金利上昇局面における債券安と金利下降局面における債券高
債券投資は長らく魅力を失っていました。世界的な金利安を背景とした債券利回りの低さが原因ですね。
しかし、予想以上の金利高により、アセットの魅力を取り戻しています。半面、価格自体は大きく下げており、従来からのホルダーはダメージを受けていますね。伝統的な6:4ポートフォリオ、つまり株式6:債券4の投資が全く通用しなかった昨年が記憶に新しいところです。
期待された逆相関性が全く働かなかったということです。しかし、10年来安ともなっている現在の状況下においては妙味ある利回り、価格となっています。さて、今回は金利上昇下における債券投資ということでご質問を紹介します。
金利上昇局面での債券投資に妙味ありと感じます
たぱぞう様、いつも大変参考になるブログを発信して頂きありがとうございます。気づけば、たぱぞう様のブログを拝見するのが毎日の日課となっております。
今回質問させて頂きたいのは、米国の金利上昇の恩恵を受ける為の債券投資商品は何かです。いざ、昨今の短期金利の上昇の恩恵を受けようと証券ホームページを覗くものの、知識不足もありなにを購入して良いのか分からない状況です。
考えてみれば、様々なブロガー様などが株式投資について情報を発信されていますが、債券投資については発信されている方が少ないように感じます。
私が思いつく債権投資は短期では外貨建てMMF、長期ではAGG(米国ETF)がございますのでそれらに投資を考えております。しかし、直近のFRBの金利が5%に近づいている今、上記の利回りは2%後半程度で少し低いと感じています。
(投資対象は、換金性の高いものを第一にしたいです。)
二つ目の質問は、金利と債券価格は逆相関するのであれば、例えばAGGを長期保有すれば、金利が上昇しようが下降しようが長期リターンは同じと考えてよろしいのでしょうか。
恐れ入りますが、ご回答よろしくお願いいたします。簡単では御座いますが自己紹介をさせて頂きます。
自分:32歳 サラリーマン 年収500万円程
妻 :32歳 主婦
子供:3人 3歳、1歳、0歳
入金力(現金、株式)は月8万円程度
貯金:現金150万
株式:300万円 2018年のコロナショックちょっと前より開始
NISA分
日本株個別:30% JT、三菱商事、ソフトバンクなど各5万円で分散
米国株:SPYD、VYM、MOで50%
積み立てNISA
SP500連動投資信託 20%
コツコツ毎月購入
一時はFIREに憧れ、家族に迷惑をかけないであろう30万円程で流行りの株などを購入してみたものの才能がないことを自覚し、大人しく高配当投資?をしております。
以上とは別に、子供の貯金として150万円があり換金性の高い商品で尚且つ比較的安全な米国債券で運用が出来ないかと考えております。運用期間は約15年。
たぱぞう様のブログで米国投資を知り、人生を変えて頂き大変感謝しております。
今後ともお体に気を付けてお過ごしくださいませ。
金利上昇局面における債券安で債券投資に妙味あり
ご存じの通り、金利上昇局面では債券価格は下がります。利回り面で既発債が不利になるため、価格を下げることで利回りを現状に合わせてくるからですね。
よって、ご例示のMMFのような価格が固定されているものは上昇局面では取引値の下落でのダメージは避けられます。
一方で、ターミナルレートが意識される昨今では利下げを先取りして債券の値上がりに期待するという投資もあるでしょうBNDなども非常に下げてきていますから、確かに長期目線で比較的確実性の高い妙味はあります。
このようなボラタイルさがありますからAGGは買うタイミングによって長期リターンは上下します。
金利が安い時よりも、現状のような値がこなれたタイミングのほうが私は妙味ありと見ます。TLTなどもこの10年のキャピタルを全て出し尽くしており、金利高の影響が大きいです。
逆に言うと、チャンスでもあるわけです。AGG、AND、TLTなども人気がありますね。
バンガードで言うならば、短期債のBSV、中期債のBIV、長期債のBLVなどとも比べても面白いでしょう。短期のほうが値動きと利回りが小さく、長期になればリスクは大きくなります。
ともにがんばりましょうね。
関連記事です。
高配当株は債券と競合しがちですが、底堅い値動きのものが多いですね。
損益通算、PFの話です。
繰り延べを考えると投信、うねりを考えるとETFとも言えます。