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iシェアーズMSCIトルコETF【TUR】はトルコに投資ができるETF

iシェアーズMSCIトルコETF【TUR】

 新興国の中でも、ヨーロッパと中東、アフリカにアクセスが良いトルコのETFを紹介します。トルコという国自体は非常に成長性があり、場所も良いことから経済成長の期待される国です。

 

 しかし、昨今のトルコリラ暴落に見られるように新興国特有とも言えるの地政学リスクが顕在化しています。ある意味では新興国投資をするにあたっては避けようのない事象とも言えます。

 

 いずれにせよ、トルコは今注目されているところですのでここでご紹介します。

トルコの人口推移

 トルコは人口が増え続けており、消費も拡大し続けています。親日国とされ、日本にも距離のわりに親しみやすい国になっています。

トルコの人口

トルコの人口

 現在は7860万人です。このグラフに見られるように、2060年ごろには1億人に迫る勢いです。現在は目下人口ボーナス期を迎えていますが、2035年ごろから高齢化社会を迎えます。

 

 日本などの先進諸国と比べるとやはり若い国、経済的な勢いの期待できる国と評価されてよいでしょう。

トルコのGDP

トルコのGDP

トルコの名目GDP(USドル)の推移(1980~2018年) - 世界経済のネタ帳

 ドルベースでの名目GDPの推移です。基本的には右肩上がり基調ではあるものの、この数年は停滞気味ですね。2018年には通貨危機を迎えましたから、結果はやや厳しいものになるでしょう。

 

 2000年、それから2008年と世界経済がリセッション入りした時には、比較的大きな影響をトルコ経済も受けていることが確認できます。ある意味では新興国の宿命と言っても良いでしょう。

 

 1人あたりGDPはドルベースで10000ドルを超えています。インドネシアやベトナムといったアジアの国々よりは、はるかに豊かな水準ということになります。マレーシア、ブラジル、ロシア、ルーマニアと殆ど同レベルの水準です。伸びしろという意味ではやや限られるかもしれませんね。

iシェアーズMSCIトルコETF【TUR】の配当とチャート

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 2008年からの設定来での騰落率はおよそ-45%になっており、非常にパフォーマンスは悪いと言ってよいでしょう。10年持って半額になるというレベルです。特に今年に入ってからは絶不調であり、この半年でマイナス50%です。

 

 米国金利高で新興国は不利なフェーズに入っていますが、トルコは政治的にも不利な条件が重なっており特に苦しいですね。とはいえ、無責任なことを言いますが、そろそろ妙味も感じられるところです。

 

 米国金利高局面が継続されていますので、積極的な買いをするような局面ではありませんが、やや時計の針が急に回りすぎておりそれなりの反動はありそうです。

iシェアーズMSCIトルコETF【TUR】の構成銘柄

  ティッカー 銘柄名 保有比率(%) 業種
1 EREGL EREGLI DEMIR VE CELIK FABRIKALARI 7.69 素材
2 GARAN TURKIYE GARANTI BANKASI A 6.99 金融
3 BIMAS BIM BIRLESIK MAGAZALAR A 6.9 生活必需品
4 AKBNK AKBANK A 6.85 金融
5 TUPRS TURKIYE PETROL RAFINERILERI A 6.44 エネルギー
6 TCELL TURKCELL ILETISIM HIZMETLERI A 6.24 電気通信
7 KCHOL KOC HOLDING A 4.83 資本財・サービス
8 THYAO TURK HAVA YOLLARI AO A 4.36 資本財・サービス
9 ASELS ASELSAN ELEKTRONIK SANAYI VE TICAR 4.23 資本財・サービス
10 SAHOL HACI OMER SABANCI HOLDING A 3.33 金融

 ADRは含まず、全てトルコ・イスタンブール取引所上場の株式です。世界的に有名な企業はほとんど無いと言ってよいですね。

1位EREGLI DEMIR VE CELIK FABRIKALARI

 製鉄会社です。新興国は銀行が多くランクインするのが特徴ですが、重工系の企業が組み入れ1位ということでやや異彩を放っています。株式の半数は創業家オーナーが握っています。

2位Garanti Bank

 ガランティ銀行です。イスタンブールに本拠を構えるトルコ第2の規模を誇る銀行です。商業銀行業務だけでなく、投資銀行・生保・リース・証券なども扱う総合金融サービスを手掛けています。従業員数は2万人近くになり、非常に大きな銀行です。創業は第二次世界大戦後、1946年です。

3位BIM BIRLESIK MAGAZALAR A

 1995年創業と比較的新しい企業です。食料品などを手掛ける小売業ベースですが、プライベートブランドも豊富に抱えます。トルコではBİMストアとして知られ、最近ではエジプトなど同じイスラム教国への海外進出も果たしています。トルコでの食料品売り上げトップの企業です。当然ながらハラルフードに関して熟知しており、海外進出時にも強みになっています。

iシェアーズMSCIトルコETF【TUR】のまとめ

 国としてのファンダメンタルズが何ら毀損することなく、ただ政治的な理由で株式市場が暴落した時には買い場であることが多いのですが、新興国自体がやや不利なフェーズに入っていることが事態を難しくしています。

 

 基本的には米国金利高局面では新興国に資金が集まりにくく、1998年のアジア通貨危機のようなことは外貨準備高から考えても起きないとは言いつつも、積極的になれないところがあります。

 

 2017年ごろまでは新興国投資家は投資環境に恵まれていましたが、2018年はやはり一筋縄ではいかないというところです。しかしながら、だからと言って新興国投資ができないかというとそういうわけでもなく、やはりそれぞれのポジション、アセットアロケーションを尊重した投資を守ることでしょうね。

 

 米国が上がるから米国が良い、新興国が下がるから新興国がダメ、そういうことではなく、長期投資前提ならば自分が信じるストーリーを大切にして右往左往しないことだと思います。

 

 今は米国株投資が盛んに喧伝されているところがありますが、トルコの現状も他山の石として心に留めておく必要はあるでしょう。

 

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