たようなETFがiSharesから出てますが、こちらは信託手数料が0.08%と低くなっててオススメです。もしかしたら日本ではまだ取り扱いがないのかもしれないですが…(知らない) https://t.co/W6SoJ0W0T0
— °Freeman Taketcharov (@yT_BME) 2018年8月16日
関連記事です。
個別株投資はETFに比べると安定感には欠けますが、配当利回りの良さと、なによりおもしろさがありますね。記事中で出てきた個別企業の記事を下記にご紹介しますね。
タバコのブリティッシュアメリカンです。以前より持ち株比率の高かったレイノルズを買収したことにより、世界一になりました。ただし、中国専売は除きます。
ロイヤルダッチシェルです。エクソンのライバルといってよく、ロスチャイルド系とロックフェラー系の違いという系譜の違い、歴史も面白いですね。
英国きっての製薬会社です。高配当でよく知られていますが、ヘルスケアは競争が激しい業界ですね。他にはアストラゼネカも英国系です。
オーストラリア株です。オーストラリア4大銀行のうちの1行です。オーストラリアではほかにBHPビリトンやリオティントが良く知られています。この2社にブラジルのヴァーレを加えて3大資源メジャーとなります。