たぱぞうの米国株投資

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米国高配当株ETF【HDV】と【VYM】との違いを徹底解説

iシェアーズ・コア 米国高配当株 ETF【HDV】とは

 【HDV】は、正式名称はiシェアーズ・コア米国高配当株ETFと言います。バンガードの【VYM】と狙いどころが似ています。現時点で高配当である株式を集めたETFです。

 

 【VIG】のように増配銘柄ではなく、今の高配当銘柄の集合体だということです。この数年の配当利回りは3.3%から3.7%ぐらいで落ち着いていましたが、このところ実績ベースでは急上昇しています。

 

 ベンチマークはモーニングスター配当フォーカス指数です。この指数への連動を目指したETFです。

iシェアーズ・コア 米国高配当株 ETF【HDV】と【VYM】の取引値の推移

 HDVとVYMの単純な取引値の比較をしてみましょう。設定日がHDVとVYMは浅いので、設定来2011年からの比較です。参考までにSPYも入れています。

HDVとVYM、SPYの長期比較

HDVとVYM、SPYの長期比較

 青チャートがHDVです。41%です。

 緑チャートがVYMです。62%です。

 赤チャートはSPYです。91%です。

 

 高配当ETFは値動き自体はVTIやS&P500などには劣りますね。とはいえ、値動き自体はほとんど変わらないことが確認できます。ETFは多数の株式銘柄の集合体なので、どれもこれも基本的には値動きが似通ったものになります。

 

 ちなみに、セクターETFでは明らかに違う値動きをするものがあります。公益などはそうですね。

 

 このチャートは分配金再投資のチャートではないので、そういう意味では高分配金のHDVやVYMは少なくとも比較可能な2011年以降はまずまず健闘しています。しかし、基本的には大きな値上がり益を狙うものではないですね。

 

 高配当ETFは一般的には値上がり益はさほど見込めません。配当金込みだとパフォーマンスは上がり、2011年以降ではおよそ90%のリターンになります。直近相場で下げたといえども、それぐらいのリターンはあるということですね。

 

 2015年以降のVYMとの差の開き方が気になるところです。これは構成銘柄を見れば理由がわかります。後述します。 

iシェアーズ・コア米国高配当株ETF【HDV】の配当とチャート

HDVのチャートと配当

HDVのチャートと配当
  • 2011年6月 取引値52ドル 分配金0.244ドル
  • 2016年6月 取引値79ドル 分配金0.679ドル
  • 2017年6月 取引値85ドル 分配金0.718ドル
  • 2018年6月 取引値88ドル 分配金0.796ドル
  • 2020年3月 取引値67ドル 分配金0.914ドル

 

 取引値は2014年~2016年のころまで落ちてしまいましたが、配当は3倍というところです。ただし、コロナショックが長引くならば、減配も視野に入ります。2011年はリーマンショックから日が浅く、ギリシャショックなどもあったころです。そのころとの比較ですので、有利な条件ですね。

iシェアーズ・コア 米国高配当株 ETF【HDV】の構成銘柄

2016年のHDVの構成銘柄

 2016年当時はエクソン、シェブロンといった大手だけでなく、全体的にエネルギーを比較的多く組み込んでいました。原油安に伴う株安で、HDVの取引値も停滞していましたね。

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2018年のHDVの構成銘柄 

ティッカー 銘柄名 %
XOM EXXON 9.85
VZ VERIZON 7.64
JNJ JOHNSON & JOHNSON 7.42
CVX CHEVRON CORP 6.64
PFE PFIZER INC 6.16
PG PROCTER & GAMBLE 5.9
KO COCA-COLA 4.73
CSCO CISCO SYSTEMS INC 4.47
MO ALTRIA GROUP INC 4.05
MRK MERCK & CO INC 4.02
PEP PEPSICO INC 3.97
MCD MCDONALDS CORP 2.58

  大きな変化としては、フィリップモリスが外れたことが挙げられます。ランク外ではありますがIBMも外れていますね。

2020年のHDVの構成銘柄

ティッカー 銘柄名
XOM EXXON 10.01
T AT&T 9.12
VZ VERIZON 7.47
JNJ J&J 7.43
PFE PFIZER 6.31
CVX CHEVRON 6.13
CSCO CISCO 4.67
MRK MERCK 4.4
KO COCA-COLA 3.79
PEP PEPSICO 3.69

  タバコのアルトリアがランク外になっています。大きな変化ですね。他はおなじみの銘柄群です。オイル系が多いのは一貫しています。

iシェアーズ・コア 米国高配当株 ETF【HDV】のセクター比率

 続いて、セクター比率を見てみましょう。

2017年のHDVセクター比率

セクター 比率
生活必需品 22.23
エネルギー 19.11
電気通信 13.7
情報技術 11.72
ヘルスケア 11.59
金融 7.1
公益事業 6.85
資本財・サービス 3.98
一般消費財・サービス 2.34
素材 0.8

 2017年は例外的に生活必需品が1位になっています。原油安に伴う減配などで順位を落とした形になっています。2016年以前はエネルギーが1位でした。

2018年のHDVセクター比率

セクター %
エネルギー 22.13
生活必需品 21.28
ヘルスケア 20.98
公益事業 7.95
通信 7.64
資本財 6.63
情報技術 5.3
一般消費財 4.75
金融 2.27
素材 0.87

  このHDVは伝統的にエネルギーの比重が大きいです。だから2015年の原油安の時にVYMに取引値が大きく劣後していたと言えます。

2020年のHDVセクター比率

セクター名
エネルギー 24.07
ヘルスケア 21.03
通信 17.02
生活必需品 9.8
公益事業 9.18
情報技術 7.86
金融 5.72
資本財・サービス 3.18
一般消費財・サービス 1.16
素材 0.6

  全体の1/4がエネルギーセクターです。近年でも最大の比重を置いています。

 

 今後原油市場が持ち直し、維持され続けると予想するならばVYMよりもHDVのほうに魅力を覚えるのではないでしょうか。ちなみにVYMはエネルギーは10%ほど、セクター順位は6位です。このように、高配当ETFと言えども構成される銘柄がかなり違います。

iシェアーズ・コア 米国高配当株 ETF【HDV】のまとめ 

 HDVの信託報酬は0.08%です。VYMは0.06%です。両社とも意識してコストダウンをしています。

 

 構成銘柄は75銘柄と意外なほどに少なくなっています。VYMはおよそ400銘柄です。少数精鋭で臨むのか、あくまで分散投資で臨むのかというところでしょうか。

 

 そのあたりにもブラックロックとバンガードの運用思想の違いを見て取ることができます。そして、私たち購入者の選択の余地がいくつもあるのがアメリカ市場の魅力でもあります。金融先進国アメリカならではの商品ラインナップと言えるでしょう。

 

 債券ETFのBND(バンガード)かAGG(ブラックロック)か、S&P500のVOO(バンガード)かIVV(ブラックロック)か、SPY(スパイダー)か。このように運用会社の違いによるちょっとした運用成績や運用思想の違いがあります。

 

 ドル転してアメリカ市場で株式やETFを買う魅力がこの競争力ある選択可能な金融商品の数々ですね。

 

関連記事です。

 こちらはバンガードの高配当株式ETF、VYMです。この数年でHDVとのパフォーマンスは開きつつあります。どちらが良いというよりも、好みの問題でしょう。エネルギーセクターが好きならばHDVのほうが妥当性があります。

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  古い生地になりますが、個人的には原油価格がかつての価格を取り戻すには、通常の需給以外の要因が必要だと考えます。

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  キャピタルか、インカムかという永遠の課題です。

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