たぱぞうの米国株投資

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1.3億円からのセミリタイア投資術

1.3億円からのセミリタイア投資術

 セミリタイアは、若いほど難しく、年を取るほど簡単です。

 

 理由は、年金が始まるまでの年月が短いためです。当たり前と言えばそうですね。お年寄りの多くはリタイアかセミリタイア生活なのです。そういう意味では、どの時期にリタイアをするのかということになります。いずれはみんな、リタイアするのです。

 

 ところで、1億円というと大金に感じるかもしれませんが、働かずに生活費に投入していくと案外早くなくなります。

 

 年間500万円ほど使っていくと、20年でなくなる計算になります。もし、宝くじが当たり、25歳で1億円を得たとしても、45歳で使い果たすということになります。そのため、3つの対策が必要になります。

  1. 収入を得る
  2. 投資をする
  3. 節約をする

 つまり、資産の延命を図るわけですね。こう考えると、1億円というのは多くの人の目標にはなりえますが、生活を劇的に変える金額かというと、それだけだと意外とそうではないと言えますね。運用をすると、大きな違いになります。

 

 しかし、もし50代で1億円あるとするならば、年金支給まで15年~20年というところです。これだと、勤続かセミリタイアか、選ぶ権利を手に入れたことになりますね。過度な希望は禁物ですが、そのような選択権を得る金額だということです。

 

 さて、今回は40代半ば、1.3億円の資産をお持ちの方からご質問を頂戴しています。

1.3億円の資産で毎年400万円のインカム得たい

 毎朝楽しくブログを読ませていただいています。株式だけでなく、太陽光、不動産投資についても勉強になる有益な情報をありがとうございます。 

  • 私 44歳 会社員
  • 妻 42歳 専業主婦

現資産

  • eMAXIS Slim米国株式 2200万円(積立100万円/月)
  • eMAXIS Slim先進国株式 800万円
  • 国内株式 500万円
  • BND 100万
  • 日本円 4300万円
  • ユーロ 2000万円(円安に振れるの待ち)
  • バーツ 500万円

 現在タイで妻と二人暮らししている会社員です。30歳くらいから早期退職を考えはじめだし、40歳までに1億円を貯めることを目標に投資を続けてきました。

 

 最初は日本の個別株数社のみに偏った投資をしており、またリーマンショックもあり増やすどころか、マイナスからなかなか抜け出せませんでした。その後、「投資信託はこの9本から選びなさい」という本に出会い投資信託にシフトしていきました。


 資産を投資であまり増やせていませんが、駐在員生活が長く、家と車にあまりお金がかからなかったため、2年前に目標達成できました。先日タイミング良く早期退職の募集が始まったため、リタイヤするつもりです。


 退職後は組織で働くことは考えておらず、日本(実家)と海外を拠点に不労所得400万円を目指して楽しく生活していきたいと思っています。

 

 質問は退職後の資産13000万円とした場合、労働収入がなくなるため、大きなリスクを取らずに年間400万の不労所得を得る最適な手段。


 キャピタルゲインを狙いS&P500に投資するべきか、収入がなくなった後に精神的に安心できるインカムゲインを高配当株や不動産投資で得るべきか、又はハイブリッドで行くべきか悩んでいます。

 

 昨年後半から暴落時のチャンスに備え、現金比率を高めていますが、機会損失している気もします。アドバイスよろしくお願いします。

1.3億円が400万円を生み出す永久機関になるか、どうか

 1.3億円あり、ご夫婦での暮らしということですね。44歳というご年齢を考えても、殆どセミリタイアは達成できる金額と言えます。

 

 しかも、ご実家暮らしが可能ですから住居費がかかりません。タイならば場所にもよりますが、2,3千万円もあれば、ちょっといいコンドミニアムに住めますね。まさに悠々自適、パーマネントトラベラーのような暮らしをすることも可能です。

常夏のコンドミニアムでセミリタイア

常夏のコンドミニアムでセミリタイア

 ちなみにこの1.3億円ですが、毎年400万円を使っていくと、おおよそ32年間使える計算になります。そのころには年金も始まっていますね。そういう意味では、何が何でも400万円を稼いでいくというよりも、原資を減らさない投資が大事になってくるでしょう。

S&P500か高配当株投資か

 多くの方にはS&P500をお勧めしていますが、セミリタイア後ということでしたら高配当株投資も悪くないでしょう。ここでは詳述しませんが、配当控除を念頭に置いた日本株高配当投資というのも悪くありません。

 

 米国株ETFでしたら、鉄板のVYM/HDV/SPYDということになります。しかし、いきなり全力で投資するのは避けたほうがいいでしょう。

 

 VYMはだいたいにおいて3%前後の利回りです。これだと、税抜き前ですが390万円の収入が見込めるのですね。ただしマーケットが高ければ2%半ば、325万円ほどになります。

 

 属性を活用して不動産投資に取り組むのも手ですが、海外駐在だと融資が引けません。手先が器用でDIYが得意、ということでしたら帰国後に築古投資に取り組むという手もあります。この場合、キャッシュを投じてということになりますね。

 

 また、4000万ほど投じて、利回り10%前後の太陽光を買って20年間400万円を得るという方法もあります。実はこれが一番簡単かもしれません。

 

 いずれにしても、様々な手段があります。ご自分の性格、好みを考えて組むのが良いでしょう。 

ペーパーだけで回すのか、ハードアセットを入れるのか

 私はセミリタイアするにあたって、ハードアセットを組み入れました。インカムが安定的であり、値動きが小さいからです。資産のボラティリティは気にしないほうです。しかしセミリタイアにあたって、さすがに値動き幅をマイルドにしようと思ったわけです。

 

 個人的には、ハードアセットは利回りを上げ、分散になるのでお勧めです。しかし、人脈、相談できる相手、メンターが欲しいですね。

 

 もし、手間のかからないペーパーだけで完結させるならば、私は間違いなく債券をいれます。

 

 いずれにしても、ご資産は十分あるわけですから、ペーパーに絞るならば5年程度に分けて、じっくりとポートフォリオを作っていくのが良いと思います。住まいがすでに確保されていること、これはあとあとになって精神的な安定として効いてきますよ。

 

 十分なバッファがあるわけですから、焦らず手元資金を削りながらコツコツ投資を続けていくのが良いですね。ご質問ありがとうございました。

 

関連記事です。

  SPYD一括投資ならば400万円は確保できます。しかし、リスクはそれなりにありますね。資産の一部を置き換えるというのはありでしょう。

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  VYMの場合はキャピタルもそこそこ狙えるというメリットがあります。しかし、今の水準は高配当と呼ぶにはいささかインカムが低いですね。

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  HDVは80銘柄に満たない、なおかつ比較的入れ替わりの激しい銘柄で構成されています。こちらは現在辛うじて3%台のリターンです。

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