4、5億円の資産規模になると、いろいろと扱いが変わってくる
世の中にはいろいろな方がいらっしゃいますね。その中でも資産のばらつきというのは日本は小さいほうですが、それでも差はあります。
海外に目を向けてみると、よく言われるアメリカに限らず、政治体制の異なる中国やベトナムでも大きな格差はあります。
どこの国でも富裕層向けのサービスというものがあります。例えば、普通のサラリーマンが銀行融資を受けようと思ったらそれなりの長い期間の審査、書類提出などがあります。
しかし、一定の資産があるような人は、即座に支店長室での対応になったり、億単位の融資枠が設定されていたりします。むしろ銀行側から借りてほしいといわれる人たちですね。
さて、今日は4億円からの資産運用術ということでご相談を頂戴しています。
4億円からの資産運用をどのようにしたらよいのか。
こんばんは!両学長のyoutubeなどの動画を見てたばぞうさんを知りました。
今朝、早速本を注文したところでございます。
<簡単なプロフィール>
会社経営(と言ってもほぼ一人社長)をしている37歳 妻、娘2人の4人家族です。家族名義の持ち家があり、住宅ローンはありません。
事業収益だけでは心配なので、別の収益源も増やしたいと思い、投資を勉強しています。
<現在の保有資産状況>
- 法人 ()内は現在の評価損益
- 現金:3.5億
- eMAXIS Slim 先進国債券:1億(+37万)
- eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本):3,500万(-760万)
- eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX):1,500万(-240万)
※実質一人会社ため、ある程度は自由に使えます。
- 個人
- キャッシュ:3,000万
- eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー):2,700万(-600万)
- eMAXIS Slim 先進国債券:1,800万(+0)
昨年は、金融の詳しい方にコンサルをお願いして上記eMAXIS Slimを購入しました。
ただ、コンサルなので手数料が発生し、リターンの期待値が下がってしまうため、今年からは自分で考えて投資していこうと思っています。
(あとやっぱり自分で実践しないと、気が済まないタイプでして・・・)
コンサルの方と去年話した結論は、今は法人でしっかり利益が出ているため、index投資で積み立てをしていこう。事業利益が出なくなった時に徐々に崩していこう。というアドバイスから上記ポートフォリオになっています。
<質問>
今は、私の個人収入が法人からの役員報酬しかないため、違う収益源も作りたいと思っています。法人にあるキャッシュを個人に貸し付けて、私個人が配当収入を得たいなと思っています。(法人で利益が出ても、税金が高く、個人だと20%ですむため)
可能であれば、年間500-600万(欲張ると1,000万ぐらい)ぐらいの配当収入があると嬉しく思っています。リスクはなるべく避けたいため、債券ETFや社債ETFなどを多めにしたポートフォリオが良いのでは思っております。(+アメリカの高配当ETFと日本の高配当株を少しずつ買っていく)
また、法人の現金:1.5億程度はリスク回避で残しておきたいと思っています。eMAXIS Slimも長期で考えているため、そのまま置いておきたいと思っています。
たぱぞうさんならどういったポートフォリオにされますでしょうか?基本的に心理戦で負けなように、定期的に決まったルールで1年~3年かけて買い付けていきたいと思っています。
お手数かけますが、よろしくお願い致します。
4億円+法人収益があるならば、個人の枠を超えた資産運用になってくる
4億円相当の法人・個人合わせての資産があり、なおかつ法人経営も順調となると、資産は法人で管理していくのが基本になってくるでしょうね。また、ご年齢は30台後半とお若く、今後も資産成長が見込まれます。
そうなると、個人での資産運用というよりはファミリー全体のことを考えた資産運用になってくるのでしょう。国内法人はもちろん、海外法人も意識されはじめるフェーズかもしれませんね。
ただし、あまり話が広がると散漫になります。ここでは以下の2つに絞ってお話をしましょう。
- 法人で資産を管理していく
- ペーパーアセット中心で管理をする
法人で資産を管理していくならば、利益の出るとき、出ない時の微調整が可能な投資信託での管理は使い勝手が良いですね。配当金は逆に狙わなくてよいでしょう。取り崩し対応のほうが使いやすいです。ここに会社管理の不動産などをトッピングしてもよいでしょう。私ならばそうします。
将来自分が引退し、収入が減ったときに払い出していくという形でもよいのですね。規模にもよりますが、資産管理法人を別に立ててもよいでしょう。
ペーパーアセットは現状のようにeMaxis Slimを中心とした展開で良いですね。債券を厚めにしたのは時期が良かったですね。堅実な提案に基づく構成と考えます。今の比率を守るのか、それともリスクの取れる局面と判断して株式の比重を大きくするのかどうかということですね。
株と債券の比率はおおむね7:3~3:7のレンジになります。今は、1:2ですね。この比率が心地よいと感じるならば、キャッシュを残しつつ、その比率で投資をしていけばよいですね。
キャッシュを1.5億取っておくということですから、のこり1億円を5年程度に割って、つまり年間2000万を投資していくことになります。私ならば、今の局面ならば3年以内に投資しきってしまうと思います。
当面は落ち着かないでしょうが、あまりないフェアバリューゾーンに株価があるからです。ただし、様々な考え方がありますから、そこはご自分の軸足をパチッと決めておくとよいです。
- 不動産を買う
- やや加速させてペーパーアセットを増やす
このような選択を私ならばすると思いますね。いずれにしても、対象の分散と時期の分散は必須です。本業での収入を効率的に分配し、お金がお金を生む仕組みを作っていけば、ご自分だけでなくファミリー全体が豊かになる、そのような流れになりますね。
ご質問ありがとうございました。
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キャッシュフローを配当で確保するのか、取り崩しで確保するのかということですね。配当で将来のキャッシュフローを確保するという考えもあります。
年齢が高くなれば、値動きの小さい資産にシフトしていく、リバランスしていくということになります。
株安場面で買うのか、売るのか、というのは投資家にとって永遠の課題です。買ってキャピタルを狙うのか、売って資産額の上下を抑えるのか、センスが問われるところですね。