DC【確定拠出年金】とDB【確定給付年金】の違いと特徴
DCとは、Defined Contribution Planの略です。よく言われる、【確定拠出年金】がそれです。企業型と、個人型があり、個人型はiDeCoで知られます。
これに対してDBは、Defined Benefit Planの略になります。【確定給付年金】という名称になります。
簡単に違いをまとめておきましょう。
DC【確定拠出年金】の特徴
DCの特徴を簡単にまとめておきます。
- 加入者が掛金と運用先を決められる。
- 将来の給付金は運用成績に左右される
- 加入者が自分で運用商品を決めるため、「運用指図者」となる。
- 個人の口座で管理するので、運用残高が把握できる
裁量が個人に大きく委ねられているのが特徴ですね。
DB【確定給付年金】の特徴
続いてDBの特徴です。
- 最初に給付額を決めます。拠出額と拠出先を決めるDCとの違いはここです。
- 給付額に必要な拠出額を積み立てます。給付額は確定しています。
- 運用は企業側が負います。運用リスクを企業側が負うのが大きな特徴です。
- もし、運用で下手を踏んだら、企業側が補填をします。
こちらは企業側が運用までしてくれるということで、大変手厚いですね。ただし、どのような運用をしてくれるのか、若干不安ではあります。失敗しても補填してくれるのはうれしいですが、体力のある企業に限られそうですね。
DCとDBには簡単にこのような特徴があります。企業側としては、運用商品を従業員に選んでもらい、なおかつ運用責任も負ってもらうので、DC【確定拠出年金】のほうがドライで取り組みやすいでしょう。
実際に、米国でDCが広がったのは、米国人気質にもありそうですね。「自分の運用は自分で決める、自分の将来も自分で決める」というわけです。
さて、こうしたことを踏まえてご質問を紹介します。
DC【確定拠出年金】とDB【確定給付年金】のどちらが良いのか
たぱぞう様、いつもブログを拝見しております。
以前にも1557について質問させていただき、取り上げていただきました。
その節はどうもありがとうございました。
このたびお伺いしたいのは、DCとDBについてです。
小生は、外資企業の人事総務の仕事をしておりますが、このたび福利厚生を見直すことになりました。
現在は財形などはあるのですが、DBやDCについては導入がありませんでした。
私は少額ながらアメリカ株を中心としたインデックス投資・ETFで運用をしておりますので、DCの導入が良いのではないかと考えておりましたが、上の方ではDBの導入にむしろ積極的であるようです。
理由としては、いきなり株の投資などの話が出てくると、投資運用にそれほど馴染みがない多くの社員は戸惑うのではないか(上長も投資の経験がありません)ということで、「ギャンブル要素」が薄く、安定的なDBで進めたい意向のようです。
私はこれまで会社が用意した制度を利用する側だったのですが、転職をして今回は導入する側に初めて立っております。
たぱぞう先生は、DCおよびDBについてどのようにお考えになりますでしょうか?それぞれのメリット・デメリットから、どちらをご推薦されますか?
お考えをお聞かせいただければ幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。
DC【確定拠出年金】とDB【確定給付年金】ならばDCのほうが良い
結論から書きますとDC【確定拠出年金】のほうが好みです。特に、外資系企業にお勤めということですから、気質にも合うと思います。
ただ、DB【確定給付年金】を勤め先が認めてくれるならば、補填というところに面白みを感じますね。もっとも、どのように運用し、その責任を取っていくのかということになりますので、手数料も含めていろいろと見えにくいように思います。
DC【確定拠出年金】は、資産運用の責任がある意味では個人に帰するものですから、大変取り組みやすいですね。
ひとまず、DC【確定拠出年金】を導入し、福利厚生の一環として社員研修などを行っていくのが望ましいと個人的には思います。繰り返しますが、あくまで個人的にですけども。
いきなり商品一覧を示して、「選んでみましょう」ではなく、説明会や共有ソースなどで知識をシェアできると良いですよね。といっても、企業型DC【確定拠出年金】の商品は大変限られているのが悩ましいところではあります。
関連記事です
FIREでも特にFIがあると選択の自由が実感されますね。
リスクをどの程度許容するかということですね。
やや玄人感のある、デリバティブに関してです。